0.バッドエンドは回避してみせます!
「あ、ああ、ロミオ。……なぜ貴方がロミオなの?」
「しゃーねーだろ、くじで配役決めたんだから。嫌そうにするな!」
ここは14世紀のイタリアの都市ヴェローナにある、キャピュレット家のパーティ会場。
そこで、ロミオ・モンタギューとジュリエット・キャピュレットは出会った。
「というか、台詞違うだろ。」
「あぁ、そうね。私としたことが、うっかりしてたわ。」
ジュリエットがコホンと咳払いをする。
「あぁ、ロミオ、貴方はどうして男なの?」
「いや、俺に訊かれても困る。」
また、ジュリエットは台詞を間違えたようだ。
「え~っと……。」
「まさかお前、台詞を忘れたのか?」
「そんなわけないわ。ちゃんと覚えてる!
じゃぁ、ロミオ。貴方は肉派? 魚派?」
「どちらかと言うと、肉だな。
……じゃなくて、な。 やっぱりお前、台詞を忘れただろ。結構有名な台詞だぞ……。」
「え~。」
このまま、この茶番を続けさせても拉致が開きそうにないので、わたしが説明しましょう。
「ちょっ、ナレーター?!」
舞台は14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。モンタギュー家(モンテッキ家)とキャピュレット家(カプレーティ家)は代々対立していた。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、ロザラインへの片想いに苦しんでいる。気晴らしにと、友人達とキャピュレット家のパーティに忍び込んだロミオは、キャピュレット家の一人娘ジュリエットに出会い、たちまち二人は恋におちる。二人は修道僧ロレンスの元で秘かに結婚。ロレンスは二人の結婚が、両家の争いに終止符を打つきっかけになることを期待する。
しかしその直後、ロミオは友人とともに街頭での争いに巻き込まれ、親友・マキューシオを殺されたことに逆上したロミオは、キャピュレット夫人の甥ティボルトを殺してしまう。このことからヴェローナの大公エスカラスは、ロミオを追放の罪に処する。一方、キャピュレットは悲しみにくれるジュリエットに、大公の親戚のパリスと結婚する事を命じる。
ジュリエットに助けを求められたロレンスは、彼女をロミオに添わせるべく、仮死の毒を使った計略を立てる。しかし、この計画は追放されていたロミオにうまく伝わらなかった。そのためジュリエットが死んだと思ったロミオは、彼女の墓参りに来たパリスと決闘し殺してしまい、そして彼女の墓の側で毒薬を飲んで自殺。その直後に仮死状態から目覚めたジュリエットも、ロミオの短剣で後追い自殺をする。事の真相を知って悲嘆に暮れる両家は、ついに和解する。
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「ちょっと、何ネタバレしてるんだよ!」
「そうよ!」
あぁ、ごめん、つい。
「『つい』って……。」
「私、決めましたわ!」
ジュリエットが真面目な顔つきになる。
お? どうしたんだ?
「私、このバッドエンドを回避するわ。」
ほう、そうきましたか。
「な、何言ってるんだ、お前。」
「だって、私嫌よ。誰も幸せにならない終わりなんて。」
「いや、両家が和解してるし、これはこれで・・・」
「嫌なもんは嫌なの!
はい、出会いのところから仕切り直すから、行った行った!!」
「え、ちょっと……!」
ロミオとジュリエットの、バッドエンドを全力で回避する物語はこれから幕を開ける─。
どうも、こんにちは。
なんとなく新しい作品を描きたくなったあぷりこっとです。
もう一つの作品である「白馬の王子と黒馬の王子」を優先して描いていくつもりではあるので、今後どういう感じで更新するかわかりませんが、お付き合いいただけると嬉しいです。
さて、今回は0話です。始めは劇中にしてみました。ただ単に、綺麗に台詞を間違えるジュリエットを描きたかっただけですw 今後真面目な感じになればいいな~と思ってます。
この作品は「ロミオとジュリエット」の二次創作ですが、私は原作をよく知らなかったりします。Wikipediaで調べたレベルです。ただ、この作品のあらすじを読んで、私の手でハッピーエンドにしてあげたいな、出来たらいいなと思っております。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
それでは、また次回お会いしましょう。
バイバ~イ!