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Ed7 ジリ貧の戦い

「正門破られそうです」


衛兵が報告を行う。


「うむ…戦力を正門に集中! 破らせるな!」

「はっ!」

「西側より砲撃! 城壁が崩れそうです」

「見張り台よりマシンボーガンで打ち取れ!」

「はっ!」

「裏門破られました!」

「では私が行こう! ここは任せたぞ」

「はっ!」


私は裏門に向かった。

途中にある裏庭で戦いが起きており、我が軍の損害が甚大。

私はマシンボーガンを放った。


「くっ!」


何だあれは?

私のマシンボーガンはフィックスの科学力で作った普通のボーガンより遥かに高性能のボーガン。

それを易々と防ぐ盾。

それも体全体を覆い隠せる程の大きさ。

あんなの大き過ぎて重いだろ。

だというのに徐々にこちらに迫って来る。


そして時折、手を少し出してマシンボーガンを放って来た。

我が国より性能は落ちるが、あちらの国に流したものだ。

こんなとこで使って来るとは……。

私は唇を噛み締めた。


「ならば……」

「ぐはっ!」


少し出した手を狙い撃つ。

そして撃たれ、体勢が崩れたとこを連射した。

しかし、そんな精密な射撃が出来るのは私くらいしかいない。

それに物量に差があり過ぎる。

被害が大き過ぎて、我が軍の兵は倒れまくっている。


「全軍後退! 通路にて戦線を維持」


通路まで下がる。

裏庭は広く敵兵達が大きく展開していたが、狭い通路ではそうは行かない。

後ろに並ぶしかない。

前面が盾でも頭上は違う。

私の指揮の元、一斉に斜め上にマシンボーガンを放った。

命中率は落ちるが後ろにずらりと並んでるので当たりやすい。


「ぐはっ!」

「がはっ!」


だが、やがて2列目以降の敵兵は頭上に盾を掲げだす。

あの材質は何なんだ?

ボーガンを弾けるのに軽々持てるとは……。

やはり物量に差があり過ぎる。

我が軍の兵が倒れ過ぎた。

このままではまずいな。


『ハイ・エレキー』


次の手を考えていると後ろから雷系中級魔法(ハイ・エレキー)が飛んで来て、そのまま敵兵に当たる。


「ぎゃー!」


盾を構えていても、雷は感電するらしく敵兵の1人が倒れた。


「エーコ、何故逃げていない?」


後ろを振り返るとエーコとアークがいた。


「水臭いよー。仲間でしょうー」

「すまない」


とは言ったもののアークの記憶がないから部屋に閉じこもっているか逃げるかしろと伝えたのだがな。

実際アークは剣を構えてるが、足が震えているぞ。

うん? 剣?

小太刀や小刀ではなく剣なのか?


「「「「「おおー」」」」」


やば! 敵の接近を許してしまった。

これは白兵戦だな。

私も得意武器の槍を抜く。


「はっ!」


よし! 一人突き刺した。

アークは?

やはり震えてまともに動けないな。

だが、元々の身体能力のお陰で速い。

敵の攻撃を当たらないように避けたり剣で弾いたりしてる。


『ハイ・ブリザード』


エーコの氷系中級魔法(ハイ・ブリザード)で敵兵を凍らせる。

流石はエーコだ。

確実に敵を倒して行く。

それも城を崩さないように考えている。

それにアークを気付かないながらだ。


『ハイ・ブリザード』


また氷系中級魔法(ハイ・ブリザード)か……。

もしかしたらアークになるべく変死体を見せないようにしてるのかもな。

アークの方は剣を振ってるが……振られているという感じだな。

見た目は素人という感じだが、アーク自身の身体能力でそれをカバーしている。


ザンっ!


アークが敵兵を斬り裂いた。

だが、その瞬間顔色が悪くなり剣を落としてしまう。


「『シールド』……アークどうしたのー?」


エーコが防御魔法(シールド)でカバーしながら、アークに声を掛ける。


「うっ! おぇぇぇぇぇ」


おいおい私の城に吐き出すなよ。

冗談はともかく今のアークに取って初めて人を殺したのかな。

まずいなエーコが完全にアークのカバーに回っている。

敵もバカではない。

そこを狙う。


「アーク下がるよー……『グラビティ』」


エーコがアークを抱え重力魔法(グラビティ)で、自分がいる地面の重力を軽くし、跳躍力を上げ、後ろに飛ぶ。

それと同時に我が兵が後ろからやって来た。


「報告します! 正門突破されました」


何だって?

エーコ達が下がったけど、逆に危険になったのでは?



「槍兵部隊突撃! 時間稼ぎをしろ。ある程度時間を稼いだら下がれ!」

「「「「「はっ!」」」」」

「それ以外は後退! 体勢を立て直すぞ」

「「「「「はっ!」」」」」


全体に指示を飛ばし私も下がる。

アーク達が心配だ。

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