表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/400

Ec2 私と同じ歳なのねー

年齢計算を間違えていなければ32歳の筈

誕生日を設定したわけではないし、第一部で大雑把にしか年数進めていなかったので、自分でも良くわかっていなかったり?笑

 私の名前はエーコ、15歳。

 去年からアークと一緒に暮らしている。

 そのアークはあの大爆発に巻き込まれ、生きてるのが不思議なくらい重症だった。

 同じく一緒に暮らしているアークの恋人のナターシャお姉ちゃんなんて泣き崩れ顔が真っ青になってしまう。

 兎にも角にも私は上級回復魔法(ギガ・リカバリー)で治療した。

 直ぐに駆け付ける事が出来て良かったと本当に思っている。

 体は回復したが数日目を覚まさず、4日目にやっと目を覚ました。


「えっと……まず君は誰? そしてアークって?」


 だというのにこんな事を言い出す。


「何ふざけてるのー?」


 と返すがアークはキョトンとしている。

 これどういう事なのー?


「いやほんとに君誰? 俺は異世界転生したのかな?」


 異世界転生? 転移(・・)じゃなくてー?

 前にアークが異世界転移してダークの体を乗っ取ってしまったって言ってけど……。


「貴方はアーク。覚えていないー?」

「いや」


 アークが首を振る。

 どうしよう……。


「あ、アーク起きたのねぇ。良かった」


 そうしていたらナターシャお姉ちゃんが部屋に入って来た。

 奇麗な白身かかった金色で腰まである長い髪で背中の辺りで結んでいる。

 もう直ぐ31歳になろうというのに20代前半って言われても十分通じるくらい凄く綺麗なお姉ちゃんで、薬師の技術を私に教えてくれている。


「叔母さんも誰ですか?」


 えー……それは不味いよ。


「矯正」


 ペッシーンっ!!


 あーあ…やっぱりビンタが入った。

 しかも今回は強烈ねー。

 アークがふざけた事を言うとナターシャお姉ちゃんが、矯正って言ってビンタする事はあるけど、あんな強くはしてなかったなー。

 痛そうー。

 いくら何でも叔母さんはなー。


「い、痛い」


 アークが頬を抑えながら涙目になっている。


「アークが失礼な事を言うからでしょう?」

「あ、叔母さんは良くなかったですか? じゃあお姉さんは誰でしょう?」


 やっぱりアークはおかしい。

 ナターシャお姉ちゃんへの話し方も他人行儀だ。


「何言ってるの? アーク」

「ナターシャお姉ちゃん、アークは自分の名前も私やナターシャお姉ちゃんの事も忘れているっぽいよー。それに異世界転移じゃなくて異世界転生とか言ってるんだー」


 ナターシャお姉ちゃん一瞬キョトンとしてしばし何かを考える。


「えーっと貴方の名前はオサムであってる?」


 やがてアークにそう聞いた。

 確か、アークになる前はそんな名前だって私も聞いたなー。


「そうです…俺は治。高梨 治です」

「じゃあオサム。貴方の最後の記憶は?」


 ナターシャお姉ちゃんは聡明な人だ。

 状況確認を確りしようとしている。

 薬師だけあり患者との対話に慣れているのだろうか?


「車にはねられて、おそらく死にました」

「車? 馬車のようなもの?」

「あー……そうですね。そんな感じのものです」

「その時、オサムは何歳?」

「15歳です」

「「えっ!?」」


 ナターシャお姉ちゃんも私も同時に驚く。

 異世界転移した時の年齢は17歳と聞いていた。

 この世界で過ごしたのは4年なので実年齢32歳なのに中身は21歳になるのかなー?

 なのに15歳? 6歳は大きいよー。

 あれ? という事は私と同じ歳なのねー。


「何をそんなに驚いているのですか?」

 

 アークが首を傾げる。


「ごめんなさいねぇ。記憶を失ってるようだけど、あんたは17歳の時にこの世界に、そしてダークという者の肉体に転移して来たのさぁ。そして今の名前はアーク」

「はぁ」


 ナターシャお姉ちゃんが説明してるけどいまいちピンと来てないようね。


「そしてあたいの名はナターシャ。ナターシャ=プリズン」

「……ナターシャさん(・・)


 ナターシャお姉ちゃんが一瞬悲しい顔しちゃった。

 さん(・・)なんか付けるからー。


「こっちはエーコ。エーコ=アローラ」


 私の方を見て言った。


「エーコ……名前も可愛いね」


 嬉しいけど安直なんだけどねー。

 それに今、私に可愛いとか言ったらダメだよー。

 ナターシャお姉ちゃんが、寂しいそうな顔しちゃってるー。


「それで何で俺は記憶を失ったんです?」


 アークがそれに気付かない。

 ナターシャお姉ちゃんもこの問いには、どう答えるべきか迷ってる。


「ばくは……ぅん!?」


 代わりに私が答えようとしたら口を塞がれた。


「一辺にいろいろ聞くのは良くないさぁ。少しづつ思い出して行った方が良いよ」


 ナターシャお姉ちゃんがそう言う。

 確かにそうかもー。


「それじゃあ4日も目を覚まさなかったんだ。今日はもうゆっくり休みなぁ」


 そして、私とナターシャお姉ちゃんはアークが寝ていた部屋から出た。

 ナターシャお姉ちゃんの部屋でもあるんだけどなー。


「エーコ、アークの事お願いしても良い?」

「ナターシャお姉ちゃんはー?」

「あたいは明日から行きたいとこがあるのさぁ。だから帰って来るまでの間、お願い。それに……」

「それにー?」


 ナターシャお姉ちゃんが悲しいを顔をしだした。


「記憶がないせいで、あたいよりエーコの方を気に入ってるようだからさぁ」


 かもしれないけど肉体は親子なんだけどなー。

 でも、アークを今のままにしておけないよねー。

 ナターシャお姉ちゃんが帰って来るまでの間だけアークを見るべきかなー。


「わかったよー。ナターシャお姉ちゃん」

「ありがとうねぇ。エーコ」

「いいよー」

「それと記憶喪失は、あまりいろいろ教えると負担になるから、気を付けるだよ」

「わかったー」


 そして次の日、朝早くにナターシャお姉ちゃんが出て行った。

 もしかたら今のアークを見てるのが辛いのかもー?

 ナターシャお姉ちゃんはアークの事を凄く好きだったからなー。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ