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Ec1 エーコ=アローラ

私はお爺ちゃんに育てられた。

お母さんは私が1歳の頃に亡くなったらしい。

お爺ちゃんがグランティーヌお母さんの話をよくしてくれた。

凄く優しい人だと。

人も動物も困っていたら、放っておけないお母さんだと話してくれた。

だけどお父さんの話は一切してくれない。

お父さんの事を聞いても何一つ答えてくれない。

何故なの?



精霊大戦の時に反帝国組織に入り、ラフラカと戦う事になった。

そこで、お父さんかもしれない人で出会った。

ダークさん……。

顔を隠し口数も少なく、あまり会話もした事がない。

確信があるわけじゃない。

そうだったら嬉しいって願望に過ぎない。

お母さんが亡くなったならお父さんくらいは生きてて欲しいって願望。



根拠があるわけじゃなかった。

ただお爺ちゃんが一度だけポロっと言った言葉。

ハンターが懐くのはアローラ家だけ

ハンターはダークさんの相棒のワンちゃん。

そのワンちゃんが何故か私に懐いた。

それにダークさんは時折、私を見守るような視線を送ってくる。



私がピンチの時は助けてくれる。

たまたまかもしれない。

結局これは私の願望なんだ。

そう自分に言い聞かせた。

だけどアークさんとして再会した時に確信した。

アークさんの魔力的な気配はダークさんと同じ。

直ぐに同じ人だとわかった。

そして、左手の薬指。



私が持っているお母さんの形見の指輪。

お父さんとの結婚指輪だと思う。

それと同じ指輪が左手の薬指にあった。

あーやっぱりお父さんだったんだね。

でも、ずっと言い出せなかった。

何か事情があって私を捨てたんだと思う。

その理由を知らない限り踏み込んだらいけない気がした。

いや怖かった。



だからダークさんと再会した時に声をかけられなかった。

ずっと話したかったけど話せなかった。

それに本当にお父さんなのか不安もある。

でも今、声をかけないと一生声をかけられない。

だって過去に行くって事は歴史を変えるって事だもん。

きっと今のお父さんとは会えなくなるし。

せっかく再会できたのに新しい歴史では、また会えるかわからない。



「待ってーっ!!……待ってーお父さんっ!」


遂に声をかけてしまった。

お父さんの目がギョッとする。


「……何を言ってる?」


そして、そう言う。


「お父さんでしょう?」

「……違う」


私は大きさが合わなくて指輪をチャーンにハメて首からかけていた。

それを服の中に忍ばせ、肌身離さず持っていた。

それを取り出す。


「お母さんの形見の指輪だよ。その薬指の指輪と同じだよー」


左手の薬指を指差す。

お父さんが右手で指輪を隠す。

もう遅いよ。


「エーコ気付いていたのじゃな」


ああやっぱり。

お爺ちゃんがそう言ったから違うかもって不安が消えたよー。


「違うっ!」


お父さんが強く言ってきた。

うんそうだね。

少し違うね。


「お父さんだけど、お父さんじゃないような……」

「何を言っている?」

「奥底の魔力の気配が違うよねー」

「「「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」」」


皆が驚く。

何故かわからないけど私は生まれながら魔力が高かった。

そのお陰なのか人の魔力量や質がなんとなくわかった。

だから感じる。

奥底にあるのが違うって。


「確かにダークから感じる奥底の魔力が前と違う」


ルティナお姉ちゃんも気付いたみたいね。


「魔力はそこまで詳しくわからない……けど、昔のダークと違うよな?ずっと不思議に思ってた。お前は本当にダークか?」


エリスお姉ちゃんも違和感を感じてたみたい。


「ねぇアーク、本当の事を話しても良いんじゃない?」


ナターシャお姉ちゃんがそんな事を言う。

本当の事……。

何かわからないけど聞きたい。

知りたい。

私はお父さんの事沢山知りたい。


「は~……俺はダークでもアークス=アローラでもない。ダークの体を奪った簒奪者だ」


溜息を付きそう言う。

簒奪者?

どういう事なの?

皆も不思議に思っている。


「アーク、そんな言い方ないんじゃない?」


ナターシャお姉ちゃんは詳しく知ってるのかな?


「事実だ。理由は知らないが、気付いたらダークの体を奪っていた。だから俺はエーコちゃんの父ではない」

「「「「「「「「「「ちゃんっ!?」」」」」」」」」」


驚くとこそこかなぁ?

まあ少しむずがゆい感じはあるけどさー。


「それでも、その体はお父さんなんだよね?」

「……そうなるな」

「なら、やっぱり行かないでー」

「言っただろ?これは俺が決着を付けないといけない事なんだ」

「中身が違うのに?」

「これは俺の推測だけど、ダークはラフラカとの決戦後、目的を失って死を選らんだ。だけど、過去に決着を付けないといけないから俺がダークの体を奪う事になったんだ」


そうだとしても行かないで欲しい。


「じゃあアークさんと呼ぶけど、アークさんは気付いてるよね?戻れない事を」

「………」

「どういう事だ」


ロクームおじちゃんが言う。

何で気付かないのかなー?


「……歴史が変わる」


やっぱりお父さん……いや、アークさんはわかっていたんだ。


「そうね……」


ルティナお姉ちゃんもやっぱりわかっていたんだ。


「もう会えないかも知れない。やっと誰がお父さんかわかったのに……」

「だから……」

「わかってるっ!!」


わかってるよ。

もうわかったよ。

お父さんの体を奪ったアークさんだよね?

わかってるけど、やっぱりそれはお父さんの体なんだ。

だけど……。


「アークさん……だとしても……」


私は大泣きしていた。

涙がとめどなく溢れる。

アークさんを呼び止めた時は少し涙を流した程度だったのに。

今はおさまらない。


「……それ、でも……この歴史を、無かった事に……したくないよー」

やっと序章の伏線回収完了&主要キャラ13人(アークとダークは別人として)の一人称視点全て完了

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