14 エリス激怒
「皆、無事で何より。お疲れ」
開口一番ロクームが何か言ってる。
二股野郎の労いなんていらん。
「とりあえずルティナ、兄貴を回復してくれ」
「わかったわ」
アルがルティナに回復魔法を頼んでいた。
『ギガ・リカバリー』
そしてエド復活。
「さて、ねぇロクーム?」
「何だエリス?」
ドッゴーーンっ!!
「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」
えーーーーーーっ!
何かいきなり殴られたぞ。
しかも顔面に思いっきり。
ド派手な音がしたし。
あ~あ、ロクームが鼻血をダラダラ流してるよ。
「いったーっ!エリス何するだっ!?」
鼻を抑えながら言うロクーム。
「何って殴ったんだけど?」
何かめっちゃ怒ってるな。
どうしたんだ?
「どうして殴るんだよ?」
「どうして?ふ~んわからないんだっ!!」
どんどん怒りボルテージが上がってないか?
「サラ、わかるよな?」
「あ、ああ…私に抱きついて来た事か?」
「げ!見てたのか?」
戦闘中のどさくさに紛れてこいつは何してるんだ?
「だからエリスがいるだろって言っただろ?ずっと上で見てたぞ」
サラは忠告してたのか。
「マジか……」
「それだけじゃない……サラそうだろ?」
エリスが再び問う。
うわマジ怖い。
「うむ。私の胸を散々揉んでたな」
なにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!
そんなうらやまけしからん事を?
だからこの二股野郎は嫌いなんだ。
「サイテー」
あ、エーコちゃん冷めた目で見て呟いた。
マジ天使のエーコちゃんにそんな事言われたら、俺死んじゃうな。
「女なら誰でも良いのね。私も昔、口説かれたし」
ルティナが暴露しちゃった。
「なんですってっ!?」
更にエリスが怒る。
「いや、それは昔の事だから良いだろ」
良くねーよ。主に俺が気に入らない。
「そうね。それは良い。だけどサラのは?」
「あれは状況的に仕方無く後ろか抱くしかなくてだな」
「抱くのも許せないけど、それは百歩譲ったとしても胸を揉むのはどうなんだ?」
「まぁまぁ……そんな怒ると美しい顔が台無しだよ」
「エドは黙ってなさいっ!!」
「……はい」
藪蛇だよナンパ野郎。
「ねぇ……アーク?」
小声でナターシャちゃんが話しかけてきた。
「ん?」
「今あんた羨ましいとか考えていたでしょう?」
顔に出ていたかな?
「え?思ってないけど」
「だったらソレ何?」
こっちも怒ってる。
そして俺の半覚醒したビッグマグナムを指差す。
「……戦闘できっとテンションが上がったんだよ」
「は~」
呆れたように溜息つかれた。
それもそうだよね。
もっと良い言い訳しろよ俺も。
「それでロクーム相当揉んでたよな?」
うわ、まだこっちも怒ってる。
「……いやそんな事は……」
「サラどうだった?」
「うむ、小さいだの文句つけてた割に揉みまくってたな」
『エレキー』
「ぎゃーっ!」
うわ!揉んでおいて小さいとか文句付けたのかよ
あーそりゃ更に怒るな。
雷初級魔法くらってるし。
「ついでに硬くなったものを尻になすり付けて来て、正直鬱陶しいかった」
「「「「「「「「「「うわーっ!」」」」」」」」」」
今度は全員から非難の目で見られる。
「『エレキーエレキーエレキーエレキーエレキーエレキーエレキーエレキーエレキーっ!』……ハァハァ……」
うわっ!
凄い連発だな。
ロクームがピクピクしてる。
ざまー。
うらやまけしからん事してるからだ。
俺だってしたいっつーの。
「俺もしたい……って考えてるでしょう?」
げっ!
ナターシャちゃんはエスパー?
「したいですが何か?」
もう藪蛇になるので、正直に言おう。
「これ終わったいくらでもさせてあげるから、なるべくあたいの前で他の人の事を考えないで」
マジですかっ!?
「あら、一気に元気になった」
「ナターシャちゃんは別格だから」
「嬉しいねぇ」
って言っておかないと後が怖いからね。
でも、たぶん終わったらお別れだよ。
だから怒らせても問題ないかな?
「じゃあアレどうしようか?」
エリスが澄まし顔で言い出す。
屋敷の入口は分厚い氷で塞がれていた。
「これ良いのー?」
流石にエーコちゃんも哀れに思ったようだ。
「ほっといて良い。しばらく反省して貰う。まったく妊婦に負担かけるじゃないっ!」
ならエレキーの連打しない方が良かったのでは?
というか嫁が妊婦中に何してんだよ、この二股野郎。
「……じゃあとりあえずルティナお願いして良いかい?」
エドは無視する事に決めたらしい。
「わかったわ」
シュィィ~ンっ!
半精霊化したな。
『ギガ・ファイヤー』
火の鳥が飛ぶ。
シュ~~~っ!
溶ける……が、元に戻る。
「何じゃ?この氷は?」
ラゴスが呟く。
「永久凍土か……私にも無理かな」
ルティナも無理ならどうしようか。
「なら私がやろう。ルティナに仕上げをして貰いたいから半精霊化のままで頼む」
「え?うんわかったわ」
サラが申し出る。
『ファイ、レイス』
ファイ?レイス?
何だ?それ?
右手に火、左手に氷が出現した。
ファイヤーにブリザードか。
サラがいた大陸ではファイとレイスって名前なのか。
っていうか炎と氷を出してどうするんだ?
あ、混ぜたよ。
反属性だから消えるだろ。
「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」
消えない……だと?
サラの掌の上で青い球体が浮いてる。
何だあれ?
『ダイアモンドバスターっ!!』
随分大仰の名前だな。
ふわふわ……。
しかも遅いし。
名前の割に何かしょぼくないか?
ゆっくりゆっくり進み永久凍土にぶつかる。
やがてゆっくりゆっくり溶け始める。
「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」
マジであれ何なんだ?
「ルティナ、さっきの炎頼む」
「えっ!?あ、うん……『ギガ・ファイヤーっ!!』」
火の鳥が飛ぶ。
ジュ~~~~っ!!
あ、溶けた。
「い、今の何?」
未だ信じられないと言った顔で聞くルティナ。
「私が作った凍解魔法」
何だそれ?
「す、すっごーい。でもあんまり魔力を使ってなかったよねー?」
エーコちゃんもびっくり。
「まあこっちの大陸で言うファイヤーとブリザードだからな。ただ制御が大変ってだけだ」
初級魔法だから魔力は、そんな必要ないと。
でも、あれは制御は大変そうだな。
たぶん。
良くわからないけど。
普通に考えたら反属性だから無くなる筈だし、それを形にしてるというのだから、たぶん制御が大変なんだろう。
「では、行くか」
こうして俺達は廃墟となった貴族の屋敷に入って行った。
二股クソ野郎を放置して。
というか今のサラの魔法で、全員忘れてるだろうな。
ざまーー。
<エーコ=アローラ誕生>で一旦止めたのはここの為でした
本編戦慄のイクタベーレをお読みになっていない方には、まったく関係ありませんが、サラの独自魔法をこっちで先に出すと本編でのサラが霞んでしまうと思ったからです。
お読みになられていない方は、申し訳ございませんでした




