アルフォードvsガッシュ 前編
俺は港町ニールに訪れていた。
ダームエルの合流するには船に乗るしかない。
しかし港はラフラカ帝国により封鎖されていた。
「何でも2週間前にこっちの方へ反帝国組織の1人が飛ばされたんだって。それを捕まえる為に封鎖してると」
後ろからいきなり声をかけられた。
2週間前って……俺の事か。
となると直ぐに合流できないな。
どうしようかな。
「お前もフィックス領の方へ行きたいのか?」
後ろにいた奴がそう続けた。
俺は振り返る。
そこには筋肉ムキムキのエドと似た色の髪の奴がいた。
ただ髪型がダサいな。
モヒカンかよ。
気になるのはこいつの覇気だ。
体から溢れる闘気と言えば良いだろうか。
かなり凄いな。
「……ああ」
とりあえず応えておく。
「これじゃあチェンルに行くしかないな。お前も一緒に行かないか?」
確かに他に船に乗るにはチェンルに行くしかないな。
「何故俺を誘う?」
「旅は道連れって言うだろ?それにお前の漂わせる闘気が凄いからな。サバンナを通るのに強い奴がいた方が心強い」
いやお前一人でどうにかなるだろ?
それくらいの覇気があるぞ。
まあ良いや。
まだ本調子じゃないし有難い。
「……良いだろ」
「そうか。俺はアルファード=フィックス」
ん?フィックス?
「エドの血縁者か何かか?」
「兄貴を知ってるのか?」
「ん?弟なのか?」
「ああ。双子の弟だ。お前は兄貴と、どんな関係なんだ?」
「雇い主」
「雇い主?お前は何をやってるんだ?」
「殺しもやる何でも屋。その2週間前に飛ばされたという奴が俺だと言ったらどうする?」
「ガハハハハハハ……」
いきなり豪快に笑われた。
「どうもしない。兄貴が雇ってそんな事になったのだろ?詫びを入れる事はあっても怒るなんてしねぇよ」
「……そうか」
良いオーラ出してるだけあって、おおらかなんだな。
無論関係ないが。
「それでお前名前は?」
「ダークだ」
「宜しくな。俺の事はアルで良いぜ」
「……ああ」
こうして俺達は2人でサバンナに入る事になる。
見通しが良い上に世界中の魔物が集まるとかで、良く襲われる。
最近知ったが20年以上前からラフラカが魔導の研究をしており、まず手始めに動物で実験し魔物に変えたとか。
今でも、動物を狂化しているという。
面倒な場所だ。
「ムシャムシャ……」
そこでこいつはあろう事がチキンを食いながら横断してる。
匂いでも寄って来るだろうが。
あ、後ろから来た。
「ふんっ!」
振り返りもせず裏拳を後ろに放つ。
それだけで闘気の塊が飛び魔物が一瞬で絶命した。
こいつ何なんだ?
俺、完全に必要ないだろ。
「闘気の扱い上手いな」
「ん?闘気を知ってるって事はダークも使えるのだろ?」
「いや俺はそんな軽々使えないし精度を良くない」
俺は小太刀を逆手に持った時のみ50%の確率で使える。
勿論集中してだ。
決して食い物食べながら後ろを見ずに裏拳を放つだけで使えたりしない。
「ガハハハハハハ……実はなロータスの南にある森に隠れ住んでる武道の神様ってのに弟子入りしたんだ」
そんなのがいるのか。
神様って言うくらいだ。
闘気なんて簡単に使えるのだろうな。
「そこで数年修行したから帰ろうと思ってな」
「そしたら港が封鎖されてたってわけか」
「まあな。まさか兄貴に帰りを邪魔されとはな。ガハハハハハハ……」
ほんとに豪快に笑うやつだな。
「うまそうなにおいするにおいする」
ん?何だ?
気配がなかったぞ。
いつの間にか、そこに野生人がいた。
サバンナで暮らしてるのだろうか?
10歳くらいの少年に見える。
「おれにもくれおれにもくれ」
「ん?これの事か?」
アルは気付いていたのだろうか?
驚きもせずチキンを見せる。
「それだそれだ」
「ガハハハハハハ……じゃあ俺に一本取ったらやるよ」
「いっぽん?なんだそれなんだそれ?」
「あ?えーーそうだな。一発俺の顔面を殴れたらやるよ」
アルが言い直した。
「わかったぞわかったぞ」
野生人が馬鹿正直にアルに突っ込む。
というかこんなとこで暴れるのか?
アルの闘気に巻き込まれるのはごめんだ。
離れよう。
「はっ!」
気合いともにアルが右拳を突き出す。
バッフーンっ!
闘気の塊が飛ぶ。
「うえっ!?」
土手っ腹に直撃し野生人が吹き飛ぶ。
あれはモロに入ったぞ。
死んだのじゃないか?
だが、野生人は立ち上がりケロっとしてる。
そして、また馬鹿正直に突っ込む。
速い。
俺より速いな。
だけどそのスピードを使いこなしていない。
「はっ!」
バッフーンっ!
「ぐふっ!」
その証拠にさっきと全く同じ状況になる。
しかし、また立ち上がりケロっとしてる。
タフだな。
そして、また突っ込む。
同じ事になるぞ。
「はっ!」
さっきと同じように拳を突き出すだけで気弾を飛ばす。
バッフーンっ!」
スッ!
お!今度は半身ズラして躱した。
最初の2発で見極めたのか。
野生人がそのまま走る。
そして遂に間近まで接近する。
「うー」
唸りながら、右手を突き出す。
拳ではなく爪による攻撃だな。
それをアルが左腕を内側から外側に流すように往なす。
良い反応だな。
そして、右拳突き出す。
野生人はそれを無視し、左手を突き出した。
バコン!ブスっ!
クロスカウンターだな。
アルの右拳が野生人の顔面に炸裂。
野生人の左爪がアルの右胸突き刺さる。
今のは惜しかったな。
野生人は顔面殴れば勝ち。
なので、野生人は確り顔面を狙った。
しかし、身長差に加え、先にアルの拳が届き狙いがズレたのだ。




