ダークvsエリス
俺とエリスの戦闘に呆気に取られていたが、途中から一気にお互いがぶつかり合った。
「うぉぉぉ……」
「おらおら……」
「くらぁぁ……」
そこらかしらから雄叫びが聞こえる。
そして俺もエリスに一気に間合いを詰めた。
カーンカーンカーンカーンカーンカーンっ!!
小太刀二刀流と剣の二刀流のぶつかり合い。
二刀流の経験の差から俺に分があるように思えるがリーチはあっちに分がある。
それに……。
『ブリザードっ!』
あっちには魔法がある。
ヒューン……カスンっ!
投てき用武器を投げて弾く。
この場合どうしてもこっちが遅れる。
なかなか厳しいな。
更に……。
「後ろ取ったっ!」
プシューンっ!
相手は300人だ。
後ろを取ったくらいでいちいち攻撃して来る奴がいる。
「ぐはっ!」
エリス以外雑魚だ。
見なくても斬れる。
だが、面倒だ。
「ブリザードブリザードブリザードブリザード……」
そして、その隙に氷系魔法連発される始末。
めんどくさい。
スッスッスッスッスッスっ!
全て避ける。
馬鹿め。
俺の後ろには味方は今いないぞ。
「ぐはっ!」
「がはっ!」
あ~あ…自滅してる。
「貴様ぁぁぁぁっ!!」
いやキレられても今やったのお前だろ?
「ならこれでどうだ『ハイ・ブリザードっ!』」
「な、何っ!?」
俺の左腕が凍り付いた。
「これで片腕使えまい?こちらはまだ2本とも使えるぞ」
カーンカーンカーンギーンギーンっ!!
チャンスと見るや、二刀流で攻め立てて来る。
だが、そんなもの一振りの小太刀で十分。
全部弾いてやった。
お粗末な二刀流だぜ。
魔法を警戒していたから、全力で小太刀を振るえなかったが、相手は片腕を1つ封じた程度で油断してくれたお陰で魔法の警戒は必要無い。
全力で小太刀を振るえた。
「ば、馬鹿なっ!?」
バカなのは、お前だよ。
シュっ!
再び後ろに回り上から振り下ろす。
エリスは前方に跳び躱す。
「こうなれば『ハイ・ブリザードっ!』」
またそれか。
俺はそれを躱す。
「えっ!?」
ラフラカ帝国兵が凍り付いてるよ。
こいつ将軍の器じゃないな。
さて、それにしても、また魔法を使いだしたら不利だな。
あれを使うか……。
成功率は五分五分。
俺は小太刀を逆手に持ち替える。
そして間合いを詰める。
逆手に持ち替えて直ぐだと警戒されるからな。
まずは普通に攻撃。
ギーンカーンっ!
当然防がれるな。
そしてエリスが掌をこちらに向ける。
もう魔法を使う時にその動作をするのは見切ってる。
五分五分だが、ここで賭けるか。
『ハイ・ブリザードっ!』
「スラッシュ・ファングっ!!」
小太刀を振るった。
シューーっ!
斬撃がハイ・ブリザードを斬り裂いて突き進む。
闘気技スラッシュ・ファング
体内エネルギーを圧縮し右腕に集中させ、それを斬撃と一緒に飛ばす。
まだまだ鍛錬不足で五分五分だが、使えた。
「な、何っ!?」
エリスは剣をクロスにしながら斬撃に備える。
ドッカーンっ!!
直撃は免れたが、剣は1本折れ、エリスは吹き飛ぶ。
ムサシ以上の強敵だったな。
将軍向きではない馬鹿で良かった。
さてとどめを……。
「ダークっ!一旦戻れ」
と思っていたけど、エドに戻れと言われる。
雇い主の命令だ。
戻るか。
「ダーク、左腕を」
そう言われ凍った左腕を出す。
「ルティナ溶かしてやってくれるか?」
「はい……『ファイヤー』」
抑揚のない声で呟き炎を出し氷を溶かしてくれた。
これで左腕が自由だな。
「っ!」
っと思ったら、火が強いぞ。
火傷してしまった。
まあ使えないよりは良いか。
そこで俺は周りを見渡した。
人数的に3倍だが楽勝だな。
「ユキユキユキユキユキっ!!」
雪だるま連中が際立ってる。
雪だるまの魔物だけあって。吹雪きを起こせるのだな。
「そっちユキー」
それも的確にユキが指示を飛ばしていた。
吹雪きで味方に損害を出さないように気を配りながら指示してるのだ。
「ユキーっ!」
ブスっ!
しかもユキは槍をたくみに操っている。
近寄るものを突き刺していた。
やるな。
指示を飛ばしながらだから、なかなかだ。
「ダーク、相手の指揮官が吹っ飛んだ今がチャンスだ。ガーリンソン指揮官とルティナを連れて先に行ってくれ。ユキ案内を頼む」
「……わかった」
「わかったユキー」
と、見ていたらエドにそう言われる。
ユキも戦闘を止めこっちに戻って来た。
そして再び鉱山に潜り奥へ進んだ。
そこでは不可思議な力を感じる。
これが精霊か?
「ルティナ、精霊はいるか?」
「……はい」
ガーリンソンが訊き、ルティナが抑揚のない声で応える。
「では、頼む」
「……はい」
そしてルティナは目を瞑る。
交信とやらをしているのだろうか?
ゴゴゴゴゴ……。
やがて辺りが揺れ始める。
《ニンゲンが協力しろだと?愚か者がっ!!》
脳内に響くような声が辺りから轟く。
これが精霊か。
《ニンゲンには契約により魔導を授けている。それ以上の事をする道理はない》
「精霊殿、そこなんとか頼む」
ガーリンソンが声をあげた。
《黙れっ!!いくら半分精霊の血が流れているからと言って我らを利用するな》
半分精霊?
ルティナは精霊とのハーフなのか?
《我らの存在は世界を形作るもの……決してニンゲンには契約でしか手を貸さないのが星々が定めた理だっ!!》
ドッゴーンっ!!
天井が吹き飛び空が開けた。
《理を破ろうとする愚か者よ。消え失せろっ!!》
「なにぃぃ!?」
ガーリンソンが空へ吹き飛ぶ。
そして俺も遅れて吹き飛んだ。
「くっ!俺はどうなった?っうう……体が動かない……」
「やっと目覚めた?」
俺の視界に見知らぬ女が入る。
「ここは?俺はどうなった?」
「ここはラームジェルグの町。貴方は倒れていたの。3日間目覚めなかったわ」
なん……だと?
エルドリアから、こんな距離を吹き飛ばされたのかよ。
「そうか……迷惑をかけた」
「確かにね。目覚めが悪くなるから治療とかしたし」
「すまん」
「貴方ダークでしょう?エド城を滅ぼした」
俺がやったのではなのだがな。
まあ良いや。
「……だとしたら?」
「取引しない?」
「取引?」
「こちらの要求は二つ。それに応えてくれたら、ある程度動けるようになるまで治療してあげるわ」
断ったら動けないというのに即刻出て行けと言うのだろ?
選択の余地がないな。
「……内容は?」
「1つ、ある程度動けるようになったら、さっさと出て行く事。もう1つは、3人程殺して欲しい」
「……標的は?」
「若い女で、ラームジェルグの町に住んでいて私とは無関係な人。ただし1日1人で3日かけて殺して。それと殺すのは必ず夜ね」
何だ?その変わった殺しの依頼は。
「……わかった」
「何も聞かないのね」
「……興味無い。変わった依頼だとは思うがな」
「そう……じゃあ殺しが出来るまで確り体を休めて起きなさい」
そして俺は深い眠りに付いた。
10日経つと、ある程度動けたので言われた通り3人殺してダームエルと落ち合う事になってるサーストックスかカルドリアを目指す為に港町ニーベに向かって出発した……。
地図は参考程度の物です




