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反ラフラカ帝国組織

「アークス、まだ大丈夫だった。仕事取って来たぞ」

「アジトはどこだ?」

「しの道の先だと」


文字通り<し>の形をした道だな。


「面倒だな。7、8歳の時にあそこの北を通って帰ったけど見通しが良い上に魔物が多い。今なら苦労はしないが次から次へと来られるのは鬱陶しいな」

「お前さん森の中でも確か方向感覚狂わないよな」

「ああ。大丈夫だ」

「なら、この森を通っていけば、そこまで苦労しない」


ダームエルが地図を起き、森を指差す。


挿絵(By みてみん)


「そうか。で、今回はダームエルの来るのか?」

「いや、情報収集の徹するよ。今回は反帝国組織はエルドリアに行くらしいからな。ラフラカ帝国の動向とか調べておく」

「わかった」

「今回は仕事が終わったらサーストックスかカルドリアで集合な」

「わかった」

「それとお前さん一人でもダークと名乗ってくれ。毎回表だって行動してるのだから名前がバレるのも面白くない」

「わかった」



こうしてサバンナにある森まで馬を借りそれで向かう。

馬は賢いから離すと元居た場所に戻るので買わなくて済むのは有難い。

そして、森を通り反帝国組織のアジトに向かった。





「今回雇われたダークだ」


アジトの門番に声をかけた。


「少々お待ちを」


門番が中に入っていく。

やがて金髪のキザそうな俺より2、3歳上に見える男を連れて来た。


「やあこんにちわ。私が君の雇い主になるエドワード・フィックスさ」


髪をフサ~。

本当にキザいな。

とりあえず跪くか。


「これはエドワード王子。お初に……」

「待った待った。ここでは仲間って事になるんだから、気軽に私の事はエドと呼んでおくれ」


制止の声をかけらたので俺は立ち上がる。


「では改めて、ダークだ。よろしくエド」

「じゃあ中を案内するよ」


エドに案内されアジトの中に入った。

最初に向かった部屋は子供がたくさんいた。

生まれたてから5歳くらいの子とさまざまだ。

それを何人かで見てる。



その中でひと際目立つ女がいた。

歳は俺と同じくらいだろうか。

半分放心状態なような少し虚ろな目をしている。

子供を見るのを嫌そうにやっているというより何でこんな事をしてるんだろうっと言った感じだ。



「ここの子供達はラフラカ帝国の被害にあって親を亡くした子供達だ」


エドが説明し始めた。


「それで、ここにいるレディ…ルティナおいで」


その呼び掛けで少し虚ろな目をした女がやって来た。

それにしても女をレディと本人の前で呼ぶ奴は初めて見たな。


「……はい」


なんか機械的に喋ってるというか抑揚がない喋り方だな


「彼女はルティナ。今回の作戦の要だ」

「……よろしく」


抑揚(よくよう)の無く話し、軽く頭を下げる。


「……ダークだ」


これが要?

少し、いやかなり訝しんだ。


「このレディはね、この歳までラフラカ帝国の操り人形にされていたんだ。お陰でまだ感情表現ができない」

「……そうか」


そこを訝しんだではないんだがな。


「詳しくは言えないが、レディにはそれだけの利用価値があった。救出したは良いが、私達も感情が、まだ虚ろなレディに頼むのは酷だったが、今回の作戦に参加して貰った。ダーク…君の仕事の最優先は、こちらのレディを守る事だ」

「わかった」


その内容は少し気になったが、俺には関係ない。

守れと言うなら守るだけ。

それが俺の仕事だ。



「じゃあそろそろ作戦会議だ。会議室に案内する。ギリギリのタイミングで仕事受けてくれて助かったよダーク」


そう言って俺の肩にポンっと手を起き、次の部屋に案内した。

そこでは指揮官らしき男が副官らいき男と打ち合わせをしている。


「ん?……集まったな」


指揮官らしき男が重々しく声を上げる。


「では会議を始める。貴様が何でも屋のダークか?」


最初に俺に振ってきた。


「……ああ」

「指揮官のガーリンソンだ。宜しく頼む」

「……宜しく」


ちなみに先程から俺の口数を少なくしてるのはダームエルの入れ知恵だ。

喋り方のクセからアークスとして対面した時にバレるかもしれないとか。

念には念を入れてる奴だよなあいつは。



「では今回の目的だが、エルドリアの鉱山奥にルティナを無事送り届ける事だ」


大分ルティナを重要視してるな。


「彼女には知っての通り精霊と交信する力がある。それによりエルドリアにいると思われる精霊と対話を行う」


ほー。

精霊と交信か。

魔法の契約というのは知識としてはあるが、あれは一方的に語りかけるものだ。

魔法の力を借りられるが会話できないと言う。

それをできるのか。


人工魔導士を作ってるラフラカ帝国に取って、欲しい人材かもな。

詳しくどう使うのか知らんが。

ちなみに反帝国組織は精霊との対話により、味方にしてケフラカ帝国に対抗するらしい……。



「本来なら港町ニーベかチェンルから船でフィックス領行く所だが、サバンナで時間を取られるわけには行かない。あちらも動き出してるだろう。何より港封鎖とかされかねない。そこでフィックスの技術力で作った最新鋭の船でここから出発。明日からだ。今日は良く休んでるように」


指揮官がほぼ一歩的に喋って終わった。

そして、今度は休める部屋に案内されて、その日は休んだ。



次の日、反帝国軍が100人程、船に乗り込む。

昨日の会議にあんないなかったけどな。

まあそこは俺の考える事ではない。

とりあえず到着まで自由にしてろと言われた。

船の中は退屈だ。

最新鋭で馬より速いと言うが自分で走ってるわけではないから暇で仕方無い。

まあそれでもこれでエルドリアまで1週間というのだから、それまでの辛抱だな。



そして、夜中。

俺は夜風に当たりたくて甲板に出た。

そこにはルティナという女もいた。

海を眺めてるようだ。


「貴方も風に当たりに?」


抑揚のない声がする。

振り返らずに話していたので誰に話してるのかわからなかった。

精霊と交信できるというのだ。

海に精霊がいるのかもな。


「……俺に言ってるのか?」


念の為に聞いた。


「他にいるの?」


俺だったか。

こいつの気配察知能力は俺より上かもな。

俺は気配を消すのがクセになっている。

だというに気付きやがった。


「……いや」

「ねぇ貴方は何でも屋をやってると聞いたけど、何の為?」


何の為、だと?

そんな事考えた事ないな。

相棒は孤児院を運営する為とか言ってたけど。


「……生きるため」


無難に言っておくか。

まあ実際俺にはそれしかないからな。


「そう……私には何をしたいのかわからない。何の為に生きているかわからない」


俺が知るかよ。

というか人と話す時はこっち向けよ。


「では今回は何の為に引き受けた?無理矢理やらされる事になったのか?」

「……わからない。ただ頼まれたから、やって見る事にしたの」


言われたからやる。

それじゃあラフラカ帝国にいた時の操り人形と同じだろ。


「……でも、何かが変わるかも知れないと思ったの」


そうルティナは続ける。

何だ。自分の意思があるじゃん。

まあ感情表現がまだ上手くできないとか言ってたしな。


「その変わるかも知れないとか、自分がやりたいと思った事をすれば、今までとは違う景色が見えるかもな」


俺もそうだ。

ダームエルと組みたいと思ったから今がある。


「えっ!?」


そこで彼女は振り返った。

しかし、俺は風に当たりたい気分もなくなったので、その場を後にしていた……。



それから6日が過ぎて船の旅は終わり。

あとは陸地での旅が1日。

それでエルドリアに到着した。

鉱山都市で有名で様々な鉱石が取れる。


しかし、帝国との戦闘になるかもしれないという事で今日は発掘はひかえさせたそうだ。

ここもフィックス領だけあり、エドの権力が届く。

そして鉱山に入って直ぐ前方から魔物の集団が現れた。

直ぐに俺は小太刀を抜く。



「あれは敵ではない。協力者だ」


エドが制止の手を挙げる。

魔物が協力者……だと?


「ユキユキユキ……」


何言ってるんだ?

というかこの魔物は雪だるまか?


「エドいらっしゃいユキー」


な、に!?

魔物が喋った。


「やあユキ。こんにちわ」


エドが挨拶している。

そして俺を見る。


「彼は雪だるまのユキ。雪だるま一族で唯一人間語が喋れる」


そんな魔物もいるのか。


「じゃあ奥に案内するユキー」


そう言って雪だるま達に先導される。

しかし途中で後ろが騒がしくなる。


「ユキユキユキユキユキーーっ!!」


後ろから来た雪だるまが何か言ってる。


「何だってユキー!?大変だユキっ!ラフラカ帝国が来たユキーっ!!」


ユキとやらが通訳してくれた。


「何だと?ユキ…この先に開けた場所はあるか?大人数が戦えそうな空間だ」


指揮官が慌ててユキに詰め寄る。


「あるユキー。この先は一旦外に出るユキ。そこで戦えるユキ。僕らも戦うユキーっ!!」


魔物と一緒に戦うのか。

これはまた変わった展開だな。


「宜しく頼む」


指揮官が重々しく応えた。


「ダーク、ここから私は顔を隠す。立場的にまだバレるわけには行かないからな」


そう言ってエドは色眼鏡をかけた。

…………………………。

キザっ……。

どこまでもキザだな。

そして、真っ直ぐ進むと、本当に外に出た。

そこで待ち構えた。

やがて300人と、こちらの3倍の戦力のラフラカ帝国兵達が現れる。


「我が名はエリス=シャール!ラフラカ帝国の将軍になりっ!!」

「俺が指揮官のガーリンソンだっ!!」


いちいち名乗らないといけない決まりでもあるのか?

アホらしい連中。

それにしてもエリスのあの流れるような金髪奇麗だな。

やたらキラキラしてる。

軍人なのに確り手入れしてるのか?


「道を譲る気はないか?今なら無駄な血を流す事はないぞ」

「ないっ!!」



指揮官がそう言った瞬間俺は走った。

俺は真っ先にアホな名乗りを上げてたエリスとやらに突っ込む。


『ブリザードっ!』


おっと人の頭くらいのサイズの氷が飛んで来た。

魔法を使うのか。

まあ人工魔導士を作ってる言われているしな。

俺は最小の動きで躱し、小太刀二刀流にして右手のを上段から、左手のを左から斬り付ける。



『ブリザードっ!』


ギーンっ!カツンっ!


上段からのは剣で、左からのは氷魔法で防いだ。

剣と魔法同時に使うとは器用だな。


「やるな……名を訊いておこう」


だから戦闘に名前が必要かよ。


スッ!


無視して後ろに回り込み小太刀を挟み込むように振るう。


ギーンっ!


振り返らずに、しかもいつの前にか剣をもう一本抜き二刀流で防いで来た。

やるなエリスとやら。


「礼儀を知らぬのか?名を名乗るものだろう」


だから知らねぇって。

それはともかく俺一人突っ込んで、エリスの後ろに回ったせいで囲まれているな。

まあ飛べば良いか。

俺はエリスの上を飛び、ついでに小太刀を振るう。


カーンっ!


まあ何も考えず振るったし簡単に防がれるよな。

そのままエリスの前に着地。


「……殺し屋にそんなもの求めるな。だが一応答えてやる。ダークだっ!」


「もう良い……『ブリザードブリザードブリザードブリザードブリザード……っ!!』」


背中を向けてるのを良い事に連続で魔法を使って来たな。

それにこれを避けると味方に当たるな。

面倒だが仕方ない。


カーンカーンっ!!


振り返りざまに最初に飛んで来た氷を弾いてやった。


カーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンっ!!


そして飛んでくることごとくを弾いた。

こうして俺達は、エリスと帝国兵300人との戦いが始まった……。

地図は参考程度の物です

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