鬼
本番はここから
ぶっちゃけまだ頭の中とっ散らかってますが上手くまとめて行きたいです
今までの主要キャラを出すとこまでは最初から、ある程度まとまってたのですが、ここからが毎日頭を捻っています(笑)
暗い暗い森の中。
俺は一人でいる。
何故こうなったのだろう。
親に連れられ遊びに来た森。
夕方までかくれんぼしていた。
しかし夕方から、探してに来てくれない。
夜の静かな時の中で、たまに聞こえる動物の遠吠え。
それが聞こえる度に体がビクっとなる。
その日は眠れなかった。
次の日には前日の昼から何も食べていなかったせいでお腹が空いた。
仕方無いのでその辺のキノコを食べた。
お腹が痛くなった。
次第に木の実を食べれば平気と気付く。
だけど動物達に追われる事もある。
怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。
不眠復旧が続く。
5歳の俺には厳しい環境だ。
何故親は来てくれない?
お父さんは?
お母さんは?
何度も怪我をした。
毎日生傷が絶えない。
動物が怖いので木登りを覚えた。
でもたまに落ちる。
痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。
なんでこうなったのだろうか?
どうしてこうなったのだろうか?
最初はそんな事ばかり考えていた。
数ヶ月が過ぎると動物の気配がわるようになった。
自分の気配を消せるようになった。
寝てる時に動物が近付くとパっと目が覚めるようになった。
動物からの逃亡者としては十分だったと思う。
更に数ヶ月経つと逃亡者から襲撃者になっていた。
動物を狩り、火を起こし食らう。
俺の暗殺者としての原点はたぶんここから始まった……。
1年が過ぎた頃、森を出ようと決心した。
そして親が見つけてくれないなら俺が見つけよう。
かくれんぼの鬼になろうと決めた。
森を出て三日食べない事もあった。
森と違い木の実がない。
動物もいない事もあった。
何日も何日も歩いたが森で培った体力のお陰で疲れはしなかったけどお腹は減る。
やがて町に着いた。
森を出て半月は経っただろか……。
とりあえず寝る場所をと思うので町の人に聞く。
「あ、あの……えっと、ね、れる、ばしょ、あり、ますか?」
久しぶりの人との会話。
上手く喋れなかった。
「ああ宿屋ね。それならここ真っ直ぐだよ」
言われた通りに行った。
「と、まりたい、んだけ、ど」
「はい。では部屋までご案内します」
案内された部屋で寝た。
久しぶりの布団だった。
しかし問題が起きたのは次の日だ。
「300Gになります」
「どう、も」
言ってる意味がわからずそのまま宿を出た。
そしたら殴られた。
意味がわからない。
次に外で広げてるものを食べた。
「それ50Gね」
また意味がわからない。
去ろうとした。
また殴られた。
俺は泊まったら逃げる。
食べたら逃げるものと覚えた。
そしたら何人にも追い掛けて回されて袋叩きにされた。
そして町を追い出された。
意味がわからない。
何故こうなった?
もっと上手く立ち回って逃げないといけなのかと考えた。
次の町に行くの1ヶ月かかった。
そして今度は上手くやろうと食べて逃げる。
食べて逃げる。食べて逃げる。食べて逃げる。食べて逃げる。
繰り返した。
宿は捕まる可能性があるので控えた。
こんなんでいつ親を掴まれられるのだろうと漠然と考えて日々を生きた。
次の町でも繰り返す。
この頃になって気付いた。
〇〇Gってお金って奴だったんだなと。
でも、どうやったら手に入るか知らない。
だから盗むしかない。
毎日毎日盗む。
しかしある店に置いてあった物を盗んだ際に追って来た人の足が速く撒けない。
やがて石を掴み、投げた。
バコっ!
「ぐはっ!」
頭に当たりその人が倒れた。
頭から凄い量の血が出る。
どばどば凄い量だ。
そして動かなくなった。
近くにいた人が、その人を見たら死んでると言った。
俺、殺したの?
初めて人を殺した。
「ぉおえ~~」
その時、盗んだ食べ物を吐き出した。
気持ち悪い。
動物で見慣れていたのに、あの店の人の頭からドバドバ流れた血が脳裏に鮮明に焼き付いてる。
しばらく寝る度にうなされ、目が覚めると吐いた。
3日何も食べられなかった。
それでも食わなければ生きていけない。
無理に食べては吐いては繰り返す。
そして食うためには、また殺した。
3人殺したあたりから、動物を殺したような感覚で何も思わなくなっていた。
町から町へ。
盗んでは食って。
たまに殺して。
次第に盗むのは食べる物だけではなくなった。
血生臭くなって行ったので服も盗む。
人を殺すナイフも。
流石に体が臭くなるのでタオルや石鹸も。
必要だと思う物は何から何まで盗んだ。
そうして森から始まって5年してようやく帰ってこれた。
懐かしの我が家。
ハーフエルという名の町とは知らなかったので5年も経ってしまったがよくやくだ。
船に乗った覚えはあるけど乗り方は知らないし徒歩で辿り着いた。
しかし親は俺を覚えていない。
何故だ?
「あらどちら様?」
「お母さん」
「え?人違いじゃない?」
「誰だ?ガキ」
「お父さん」
「てめぇみたいなガキ知らねぇよ」
「嘘だよな?」
そうして気付く。
お母さんの腕に赤ん坊が抱かれている事に。
「その子は?」
俺はそれを指差す
「うちの子に何か?」
「う、ちの、子?」
何だそれ?
頭の中でプツプツ何かが切れる音がする。
視界が赤くなる。
わけがわからない。
「だから何だガキ?」
父親だったナニカが何か言ってる。
「うるせぇーっ!!」
気付いたら怒鳴っていた。
何かが剥がれていくように……。
何かが壊れていくように……。
何かが何かが何かが何かがなにかがなにかがナニカがナニカが……。
「うわーんうわーん」
赤ん坊が泣き始めた
「よしよし」
母親だったナニカが何か言ってる。
よし!とりあえず殺しておこう。
持っていたナイフで赤ん坊を刺した。
「ガキー!!何しやがる!?」
父親だったナニカが吠えて右手を突き出して来た。
俺は機械的に向かって来たナニカの右腕を斬ってた。
ナニカの腕が飛ぶ。
返り血を浴びた。
視界が元々赤くなっていたから、まったく気にならない。
「うぉぉぉ……」
ナニカが煩い。
「キャーー貴方ーーーっ!!」
もう一人のナニカも煩い。
「だからさーうるせぇーっつってんだろっ!!」
「ひーーー」
「命だけはー」
ナニカ達が怯えている。
「あのさ、森からやっと帰って来た子供を覚えていないってどういう事?」
俺の口がパックリ三日月型に割れていた気がする。
目は笑えていないのに口だけはやたら緩む。
「お、お前アークスか?」
「今更何言ってるのかな?えーっと誰だっけ?まぁ良いや腕のない奴」
「すまん」
腕のない奴が土下座をし出す。
「何の真似?腕のない奴」
「あの時、金が無くてお前を捨てるしかなかったんだ……本当にすまん」
「捨てる?じゃあその赤ん坊だったナニカは?」
「お金に余裕が出来たから作ったんだ」
「……それで、最初の子は忘れたと?」
「だからすまん」
「……5年かけてやっと帰って来れたのに馬鹿みたいだな」
馬鹿らしいので、もうそこは後にしようと踵を返した。
「貴様ーーーーーーよくもうちの子をーーっ!!」
腕のない奴が後ろから迫ってる来てるのが気配で丸わかり。
スッと横にずれる。
腕のない奴が前に飛び出る。
もう一本斬っておくか。
プシュっ!
はい両腕のない奴が完成。
両腕があった場所から血がだくだく流れている。
まー奇麗な事。
「ギャーーーーーーっ!!」
「だからうるせーって何度言えばわかるんだ?両腕のない奴」
「クソーーーーーっ!!父親に何しやがる?」
「父親だったの?捨てたのに?」
「知るかっ!!」
「やっぱお前死んどけ」
ブスっ!!
首をぶっ刺した。
「貴方ーーー貴方ーーーーーっ!!」
後ろでもう一人のナニカが煩いな。
「お前も死んでおくか?」
「ひーーーー」
「ああそうだ。金ないんだ。くれ」
「……はい。わかりました。だから命だけは……」
お金をいくらか渡された。
「これだけ?全部出せよっ!!」
「わかりました」
再びお金を渡される。
「次は何を貰おうかな~~?」
ナイフはちらつかせる。
「ひ~~~~お金を渡したので命だけは~~~」
「うん。だから命は取らないであげるよ」
プシュっ!
ナニカの左足をぶった斬った。
「いやーーーーーっ!!」
「次は何を貰おうかな?」
プシュっ!
「あ、もう1つ」
プシュっ!
両腕を斬り落とした。
「はい命は取らなかったよ。あ、でも勝手に野垂れ死んでも俺が取ったわけじゃないからね」
そう言って俺はその場を後にした。
俺はこの時から狂い始めた。
いや森に捨てられた時からか。
いずれにしろ鬼は鬼でも殺人鬼になっていた……。
地図は参考程度の物です




