Ar01 アルフォード=フィックス
「「「「「「アルっ!」」」」」」
その場にいた全員が驚きの声で俺を呼ぶ。
俺の名はアルフォード=フィックス。
近しい者にはアルと呼ばれている。
兄貴であるエドワードとは双子の弟だ。
俺には兄貴のよう政治なんてできない。
だから、ある誓いを立て城を飛び出した。
それから身体を鍛え今では誰にも負けないような強靭な肉体を得る。
精霊大戦ではそれが役に立った。
「みんなお揃いかい……久しぶりだな!一年ぶりかな?」
「お、お前…一体今まで何を?……何が兄貴が城を支え……」
「ホレ!」
兄貴が何かを言い掛けてたが俺はある物を投げた。
「……ん?……なんだこれは?……はっ!?こ、これは黒曜石じゃないか!?」
大陸崩壊により数々の資源が失われた。
俺には学はないが、どうやら貴重な資源だったようだ。
「言ったろ?……兄貴が城を支え、俺がその兄貴を支えるって」
そう俺は兄貴を支えるという誓い立て己を鍛えた。
精霊大戦後も貴重な資源を探し回っている。
兄貴を支えるなんて大層な誓いを立てたが結局俺には、この肉体を使う事以外できない。
「……それでお前これを探してたのか?」
「ああ!俺の特技はこの肉体だけだ!だから城にいても兄貴を支えるどころか足引っ張ると思ってな」
「……アル」
「で、その石ッコロは役に立つのか?俺じゃ良いとかわかんねぇ」
「役に立つどころの騒ぎじゃないぞこれは……失われし資源の一つだっ!!」
「じゃあついて来な!案内する……まだまだ大量にあったぜ!」
「行きたいのは山々なんだが……」
兄貴が口ごもる
「ん?どうした?」
「実はアル……」
ロクームが今までの事を説明してくれた。
「じゃあ尚更来いよ!みんな一緒にな」
俺は自信たっぷりに言い放つ。
「何故だ?」
アニキにそう問われるが一同も同じ気持ちだと目が雄弁に語ってる。
「今の話に出て来たやつかどうかはわからんけど、怪しい扉ならあったぜ!」
「本当か?」
とロクーム。
「ああ……あまりにも怪しいから兄貴に相談してから開けようと思っていたんだ」
「場所はどこなの?」
これはエリスかな?ロクームと結ばれて一段と奇麗になったな。
「ここから北に数時間歩いたとこにある洞窟だぜ」
「待てよ……そんなところに洞窟はない筈だ」
兄貴がそう言う。確かに今まではなかった。
「それがあるんだよ……俺も驚いた!」
あの大戦以降、島が沈んだり洞窟が浮上してきたりと不思議な事ばかり起きているから、おかしな話ではない。
だが灯台下暗し。
まさかあんな近くに洞窟ができるとは俺も驚きだぜ。
「決まりだな!あきらかに怪しいぜ!その洞窟」
とロクーム。泥棒魂に火が付いたか。
「わしはさっきここに着いたばかりで疲れのじゃ……悪いが留守番してるのじゃ」
とラゴス。
「じゃあ私も」
エーコの嬢ちゃんが続く。
「エリスも残ってくれ」
とロクーム。
「私も行く」
「ここにはティアがいるんだ……何かあった時に守ってくれ!」
ん?二人の中で何かあったのかな?
暫く目で語りあっていた。
「もっとはっきり言えば良いのに。仕方ない、わかった」
「はっきり言ったらお前素直に頷かないだろ?」
「まあな」
やっぱりなんかあったな。
会話から察するに子供でも出来たのかな。
「じゃあメンバーは、兄貴とロクーム。そして案内に俺。この三人で良いか?」
「……俺も行く」
「ん?知らぬ顔だな。俺はエドワードが弟アルフォードだ」
「……アークだ」
なんか微妙な空気が流てるな。
何かあるのかな?
「宜しくな」
「……ああ」
無口な奴だな。
「じゃあこれで四人で決まりだな?」
「ワンワン」
その時とハンターがアークに擦り寄った。
ハンターがなつくとは珍しいな。
雰囲気もどことなくダークに似てるしな。
「あっ!ハンター!」
慌ててエーコが追い掛ける。ハンターは振り返り……。
「クゥ~ン」
とつぶらな瞳で何かを訴えてる。
「えっ!?行きたいのー?わかったー。行ってらっしゃい!」
やっぱりアークになついてるのか。
珍しいなダーク亡き今、ハンターがエーコの嬢ちゃん以外にな着いて行くとわ。
「じゃ四人と一匹だな」
こうして俺達四人と一匹は黒曜石がある北の洞窟に向かう事になった……。
まだ上手くまもめられるか自信無いですが折り返しに入ったので終わりは近いです
このアルファード編と次の二編は短くする予定です
そして問題はその次の二編ですが、ここで一気に畳み掛けます
そこで上手くまとめられるかですね
つまりアルファード編入れてあと五編




