A11 2人のアーク②
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これも皆様のお陰です
ありがとうございました
俺ともう1人のアークが、少し離れて睨み合う。
いや、睨んでるのは俺だけか。
奴は、つまらなそうにしていた。
それがまた癪に障る。
そしてお互いに魔法剣を展開していた。
相手は氷、俺は炎だ。
さて魔法剣による斬撃は通じるか?
「火炎斬っ!」
「ブリザー・ファングぅぅぅぅ!」
奴も魔法剣の斬撃を飛ばしやがった。
薄気味悪い。
俺もこいつも灰色髪。
剣と足の違いはあるがお互いスピード主体。
名前も同じ。
そして、極めつけは、お互い魔法剣を使う。
同じ過ぎる。
ジュ~~~~~~~っ!
やがて炎の斬撃と氷の斬撃がぶつかり、辺りに霧が立ち込める。
俺は一気に距離を詰める。
霧が張っていようが気配でわかるからな。
「はぁぁぁ!」
上段からの一閃。
完璧に決まった。
そう確信した一撃だったのに手応えがない。
それどころか気配が消えた。
どこに行った?
後ろか?
気配が後ろに感じたと思った時点で遅かった……。
「ぐはっ!」
後ろに気配が行ったと感じた瞬間には背中を蹴られていたのだ。
俺は前に吹き飛び転ぶが、直ぐに立ち上がり振り返る。
何故追撃しなかった?
こいつは何故先程から隙を突かない?
「1つ聞きたいんだが良いか?」
「何だ?」
もう1人のアークに問われる。
俺は油断無く剣を構えながら応えた。
「さっきファイを使ったが、あれはユグドラシル大陸の魔法じゃないのか?」
こいつユグドラシル大陸を知っている?
「ああ。師匠がユグドラシル大陸出身なんでね」
「……そうか。では、ここも星々の世界なんだな」
星々の世界とは何だ?
「何の話だ?」
「いや、気にしなくて良い。ここがどこかなのか知りたかっただけだ」
どこってルシファー大陸なんだが、何を言ってるのだ?
まぁ良い。
俺は余計な事を考えないように首を左右に振る。
「俺からも聞いて良いか?」
「何だ?」
「さっき後ろに回った時に蹴りをしたが、何故斬らなかった? それで終いだったろ?」
「あ~……なんというか、やる気ないから?」
そう言って首を傾げる。
なん……だと?
「ふざけるな! 戦争だぞ。やる気がないとはどういう事だ? デビルスは好き勝手やってるくせに一体何なんだ?」
つい激高してしまった。
「って、言われてもな……俺は勇者召喚とか意味のわからないもので呼び出されて、どう対応すれば良いのかわからないんだよ」
俺が激高したのに気にしたふうもなくサラリと答える。
勇者召喚?
こいつも勇者?
だが、それにしては初めて会った時から師匠並みの威圧感を感じた。
勇者は初期は大した事ない筈なのに……。
「何にしろデビルスは全て敵だ。お前も殺す」
そう言って突っ込んだ。
次々に剣戟を繰り出す。
しかし、その全てを躱される。
何なんだ?
こいつは?
俺を往なす態度が気に入らねぇ。
「このぉぉぉーー!」
「俺はデビルス国の所属になるんだろうが……召喚されてから誰1人殺してないぞ?」
「知るかーーっ!」
ついカッカしてしまい、俺は気付かなかった。
デビルス兵が囲んで来ている事に……。
そして一斉に斬り掛かられた。
当然捌ききれず。
斬られまくってしまう。
「うわ! やり方がえぐいなぁ」
最後にもう1人のアークの声を聞きながら意識をなくしてしまった……。




