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L5 危険な程、楽しい冒険

「ささ。話がまとまったとこで本題に入ろう」


私とサラが話している間、黙っていたミクが口を開いた。

気の抜ける喋り方だけど空気は読めるのね。

って言ったら失礼か。

あれだけの援護ができるんだから洞察力はあるしね。


「本題?」


私は首を傾げた。


「うん。このサラは私達の大陸を統べる女王の命で大使として来たの。私はここまで運んで来ただけ。だから明日には帰るの」

「そうなの?」

「うん。でね、この大陸の出来るだけの情報と私とチカの寝床と食事を用意してくれない?勿論タダとは言わないわ……はいこれ」


直径20cmくらいの袋を手渡される。


「そ、そんな助けて貰ったのだから、こんなものなくても……」


と言いつつ中身を見た。


「って、ええーっ!?」


あまりにもビックリな中身に仰天。

様々な鉱石が入っていた。



「そんなに驚く物?大陸が違うから貨幣が違うだろうと思って、それ持って来たんだけど」

「驚くよ。さっき言った大戦で、この大陸の鉱石は、ほとんど失われたの。だから、こんな高価な物受け取れないよ」

「良いって良いって……私達の大陸じゃそこまで大袈裟な物じゃないから」


ミクはそう言って袋を押し付けてきた。


「じゃそんなわけで、この大陸の情報を教えて♪」


更には勝手に話を進めて来る。

なんてマイペースな()なんだろう?

少し引いてしまう。


「あのー話をするなら俺達の家でどうぞ。ルティナの家は吹き飛んじゃったし」


ディールに声を掛けられ外で立ち話をしていた気付く。

そうしてディールの家の中で続きを話す事に……。

私は精霊大戦の事やラフラカの事等、この大陸の知る限りをサラとミクに話した。

ミクは興味津々に色々訊いて来るが、サラはじーっと私を見て何か考え込んでる。



「ねぇサラ?さっきから黙ってるけど、どうしたの?」


とミク。


「いや……ルティナ、お主……」


何かを言い掛けて止める。


「何?」

「あ、すまぬ。何でも無い」

「ちょっと言い掛けて止めるなんて気持ち悪いよ~」


とミク。

確かに気持ち悪いかな。


「いや失礼だが、お主本当に純粋な人間か?」

「えっ!?」


もしかして精霊とのハーフだって気付いたの?


「いや、すまぬ。なんだかお主から不可思議な気配を感じてな。たぶん勘違いだ。忘れてくれ」


なんて鋭い。

サラも魔導の使い手だけあって何かしらを感じ取ったのね。


「え、えぇ」


言おうか迷ったが、今の私に魔導の力は無い。

ただの人間だ。

だから止めておこう。



「この大陸の事は大体わかった。私はユグドラシル大陸の大使として、この大陸と友好関係を築く為の橋渡しとして参った」


サラもそれ以上何も言わず話を進めた。


「素敵な女王様ね」


他の大陸と友好関係を結べれば何かしらの恩恵を大陸にもたらすかもしれない。


「うむ。素晴らしい方だ。で、まずはこの大陸を統べる者と会談したと思ったのだが……」


先程この大陸の事を話した際に、統べる者がいないとも話していた。

この大陸は各領地をそれぞれの王が統治してるのだ。

いや王がいなく統治されていない領地ある。


「……そう言った者がいないなら、誰と渡りを付けたら良いのか……」


サラが悩む。


「さっき話したラフラカを倒した11人の中に王様がいたのは知ってるわ。名前はエド……エドワード国王よ」


エドならきっとこの話を受け入れてくれるだろう。

相手は女王…つまり女性であるなら無碍にはしないだろうな。ふふふ……。

ちなみに私もその中にいるとは話していない。



「その者にはどこに行けば会える?」

「う~ん。厳しい道のりで近道と、安全だけど遠回りどっちが良い?」

「前者だ!厳しい道のり。面白そうだ。良い冒険になる」

「冒険?あははは……サラって面白い」

「むっ!……そこまで笑う事はなかろう」

「ごめんごめん。前者の方を教えるね。まず北のサバンナを目指す……」


と近道の方を教えた。

まあ厳しいと言ってもサバンナだけなんだけど。

それを言うとサラは嬉しそうに微笑む。

余程冒険が好きなのかな?


「わかった行って来る」


サラが立ち上がる。


「ってちょっ!もう日が暮れているわ。そうなれば余計サバンナは危険になるわ」

「面白い!その方が冒険になる。世話になったルティナ」


そう言ってディールの家から出て行ってしまった。


「あーなったらサラは止められないからな~」


人事のように呟くミク。


「変わった人ね」


つい溜息がこぼれてしまう。



「せっかくサラさんの食事も用意したのに……」


カタリーヌが残念そうに呟きミクの方へ視線を向ける。


「ところでミクさん」

「はい?」

「寝床はこんなとこで大丈夫?この人数だから狭いわよ」

「大丈夫大丈夫♪横になれるスペースがあれば十分だから」


ミクが満面な笑みで応えた。


「こちらこそ貴重な鉱石をありがとうございます」


カタリーヌが頭を垂れる。


「良いって良いって。というかちゃんと渡さないと、なんで渡さなかったんだってあたしが怒られちゃうよ」


あらそんな理由だったの。

その後、ミクは子供達と遊んでくれた。

子供達もチカに乗れたりして楽しそうだった。

ただ直ぐに夜を迎え暗くなってしまったので残念がっていた。

そうしてミクが泊まり次の日を迎えた……。

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[一言] ラフラカなのかケフラカなのかケフカなのか
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