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Y2 炭鉱での爆発事故

 エルドリアの炭鉱で爆発事故が起きた。

 精霊大戦のせいで資源は枯渇寸前で炭鉱には、もうほとんど鉱石は残っていない。

 それでも人々は掘り返し資源を求める。

 基本的には僕達は人間と関わらない。

 関わりたくないわけでなく関わらない。

 それでも困っていたら助けるくらいの事はする。

 だから、この爆発事故が起きた時は人間達の救出が必要だと判断した。



「A班~C班は爆発箇所の調査するユキ。D班~F班は炭鉱の出入口を確認するユキ。出入口が塞がれたらまずいユキ。塞がってるようなら1体は報告を、それ以外は開通させるユキー」


 僕は同胞達に指示を出した。

 そして続々と情報が集まる。


「A班はBルートの人間を、B班は僕とEルートの人間を救出に行くユキ。C班は救護場所を確保し動物を狩り人間達に食事と毛皮を用意するユキ」


 集まった情報から判断し、新たな指示を出す。

 どうやら出入口も塞がっておりD~F班に開通に取り掛かってるらしい。

 僕が向かったEルートでは5人程瓦礫に埋まっている。


「みんな掘り返すユキー。君は僕と一緒に来てユキ」

「ユキユキユキ」


 僕は1体の同胞と共に瓦礫を移動させて行く。


「雪だるま一族か。助かった」


 最初に救出した人間がそう言った。

 そう僕達は雪だるま一族。

 ラフラカの生体実験で動物を魔物に変えられた1種の魔物。

 最初の動物は何か覚えていないけど、僕達は自我がはっきりある突然変異で、人間達を本能のまま襲うという事はしなかった。

 時に協力しラフラカ達と戦ったりもした。

 僕は人間に討伐されない為に必死に言葉を覚え、今では人間と普通に話せる。


「怪我ないユキ?」

「片足を折ったようだ」

「そっちの2体はこの人間を救護場所に運んで応急処置をするユキー」

「「ユキユキー」」

「次はそっちの瓦礫をどかすユキ」


 そうして次々に瓦礫をどかして行く。

 中にはもう死んでる人間もいた。


「助かったよ」


 それでも助かった人間もいるのがせめてもの救いだな。


「比較的軽傷だね? 案内させるから救護場所に行くユキ」

「ああ、わかった」

「ここは終わったユキ。次はDルートに向かうユキー」

「ユキユキー」


 次の爆発現場に向かい救出活動を繰り返す。

 それにして何故同時にあっちこっちで爆発が起きたのか不明だ。

 途中から一部の同胞に調べさせているが原因がわからない。


「全員獣肉しかないけどお腹空いてる人はいないユキ? 寒い人も言ってくれれば毛皮を用意するユキー」


 数日が過ぎ救護場所に行った僕は人間達に声をかけた。

 生き残ったのは10人ちょっと。

 重傷者もいる。

 僕は魔法を使えないので、もしかしたら助けられないかもしれない。

 それでもやれる範囲の事はやっていく。


「A班とB班は動物狩りで肉と毛皮を用意するユキ。C班は応急処置を続けるユキ。D班~F班は引き続き出入口を開通させるユキー」


 目下の目的は出入口の開通。

 開通させられないとどうしようもできない。

 人間達は脆い。

 こんな閉鎖空間にいつまでもいたらストレスで直ぐ死んでしまう。

 それでなくても怪我をしてる者もいるし。

 だけど、出入口は徹底的に塞がれるようにしてる気さえしてきた。

 特に爆発音が凄かったように思える。


 出入口をどうしようもできないまま1週間経ってしまった。

 残念だけど救出した人間も2人死んでしまった……。

 怪我から細菌が入ったのか患部が腐っていってしまったからだ。

 このままでは全滅してしまう。

 そう思ってた時、出入口の開通を任せていた同胞から伝令が届く。


「ユキユキユキユキユキー!!」

「何だってユキー? 直ぐ行くユキ」


 アークと名乗る人間が塞がった出入口の反対側にやって来て、僕に来て欲しいと言ってたらしい。

 僕は直ぐに塞がった出入口に向かった……。

ユキもガッシュと同じく地の文はユキ口調ではなく普通にしてあります

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