M2 晩食会
晩食会が始まり、ダーク殿とガッシュ殿が会食に使われてる広い部屋の席に腰を掛けたでござる。
続けて衛兵にガッチリ挟まれてエド王殿がやって来たでござる。
「お主がダーク殿にお主がガッシュ殿じゃな?」
「……違うアークだ」
「おおそうだったな。失礼したアーク殿」
ダーク殿がアークと訂正したでござる。
「おまえ、だれだ?」
ガッシュが不思議そうにエド王殿を見てるでござる。
「これ!王に向かってなんていう口だっ!」
と衛兵が無粋な事を言ってるでござる。
「良い。ガッシュ殿の事は国務大臣のガーランドに聞いておる。サバンナで育ったのだじゃ。口の聞き方がわからぬのも当然じゃ」
エド王殿は寛大でござる。
「……国務大臣とはなんだ?」
とダーク殿。
「貴方はサバンナ育ちではないだろ?口の聞き方を知らんのか?」
また衛兵が無粋な事を。
「やめんか。ガーランドに聞いておる。主を持たぬ暗殺者。それならそういう口の聞き方になるものじゃな」
「…暗殺者?なら危険では?即刻追い出すべきです」
「お前はガーランドを信じられぬのか?わしは信じておる。そしてそのガーランドと共に戦った仲間じゃぞ」
嬉しい限りでござる。
「……申し訳ございません」
「二人共すまぬな。今夜は無礼講で構わぬ。それと国務大臣の話じゃったな。エド城最後の生き残りじゃからな、それなりの地位を与えねばと考えたのじゃ」
「にあ、……偉くなったな」
なんだでござる?にあ?
何か凄く違和感を感じたでござる。
それはともかく国務大臣など拙者に勿体無いくらいでござる。
「まぁそんなことよりじゃ。昔、ガーランドが世話になったようじゃな。本日は礼を兼ねて御馳走を用意した。大いに楽しむが良い」
こうして晩食が始まり、皆で食事を始めたでござる。
それは良いのでござるが、拙者の昔の仲間だという理由で拙者の好みばかりで良いのでござろうか?
口に合わないのではないでござるか?
そう思ったでござるが、杞憂でござるな。
ダーク殿は淡々と食べてるでござる。
ん?箸を確り使えているでござる。
これは意外でござる。
ガッシュ殿は美味しそうにガツガツ食べているでござる。
箸ではなく手掴みでござるが。
次第に満足したのか眠ってしまったでござる。
・・・・・・・・
晩食も終わりガッシュ殿を衛兵に頼み床に運ばせ寝かせたでござる。
拙者が運べれば良かったのでござるがが腰が……。
「ダーク殿も今晩はここに泊まるが良いでござる。床を用意するでござるよ」
「……せっかくだから世話になるか」
「ところで今までどうしていたでござるか?」
一番気になる事をでござる。
ダーク殿は、あのラフラカ城から帰らぬ者となったでござるから。
「……瀕死で助かり半年意識を失っていた。目が覚めた後も身体を完全に治すのに半年かかった」
そうであったか。
拙者はダーク殿が生きていて良かったと思うでござる。
「そうであったでござるか。ではこの一年大陸に不可解な事をが起きてる事は知らぬでござらぬか?」
「……突如洞窟現れたり、島が沈んだりとか?」
「おお知っておったでござるか。ではそのあたりをより詳しく知りたいとは思わぬでござるか?何をするにしても世界の情勢は知っておいた方が良いでござるからな」
「……ああ」
「ではロクリスに会うと良いでござるよ」
ダーク殿が生きていたとなると、きっと喜ぶでござるよ。あの二人。
「……ロク、リス?」
「トレジャーハンターのチームでロクリスでござる。この一年でかなり有名になったのでござるよ」
というのは半分嘘でござる。
片方は元々有名だったでござる。
「……そうなのか?」
「ロクリスは世界を股にかけているでござるからな。誰よりも世界の情勢に詳しいでござる」
それにあの二人を喜ばせて欲しいでござる。
「……どこに行けば会える?」
「ベータでござる」
「ベータぁぁ!?」
ダーク殿にしては珍しく素っ頓狂な声でござるな。
まあ驚くのも無理ないでござる。
ラフラカ城があった場所でござるからな。
「あの戦いの後、ラフラカ城の瓦礫をどかし、復興したのでござるよ」
正確には、ロクリスの住まい一軒でござるが、ダーク殿には内緒でござる。
「そうか。では行ってみる」
・・・・・・・・
翌日ダーク殿が早速出発すると言い出したでござる。
「道中気を付けるでござるよダーク殿。ガッシュ殿、ダーク殿を頼むでござる」
「ござる!わかったぞ、わかったぞ」
ロクリス邸に向かう最短は、サバンナを通る事でござる。
大陸の異常気象でしの道がベータがある大陸にぶつかり繋がったでござる。
しの道とは文字通り『し』の形をしておりそう呼ばれていたでござるが、異常気象で『J』の形になってしまったでござる。
お陰でベータがある大陸と繋がり交易がしやすくなったという話を聞いた事があるでござる。
それはともかくとしてガッシュ殿にはしの道まで案内を頼んだでござる。
それにしの道には彼女の家があるでござる。
彼女もダークにもし会う事になれば喜ぶでござろうな。




