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M3 国務大臣として

 拙者の名はムサシ=ガーランド。

 エド城最後の生き残りという事で、国務大臣を拝任したでござる。

 拙者には似合わぬでござるが、拝任したからには、エド城発展に力を入れる所存でござる。


 4年前まで続いた精霊大戦で妻と子を失い、エド城も滅びたでござる。

 しかし、人の活力というのは目を見張るものがあるでござる。

 生き残った者達で1年で復興させたのでござるから。


 その時に腰を痛めるという事があって、歳には敵わぬと嘆いたでござるが。回復魔法でことなきを得たでござる。

 復興を手伝いに参ってくれたルティナ殿が言うには精霊が復活しているらしい。

 魔法とは本来暮らしを豊かにするものなので有難い限りでござる。


 目下問題は資源でござる。

 精霊大戦で大陸は荒れ様々な資源がうしなわれたでござる。

 だというのにクロード城の者はエド城が資源豊富で自分達だけで潤っているでござるから、分け与えろと言って来てるでござる。

 一体どこからそんな根も葉もない情報を得たのでござるやら。


 資源も分け与えないのなら戦争も辞さないと言って来たでござる。

 そんな事になればほとんどない資源が枯渇してしまうでござる。

 仕方ないので拙者は国務大臣として外交もやる事になったでござる。

 そして、拙者はクロード城に兵を2人連れて使者として参ったでござる。

 そこで応接間で通され待つ事しばらくし、食事でもと言われたので断る理由もないので、それを受けたでござる。

 下手に心象を悪くし戦争を起こされるわけには参らぬでござる。



「これはこれはエド城の国務大臣であるムサシ殿、ようこそ我が城に参られた。わしがこの城の王をしている」


 食堂らしきとこに連れられ、クロード王直々に挨拶をして来たでござる。


「これは王自ら挨拶とは痛みいるでござる。拙者はご存じの通りムサシ=ガーランドでござる」


 テーブルを挟んで拙者も挨拶をし両隣の席の前で立っている我が国の兵も会釈を行ったでござる。

 その間に料理が次々に運ばれる。

 我が城では海辺という事もあり海鮮料理が多い。

 中でも刺身は拙者の好みである。

 ここでは肉料理が多いでござるな。

 豚の丸焼きっぽいもの……ペキンダックというらし。

 それや白い皮に肉や野菜を包まれたもの……ギョーザというらしい。

 他にもいろいろ並ぶが、どれも豪勢でござるな。

 まぁ拙者の好みではないのだが、せっかく振舞って頂いたのでござる。

 有難く頂戴致すでござる。


 それにしても王はにこやかに挨拶をしているが、他の者の視線が痛い。

 それに王の左右に4人、我々や王を囲んでる者が8人。

 何かすれば即座に殺すといったとこでござろうか?


「では、続きの話は食事をしながらゆるりと……さぁ席にお座りください」


 王にそう言われたので我らは席に着いたでござる。


「まずは一献。残念ながら貴国の酒ではないが……」


 そう言ってワインらしきものが運び込まれたでござる。


「申し訳ないでござるが、拙者は下戸故……」


 これは実質会談……酔い潰れるわけにはいかぬでござる。


「そうですか……ではお付きの兵の方には是非。我が国の酒を味わって欲しいですな」


 兵2人が拙者に視線を向けて来たでござる。

 拙者は軽くコクリと頷く。

 拙者は酔い潰れるわけにはいかぬでござるが、心象を悪くするわけにも参らん。

 兵2人はワインを注がれる。

 拙者に果実水が注がれたでござる。


「では、両国の発展に」


 クロード王が音頭を取ったでござる。


「「「乾杯っ!!」」」


 果実水を一口飲み食事に手を出す。

 見た目は豪勢でも味は薄いでござるな。

 どこもスパイスなど調味料は不足気味。

 仕方無いでござる。

 故に拙者は食材の味をそのまま楽しめる刺身を好むでござる。

 もっとも醤油などが限られているので完全の楽しめるわけではござらんが。


「さてムサシ殿……貴国と交易をしたいのだが?」


 早速本題か。


「国同士助けあって行く事には異論はないでござる」


 一方的に我が国が与えるのは困るでござるが。


「では、貴国のミスリルをメインに我が国は鋼を出そう」

「それですと我が国からは3に対し貴国が7になるでござるが?」


 鋼とミスリルではミスリルのが価値が高いでござる。

 軽くで丈夫という金属でござるが、先の大戦で多くが失われ正直我が国でもそんな余裕はないでござる。


「ムサシ殿は先程、国同士助け合いに異論はないと仰いましたね?」

「申したでござる」

「貴国が大量のミスリルを所持している事は知っています。それを3とは如何なものでしょうか?」


 話が段々不穏になって来たでござる。


「それは根も葉もない話でござる。拙者の国でもそれ程多くは確保しておりませぬ」


 とそこで両隣の我が国の兵が倒れたでござる。

 もしや盛られたでござるか?


「おやおや我が国の酒を強いですからな……お二人は客間に案内しましょう」


 そうクロード王が言い、クロード城の兵が2人を運び出そうとしたでござる。

 正直盛られた可能性も捨て切れないでござるが、ここで拙者が暴れたら国の為にならぬかもしれなぬでござる。

 ここは成り行きに任すしかないでござるな。


「では先程の話だが、本当に多くを所持しておられないのですか?」

「余裕はないでござる。それに7:3が不服なら我が国は交易は無しでも構わぬでござる。我が国は余裕はござらんが、クロード城と交易をする程、困っているわけでもござらん」


 ここは毅然としていないと付け込まれてしまうでござる。


「貴様!」


 周りの兵達が怒りを露わにし、剣を抜く者まで……。


「やめい!」


 それを王が止める。


「では我が国は6、貴国は4というのはどうでしょうか? ムサシ殿」


 ふむ。

 正直それでも構わないでござる。

 助け合って行くのに異論がないという言葉に偽りはないでござるから。

 しかし我が国も威厳を示さなければ舐められるでござる。

 仮にも戦争を起こすと脅して来た国でござるから。


「それですと拙者では判断できぬでござる。一度王同士でかいだ……」


 何だ?

 意識が朦朧とするでござる。


「ふん! やっと回ったか……侍というのは存外しぶとかったな」


 王が吐き捨てるように言った。

 回った? やはり盛られていたでござるか……。

 くっ! 意識が保てないでござる。

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