9話 パステルピンクのリーフ柄ですが脈ありでしょうか?(2)
「今日は、パステルピンクのリーフ柄なの」
紫陽花の一言で、軽いパニックになってしまった。
昨日の今日で一体何があったんだ?
紫陽花は、そのまま自分の席に座ってしまった。
どういう事だ?状況が飲み込めない。落ち着け。一旦、頭の中を整理しよう。
まず、いつもなら下着の色のみを教えてくれる約束のはず。
しかし、今日は柄まで教えてくれた。確実にエスカレートしている。しかもリーフ柄ってなんだ!どんなやつなん?めっちゃくちゃ気になるんだけど!
そして、パステルピンク。なんだろう、パステルピンクってエロいな。
頭から紫陽花の下着が離れない。
俺は、HRが終わるまで頭を抱えていた。
ようやく昼休みになり、紫陽花の席に駆け寄る。
「ちょっと来い」
「う……うん」
紫陽花の手を引き、教室を出て、屋上の扉前の踊り場に連れてきた。
「朝のあれはなんだ?何があった?大丈夫か?熱でもあるのか?」
紫陽花の右肩を掴み、片手で彼女の額に手を当てる。額は、ほのかに暖かいが熱では無いようだ。
「逆転の発想なのよ。」
「逆転?」
「先に下着を詳しく教えてしまえば、見られても恥ずかしくない!」
「いや教えても羞恥心はあってくれ!」
「私は、羞恥心を昨日に置いてきたわ」
「置くな!置くな!」
そこで俺達は、互いを見合わせる。
紫陽花の真剣な表情に、ふと笑いが出てきた。
「な、なんで笑うの!」
「いやいや、俺達なんでこんなおかしいこと真剣にやってんだろうと思ってな」
紫陽花は、少し考えた素振りを見せて、ふふっと笑みが溢れた。
「言われてみれば、確かにそうね」
「よし、そんなことより中間頑張るぞ」
「うん!お願いね先生」
「おう、まかしとけ」
下着の件や昨日件で遠回りしたかと思うが、ようやく一歩、紫陽花に近づけた気がした昼休みだった。
ギリギリ間に合ったあ!!