7話 青のレースですが脈ありでしょうか?
勉強会を始めて1時間と少し過ぎた頃、とんでもない事が起きた。
紫陽花が、寝やがった。俺の肩に、もたれかかった状態ですやすやと寝ている。
どうしよう。いやどうしようもないけど。
まだ、距離が近いだけならば勉強に集中も出来たけど、これもう密着してるからね!
しかし、コイツの気持ち良さそうな寝顔を見ると起こすのもなんか悪い気がするしなぁ〜。
30分後、じんわりと汗が出てきた。
図書室の窓は、大きくてその分日光をよく当たる。
それは、紫陽花も一緒で肩のシャツにじんわりと彼女の汗が染みて行くのを感じる。頭が徐々にずり落ちていき、俺の肘に柔らかい感触が伝わる。
これは……もしかして。
俺は、紫陽花の方に視線を向く。
紫陽花は、制服のボタンが上から二つ外れており、谷間が見えていた。
そこから若干、青色のレースがはみ出ていた。制服越しからも、汗で滲んで色が薄ら写っていた。
これ以上は、みてはいけない!
そう思い勢い良く反対側に首を向けると、紫陽花の頭がずり落ちて、俺の胸で止まった。
俺の気も知らず、すやすやと寝ている。
しかし、こうなると何もできないな。手を動かすと胸やお腹に当たったりするし、これ以上頭がずり落ちたら膝枕みたいになるし。それに、……これはこれで幸せだしな。俺は、結局寝る事にした。目を瞑ると、紫陽花の下着が目に浮かんだ。
(……本当に青色だったな。)
「蓮華、起きて〜」
体を左右に揺らされる。
目を開けると、紫陽花が起きていた。
顔を真っ赤にして、少し汗ばんでいる。
さっきと違いブレザーを羽織っているが、隙間から下着が透けたシャツが見えてめっちゃくちゃ色っぽい。
「もう図書室閉めるんだって、だから帰ろう」
「……おう」
俺達は、図書館を出て帰路に就く。
10分ほど沈黙の後、紫陽花が口を開いた。
「ごめんね、寝ちゃって」
紫陽花は、恥ずかしいのかこっちを見ない。
顔は、赤いままだ。緊張をどうにかほぐしたい。
そして、この空気をどうにかしたい。なにかないか?この空気を和ませる一言は?
俺が出した結論は、
「大丈夫だ!お前のシャツに透けた下着エロかったし、レースもお洒落だったぞ!」
俺は、なにを言ってるんだ?
下着の事が頭から離れなくなっちまった。
だってあんなにエロいシーンを、青春真っ盛り高校2年生に見せられたらそうなるって!
恐る恐る、紫陽花の方を見ると顔がさらに赤くなりこっちを睨んでいた。
「……見たの?」
「……ごめんなさい、丁度ボタンが開いたとこのから見えてしまいました」
「……」
「……」
その後、お互いに一切口を開く事なく家に帰るのだった。