63話 黄金比率ですが脈ありでしょうか?
俺は、目を閉じてイメージする。
白のレース。
下着界の王道とも呼べる。
王道だからこそ決して外れる事なく誰もが似合い、そして誰もがエロい下着と言える。
そこに、薔薇柄が入ることにより、エレガントな大人っぽさが出てくる。
しかし、それだけじゃない!
この下着が、たった今このワンピースの中に隠れているというのも重要のポイントである。
ワンピースを着ている紫陽花は、ワンピースの白と肩や胸元、足や腕などの肌色でコーディネートされている。
つまり、このコーディネートの配色比率は、白7:肌色3ということだ。
これが、下着と何か関係あるのかって?
あるさ、ここが一番大事な所だ。
逆転するのさ。
紫陽花が、もしこのワンピースを脱いで下着姿となった時、その配色比率は逆転する。
この黄金比率を保ったまま、大人っぽさも損なわれること無く、むしろエロさを倍増させる。
さらに、白の下着ということも相まって、ワンピースで透けるかもしれないから、気にしてこの下着にしたのかもしれないという、可愛らしい葛藤する紫陽花も想像することが容易にできる。
「......ありがとう、悔いは無い」
俺は、紫陽花に向けて右手を伸ばして、親指を立てた。
紫陽花は、顔を伏せたまま俺の頬をつねる。
「あーもう!さっさと行くよ!」
「いだだだだ!!ちょちょ、ほっぺ千切れる!」
俺は、そのまま頬を引っ張られて駅前まで連れて行かれた。
その後、電車に乗って最寄り駅までたどり着いた。
駅の改札を出ると、ベンチに桔梗と神奈月さんが座っていた。
「おはよう楓ちゃん〜」
紫陽花は、いつものように神奈月さんに抱きついた。
「おはよ、大人っぽい格好してるのに相変わらずね」
「おはよう」
「おう、朝から顔がニヤけてるぜ?」
「......俺は元からこういう顔だ」
「ふぷっ、そんなに恥ずかしがら無くてもいいって」
「恥ずかしがってません!つーか、向日葵はまだ来てないのか?」
「あそこにいるよ」
桔梗が指をさす方向に目を向ける。
そこには、向日葵がいた。
......何故か自販機に隠れているけど。
「......おはよう、そんなとこ隠れてどうした?」
「あっ、いや......えーとなんでもないですよ!おはようございます!」
向日葵は、凄く挙動不審であたふたとしていた。
黒のブラウスにピンクのフレアスカートで大人可愛いという感じの服装だ。
ブラウスがレーストップスなので引き締まった印象を与えてフレアスカートとバランスが良い。
足下に華奢なサンダルも合わせていることにより、より女性らしい魅力が増している。
いやはや、可愛いなぁ。
「......そんなに、見ないでください」
向日葵は、自販機の裏に隠れてしまった。
「ほら変態、またセクハラしてるんじゃないよ」
「セクハラ?してないぞ!つーか、またってなんだ!」
「向日葵ごめんね、よしよし」
紫陽花は、向日葵に駆け寄り優しく抱きしめた。
ついでに、頭まで撫でている。
こいつの方が、セクハラしてない?
「ありがとうございます紫陽花さん、そのワンピースすっごく可愛いですよ」
「え、そうかな?えへへ、ありがと」
紫陽花は、少し照れながら頭をかいていた。
その後、駅の手前に駐車していた向日葵の車で海に着いた。
「海だああああああ!!!」
紫陽花は、駐車場で海に向かって叫んだ。
「テンション高ぇな」
「そりゃそうだよ!夏休みと言えば海だからね!はしゃがなきゃ損だよ!」
「そうね、この為に一生懸命水着を......」
その瞬間、紫陽花が見たこともない速さで俺の耳を塞いだ。
「え?なんて?」
「気にしない、気にしない!なにも無いから!蓮華は、なにも聞かなかった!いいね!」
「お、おう」
紫陽花が、なんかすごい焦ってるけど一体どうしたんだろう?
まぁ、いっか。
そんなこんなで、一旦荷物を置きにみんなで旅館に向かった。




