6話 青色ですが脈ありでしょうか?(2)
「楓ちゃん!楓ちゃん!やったよ!」
私は、屋上の扉を勢い良く開けいつもそこにいるはずの楓ちゃんに向かって叫ぶ。
しかし、彼女は居なかった。
「あれっ?楓ちゃんがいない。いつもここで食べてるのに」
まだ来てないのかも知れない。
私は、いつもの場所で待つ事にした。
自分の弁当を開け、食べ始める。
この頃、早起きして弁当を作っている。
まぁまだぐっちゃぐちゃだけどね。
歪な形をした卵焼きに足を切られたタコさんウインナー、そして塩胡椒で焼いた鶏肉。
なんとも彩りがない弁当だ。
あいつに作ってあげるにはまだまだ練習しないとな。
自作の弁当を食べ終え、日向ぼっこをしていると屋上の扉が開く。
楓ちゃんだった。
「今日は、遅かったね」
「ちょっと用事があってね、少し時間がかかったの」
「そうだったんだ、私は、弁当を食べ終わったから日向ぼっこしてたよ、丁度眠たくなってきた」
「それで勉強の方は、どうだった?」
「あっそうだ!バッチリだよ!ちゃんと約束取れたよ〜」
そう言って彼女に自然に抱きつく。
やっぱり、一日一回抱きつかないと落ち着かない。
「良かったわね、頑張りなさいよ」
「うん!頑張るよ!目指せ赤点回避だよ!」
放課後、図書館に二人で向かっている途中のことだった。
「今日、桔梗来れないって。」
「そうなの?」
「なんでも急に店の手伝いが、入ってきたらしくてな」
っていうことは、2人っきりか。
まぁ、休みの日とか2人で出かけたりするし大丈夫だよね。
でもなんかちょっと緊張してしまう。
学校で2人っきりってあんまりないからね。
図書室に入り席に座ると、
「おいおい、そこじゃ教えづらいだろ?」
と言ってきた。
そして、蓮華の隣に来いと言われた。
いやここは、覚悟を決めねば。
私は、鼓動を抑えつつ意を決して隣に座った。
そして、1時間が過ぎた頃。
私は、すっごく眠たくなっていた。
勉強ってなんでこんなに眠たくなるんだろう?
教科書の文字が、だんだんとぶれて見えてくる。
私は、ウトウトして頭が左右に揺れるのを止めれずにいた。
どうしよう、そう思いながらも眠気に抗えずにいた。
「おー……。ふた……とも」
なんか声が聞こえる。
なんの声だろう?
「おーい!起きて2人とも!」
その言葉で、目が覚める。
見上げるとそこには、図書委員の人がいた。
「やっと起きたね。もう図書室閉めるから早く帰ってよ」
「あっすみません」
見た感じ3年生みたいな人だった。
黒髪のロングでスラーってしてて大人な感じがする。
「まぁそんなにイチャイチャしてたから邪魔するのも気が引けたけど、時間だし許してね」
「え?」
頭が徐々に鮮明に現実を映し出す。
今現在、私は寝ていて何かにもたれかかっていた。
つまりどういう事かと言う。
私は、蓮華の胸にもたれかかって寝ていた。
まだ肩ぐらいだと思ってた。
蓮華は、背もたれにもたれて寝ていた。
私は、ゆっくりと上体を起こして、両手で顔を覆う。
(恥ずかしぃぃぃ!!)
私は、多分顔を真っ赤にしてそう小声で叫んだ。
土日に合計四本出します!
良ければ読んでください!