43話 ピンクのギャザーシフォンですが脈ありでしょうか?
今日は、とうとうみんなで遊園地に行く。
もうあそこのお化け屋敷の仕掛けは、全て記憶している。準備も完璧だ。
少し緊張しつつ、外出の準備をする。
「今日は、どこ行くの?」
「ちょっと遊園地にな」
「それって向日葵さん来る?」
「来るぞ、それがどうした?」
「......兄貴、俺もついて行っていい?」
「どうした、急に?」
「いや、そういやあれから向日葵さんにお礼を言えてないなと思って」
「そうだな、分かったみんなに聞いてみる」
「ありがと!」
LINEでみんなから、了承も貰えたので一緒に行くことになった。準備を済ませて家を出た。
自転車で駅に向かう途中、歩いてる紫陽花を見つけた。紫陽花の隣で自転車を止める。
紫陽花は、真ん中に青文字の英語が書かれてる白のロングTシャツを着ていた。
おそらく履いているであろう短パンは、ロングTシャツに隠れて見えない。
そして、頭には黒のキャップをかぶっている。
やっぱり、ロングTシャツと短パンってエロいんだよな。見えないことにより、履いて無いかもしれないという無限の可能性が産まれる。
「履いてるよ」
「なんだと、お前はエスパーか!」
「いや、目線でバレバレだから」
「くそっ、ちょっとぐらい夢を見ていいじゃないか!」
「全く、相変わらずの妄想する紳士ね、いや妄想する変態にした方がいいかも」
「それだとただの変態じゃないか!」
「相変わらず、2人とも仲良いね」
「おっ風鈴じゃん、おはよ」
「おはよ、紫陽花姉は歩き?」
「そうだよ、自転車がパンクしちゃって修理に出してるからね」
「なら折角だし荷台に乗ってけよ」
荷台をぽんぽんと手で叩く。
紫陽花が、ちょっと恥ずかしそうな顔をする。
「......じゃあ言葉に甘えて」
紫陽花が、荷台に座る。
そして、俺の腰に腕を回しぎゅっとくっつく。
背中に、柔らかい感触が徐々に広がっていく。
その2ヶ月ぶりの感触に、あの事を思い出す。
あのワインレッドのローズ柄を。
そのまま、自転車を漕ぎ出す。
しかし、思い出してしまったからこそ、気になることが生まれてしまった。
今日の下着は、なんなのか。
今となっては、日常と化したあの行為。
しかし、今は夏休み。
普通にオシャレをしている時の下着は、どんなものをつけているのか?
俺の脳内が、下着の事しか考えられなくなっていた。
「紫陽花、聞きたい事があるんだ」
「なに?」
「今日の......やつを聞いてもいいか?」
「ええ!?ちょっと風鈴もいるよ!」
「大丈夫!自転車で走ってるから小さい声だったら聞こえないって」
「......本当に変態なんだから」
紫陽花は、抱きつきながら口を耳に近づける。
(今日は、ピンクのギャザーシフォンだよ)