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41話 お化け屋敷ですが脈ありでしょうか?


 その後、向日葵の水着解説を堪能した。

 そして、一旦俺だけ水着ショップから出た。

 しばらくして、2人が水着ショップから出てきた。


「おお、お待たせしました」

「結構待たせたでしょ、ごめんね」

「いいよいいよ、で次は何処に行くの?」


 むしろ水着解説があった分、俺の方が申し訳ない。向日葵が手に下げている紙袋には、俺が好きだったあのオレンジのビキニが入っていると思うと、海に行くのがより一層楽しみになった。


「次の場所に案内するわ、ついて来て」


 神奈月さんの後について行くと、そこにはお化け屋敷があった。つーかデパートにお化け屋敷とかあるんだ。


「なんか安っぽいお化け屋敷だな、文化祭の出し物みたいだ」

「デパートのこういうイベント事なんて客なんて来ないから、予算も回ってこないんでしょうね」

「ちょっと!店先でそういう話はやめてください!ほら受付の店員さんが、悲しい顔してるじゃないですか」

「ここに向日葵と一緒に入るのか?」

「......2人っきりですか?」

「いや、3人で入るわ」

「そうなんですか?」

「いやね、これは私の個人的な特訓というかね」

「個人的な特訓?」

「あの......桔梗と紫陽花には内緒にして欲しいんだけど」

「分かりました」

「おう」

「私、お化け屋敷が苦手でね、少しでも耐性をつけておこうかと」


 神奈月さんは、少し照れ臭そうに言う。

 向日葵は、すかさず神奈月さんを抱きしめる。


「分かりました、任せてくださいお化けが出てきても倒します」

「いやいや、倒したらダメだって」


 そんなやりとりをする2人が凄く可愛かった。

 受付の人に料金を払い、中に入った。

 中は、薄暗く壁にも黒い布が一面に貼ってある。

 しかし、目を凝らすと布が一部分だけない場所だったり、あからさまな人影が見えたりと結構残念だ。流石にこれで怖がったりしないよな。


「……いくよ、向日葵ちゃん」

「任せて……ください」


 全然大丈夫じゃなかった。

 しかも、向日葵まで怯えている様子。

 まじかよ、この2人が行けるお化け屋敷を探さないといけないな。

 折角練習したから行くと思うし。

 俺は、普通に歩いて進み出す。


「蓮華君!待って!」

「速過ぎます!」

「え?そう?」

「そうだよ、やっぱり折角来たんだからゆっくり回らないとね」

「そうですよ、とりあえず後ろに居てもらえると嬉しいです」

「ああ、分かった」


 その後、20分して外にようやく出た。定番のいきなり大声で近づくゾンビとか急に物が倒れたりと、予想通りの展開しか無かったが、2人は満身創痍になった。

 満身創痍でソファに座るの2人に、買ったジュースを手渡した。


「叫びすぎて喉渇いたろ?」

「ありがとう」

「ありがとうございます」

「それにしても、ここまで苦手だとは思わなかったな」

「本当にお恥ずかしい姿をお見せしました」

「最後は、2人とも俺にしがみ付いてたもんな、というか向日葵も苦手なんだな」

「こういう所、初めて来たのでこんなに怖いとは思いませんでした」

「耐性をつけとかないと、桔梗の馬鹿に馬鹿にされてしまうわ」

「そもそも行かなきゃいいんじゃ?」

「それで桔梗とか紫陽花に煽られたりしたら、一番ムカつくのよ」

「まぁほどほどにな」

「そんな事より、向日葵ちゃん」

「はい、どうしましたか?」

「今も蓮華君に緊張する?」

「あっ……そういえばさっきよりは大丈夫になって来ました」


 確かに、お化け屋敷で抱きついたりしてたしな。

 怖くてそれどころじゃなかっただろう。


「でも、思い出すと恥ずかしくなってきますね」

「そこは、慣れていけばいいわ、これからは、ここでお互いに頑張りましょう」

「はい!頑張ります!」

 

 2人は、笑顔でガシッと握手をした。


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