40話 オレンジのVネックビキニですが脈ありでしょうか?
俺達は、デパートの二階の水着ショップに着いた。
「蓮華君は、店の前で待っててくれる?」
「おう?分かった」
2人は、そのまま水着ショップに入り、俺は店の前にあるソファに腰掛けた。
まさか向日葵が、俺に惚れ直しているなんて思わなかったな。確かにどこかぎこちなさを感じる所が多かった。2人っきりになる時とか、3m以上離れてたし。というか、冷静になって考えるとあの話は俺聞いちゃっていいのか?普通に聞いてたけど。まぁ向日葵は、顔を真っ赤になる上に神奈月さんに抱きついてたなぁ、向日葵には悪い事をしたな。なんかお礼でも考えておこう。
しばらくすると、なぜか神奈月さんだけ水着ショップから出てきた。
「蓮華君〜来て〜」
「分かった」
俺は、神奈月さんに連れられ水着ショップに入っていく。試着室まで来てそこで立ち止まる。
試着室は、一つ分だけカーテンが閉まっていた。
「じゃ蓮華君、これつけて」
「アイマスク?これをつけてどうするの?」
「見られているのが、気になるならまず目を隠しちゃえばいいかなって思ってね」
「なるほど、そういうことか」
「向日葵ちゃんの水着の解説は、してあげるから安心して」
「ちょっと待って?なんで水着の解説がいるの?」
「紫陽花から妄想する紳士と呼ばれた貴方だから欲しいかなと気を利かせたんだけど」
「誰が妄想する紳士だ!全く、人をなんだと思っているんだあいつは!」
「いらないの?」
「......お願いします」
向日葵すまん、欲望には勝てなかったよ。
俺は、アイマスクをして椅子に座った。
カーテンレールの金属音が聞こえる。
もう試着室は、開いたみたいだ。
「向日葵ちゃん、カーテンに隠れてたら意味ないよ、それに蓮華君は、目隠ししてるから大丈夫だよ」
「目隠しが透けたりしてませんか?」
「大丈夫だ、見えてないから安心するんだ」
真っ暗で何も見えない。
向日葵が、どういう状況なのかも分かんない。
すると、耳に少し暖かい風がかかる。
(じゃあ、お望み通り水着の解説をしていくわね)
俺は、静かに頷く。
(今着てるのが、シンプルな肩まで付いてるフリルのついたオレンジのビキニね、Vネックだから、うなじから谷間までくっきり見えるわ)
俺は、目を閉じてイメージする。
まず、オレンジのVネックビキニ。
これだけでも、凄く魅力的だ。
だかしかし、ここにフリルか搭載される。
それによって、女性らしい可愛さがプラスされるだけでなく、あえて一部の胸の形をフリルで隠すことにより、下部分のくっきり見える胸の形やVネックで強調されているうなじと谷間をよりエロく演出することができる。
さらに、今の状況。
向日葵は、カーテンで体を隠しているこのシュチュエーション。これが加わることにより、ドラマ的な化学反応を起こす。
つまり、大人っぽいビキニに憧れて来てみたけど、恥ずかしくて人の前に出れない女の子という萌え要素が付くわけだ。
こんな童貞殺し三段活用されちゃ可愛いとしか言えませんなぁ!
(......最高)
(それは良かった、じゃ次の水着に行くね)
(え?まだあるの?)
(うん、一応3着くらい、君が一番気に入った水着をそれとなく勧めようかなって)
(なるほど)
その一番いい水着を見れるという旅行の楽しみができた喜びの反面、これ以上自分が持つかどうか心配になった。
とうとう40話になりました!
いやこんなに続けれるとは思っていませんでした。
これも見れくださる皆様のおかげでございます。
これからも見てくださると幸いです。