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30話 病院ですが脈ありでしょうか?

 

 向日葵は、病院で入院になった。

 と言ってもそんなに大怪我をしたって訳じゃ無く、手の打撲と胸部に擦り傷くらいだったが、向日葵の親父さんが、一応安静をということで1週間くらいの短期入院になった。

 俺達は、向日葵のお見舞いに病院に訪れた。

 受付で、10分くらい待って向日葵のいる個室の前に案内された。

 大きい引き戸を開ける。


 そこには、病床に座ってる向日葵がいた。

 背もたれを上げて、窓から外を見てる。


「あっ、みなさん」

「おっす」

「向日葵!大丈夫?」


 紫陽花が、向日葵の近くに寄り添う。


「こら、相手は怪我人よ」


 神奈月さんが、紫陽花の頭にチョップを入れる。

 そのまま首根っこを持って、紫陽花を少し離した。


「そんな、父が大袈裟に心配して入院させただけですから」

「そりゃ実の娘が襲われたんだ、それぐらい心配するもんだろ、それに身体的なものより、心身的にくるものの方が大きいだろ?」

「……はい」

「まぁだから、今はしっかり休んで、また元気な姿を見せてくれ」

「ひゃい!?」


 ん?ひゃい?

 向日葵の顔が一気に赤く染まっていく。

 まだ、体調が優れないんだろう。


「……ほほう」


 神奈月さんが向日葵を見て微笑む。

 すると神奈月さんが、俺に近づいて手を引いて向日葵から俺を遠ざけた。


「神奈月さん?どうしたの?」

「まぁまぁ、いいからいいから、向日葵ちゃんこれくらいでいい?」

「……楓さん、ありがとうございます」


 え?なにこれ?

 俺避けられてる?

 何か悪い事したっけ?

 まぁいっか。


「蓮華様、助けていただきありがとうございます、私の力が足りないばかりに、また迷惑をかけてしまいましたね」

「いや、向日葵の努力は足りてたさ」

「え?」

「俺がやった時は、殆ど虫の息だった、多分あいつがせこい手を使って無けりゃほぼほぼ向日葵の勝ちだった」

「……本当ですか?」

「ああ、本当だ」


 向日葵は、ポツリポツリと涙を流していた。

 涙が、病床のシーツに涙がこぼれ落ちて染み込んでいく。


「向日葵、頑張ったな」

「……ありがとうございます」


 その後、学校の宿題や連絡事項を伝えて病院を後にした。結局、あの距離感の正体は分からないままだった。なんだったんだ?


「あーなんか濃い休日だったな、次の休日は、私の家で遊ぼう!」

「なに言ってるの?」

「え?やっぱりしばらくは休日こお出かけ自体ダメかな?」

「それもそうだが、それとは別の面倒事があるだろ?」

「何かあったっけ?」

「「「期末テスト」」」

「あっ、忘れてダァァァァ!!」


 こいつ、完全に忘れてやがる。


とうとう30話まで書くことができました。

こんなに毎日書けているのも、見てくれる皆様が居てこそです。

本当にいつも見ていただきありがとうございます。

これからは一日2本投稿できるように頑張ります。


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