23話 期待で胸いっぱいですが脈ありでしょうか?
育乳ブラジャー。
噂に聞いたことはある。
バストアップ効果のあるブラジャー。
向日葵の胸は、パッと見B〜Cくらいのサイズだと思う。その大きさでも十分な色気を感じさせるが、そこに育乳ブラジャーが加わった。
これが何を意味するかわかるか?
そう、自分の胸を見て悩む向日葵の姿が想像できる。
いつものお嬢様口調で献身的な姿とのギャップ。
これが非常に男心をくすぐって仕方ない!
あえて言おう!思春期であると!
俺が起きた時には、もう放課後になっていた。
今日1日波乱しか起きなかった。
もう誰かが来る前に帰ってしまおう。
そう思っていたら、ベットのカーテンが突然開いた。そこには、向日葵がいた。
「蓮華様、大丈夫ですか?」
「ああ大丈夫だよ」
「それは良かったです」
「それより、さっきのあれってなんだったの?誰かに脅されたんか?」
「いえいえ違いますわ、あれはその……戦いですわ!」
「戦い?」
「そんな事は、別にいいじゃないですか、蓮華様の荷物も持ってきましたし、帰りましょう」
「まぁ、分かった」
それから、向日葵と一緒に職員室に行き、一応体調不良という事で担任に伝えた。
今日は、いろんな事が起きたがようやく帰れる。
向日葵は、昨日みたいに腕を握って抱き寄せる事は無く、普通に2人並んで帰っていた。
「蓮華様」
「ん?どうした?」
「ご報告があります!」
「おう、なんだ?」
「明日、遊びに行きます!」
「紫陽花さんと神奈月さんと一緒にゲームセンターに行く日程を立てました!」
「え?俺は、いかなくていいのか?」
「正直来て欲しいですが、いつまで蓮華様に頼りっきりじゃいけませんから!」
「……まじか!すげぇな向日葵!」
「頑張ります!」
俺は、思わず彼女の頭をわしわしと撫でる。
向日葵は、まるで喜ぶ子犬みたいに嬉しそうだ。
「確かデパートの近くにありましたよね」
「Jボか」
「Jボですか?」
「あそこは、Jボーリングってボーリング場なんだ、ゲームセンターも別館だが近くにあるぞ、せっかくだしボーリングもやってみたら?」
「そうですね、2人に聞いてみます!」
そうやって目を輝かせる向日葵。
期待で胸がいっぱいって感じだ。
俺は、明日が何事もなく楽しく過ごせる事を願うのだった。