14話 無地ですが脈ありでしょうか?
しばらくして、紫陽花が我に帰ったようでようやく離れてくれた。
とりあえず先に紫陽花を、風呂に入ってもらい、俺は服を着替え、例の黒いGを探す事にした。
最初にキッチンを探すと、早速黒い物体を見つけた。
「多分、紫陽花が見たやつってこれだよな」
黒いGのおもちゃだった。
キッチンの下の収納をあけた時に落ちたみたいだ。明らかに誰が仕掛けた感じがする。
俺は、それを回収しリビングで座って紫陽花が上がるのを待っていた。
20分くらい経って、風呂場から声が呼ばれている声が聞こえてきた。
「どうした?」
廊下に出て声をかけると、紫陽花が扉から顔だけ出した。
紫の長い髪がしっとりとしていて、ギリギリ見える鎖骨に水が滴る姿が美しい。
「おいおい!裸で出てくるな!見えちゃうだろう」
俺は、急いで後ろを向いた。
「私も非常に恥ずかしいんだけどね、その……言いにくいんだけど」
「なんだ?」
「下着を持ってきてくれない?」
「ふはぁ?」
思わず、変な声が出てしまった。
一体何を言ってるんだ?
「下着の収納がリビングにあるの、それで準備せずに入っちゃったから」
「いやいや、俺が一旦部屋から出ればいいじゃん!人の下着を持ってくるなんて男に頼むことじゃないぞ!」
「だって……あれがいるかもしれないし」
「……ん〜仕方ないなぁ、目を閉じて適当なやつ取ってくるよ」
「ありがと、一番下の引き出しに入ってるから」
俺は、リビングに再び入り、白い三段引き出しの衣装収納の目の前に立つ。
確か一番下の引き出しって言ってたなだったはず。
引き出しのとってに手をかけ、そっと目を閉じる。そのまま、手前に引き中に手を伸ばす。
独特の柔らかい生地が俺の両手を包む。
柄の刺繍が細かいのが、触るだけでわかる。いやいや、堪能してんじゃ駄目だろう!
よし、この無地みたいなやつにしよう!
俺は、それを手に取り紫陽花に渡した。
「……えっ?」
「どうした?間違えたか?」
「いや……なんでもないよ。」
それから20分くらいして紫陽花が風呂から上がってきた。
風呂に入ったばっかりか紫陽花は、顔がほのかに火照っていて色っぽいなと思った。