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13話 赤の花柄ですが脈ありでしょうか?(2)

「……いやいや、流石に親がいないなら尚更駄目だろう」


 俺は、一旦冷静になってそう答えた。

 本音を言えば、紫陽花の家に行きたい。

 でも親がいないとなればどうなるか、最悪この前のような微妙な空気になったりしたら、余計俺達の仲が拗れそうで怖い。

 しかし、紫陽花がそんな事を言うって事は、俺を誘っているのかもしれない。

 いやいや、そんな事はないか。

 勘違いしちゃいけない、そんな都合の良い事はないだろう。


「どうしても駄目かな?」

「……なんでそこまで泊まらせたいんだ?」

「今日の朝にね」

「うん」

「あの……黒いあれが出たの」

「あ〜そういう事」

「今日は、お母さんいないから討伐係がいないんだよね」

「いつ出てくるか分からないから、泊まって欲しいってわけだな」

「そうそう!お願い!」

「分かった」


 そして俺ら、自宅で着替えや明日の教科書等の荷物を整理して、紫陽花の家に向かった。


 俺の家から自転車で、20分程移動して紫陽花の家に着いた。

 紫陽花の家は、二階建てのアパートで屋根が黒く平らな四角形の壁が白いよく見る作りだった。

 一階ごとに部屋が三つあって、紫陽花は、二階の一番奥の203号室に止まった。

 鞄から鍵を取り出して扉の鍵を開ける。

 家の中は、玄関から正面に短い廊下があって、その先にリビングに繋がる扉がある。

 左手にはキッチン、右手にはトイレとお風呂場があった。


「ご飯作るから、お風呂沸かしてくれる?」

「おう、任しとけ」


 リビングに、荷物を置いて風呂掃除を始めた。

 バスタブをゴシゴシと洗剤をつけて、シャワーで流した。


「ぎやぁぁぁぁ!!」


 近くから凄い悲鳴が聞こえた。

 お風呂場のドアが勢いよく開き、紫陽花が俺に向かって飛びついてきた。

 俺は、その勢いで転んだ。


「痛たた、何してんだよ」


 そうして紫陽花を見ると、シャツがシャワーでビショビショに濡れており、胸部に真っ赤な何かが広がっている。


「あいつだよ!あいつが出たんだよ!」


 パニックになって落ち着かない紫陽花は、かまわずに真っ赤な胸部にを押しつけてくる。

 押しつけた感触で、何とは言わないがその装飾の形を感じ取れる程、密着している。

 スカートもめくれたまま抱きついているので、濡れた柔らかい何かの感触が、太ももにつたわって来ている。

 しょっぱなからこれって、大丈夫かな。

 大丈夫じゃないなぁ!


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