表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/117

103話 ときめきですが脈ありでしょうか?


「いらっしゃいませ〜」


 ピンクのフリルを揺らしながら、にこやかに接客する女の子……ではなく男の子がいた。

 時にコスプレをネタを挟みながら、お客さんを楽しませながら、出し物を盛り上げている。


「お前、完成度高すぎない?」

「そりゃ、この時の為に本家を全話見てきたからな!」

「まじかよ、レベルが違いすぎるんだけど」

「小金井からも言われたのさ、半端なコスプレこそ、1番恥ずかしいとな」

「いや、それにしたってやべぇよ、だって違和感が背が高いくらいしかねぇし」

「そりゃ嬉しいね、本気でやった甲斐があるわ〜」

「はぁ〜結局、1番恥かいたのは俺かよ〜」

「まぁまぁ、あっ3番さん呼んでるから行ってくるな」

「へいへ〜い」


 俺は、厨房から出て3番のテーブルに向かった。

 その後、足首からグキッ!っと鈍い音が鳴った。

 痛ってぇ!やばい、慣れない低めのヒールで足を踏み外した。

 やばい、倒れる!

 咄嗟に受け身を取ろうとしたが、体勢を崩した先には、柔らかいものに受け止められた。

 

「大丈夫ですか、お嬢さん」


 俺は、振り向くとそこには、スーツを着たイケメンが爽やかに笑っていた。


「あっ、大丈夫です……ありがとうございます」

「そう?良かった」


 俺は、イケメンに手を借りて立ち上がった。

 ふと気がつくと、周りのお客さんがパチパチと拍手をしていた。

 俺は、なんだか恥ずかしくなり、すみませんすみませんと会釈しながら、手早く注文を聞いて厨房に逃げ込んだ。


「ふゅ〜う、おかえりお姫様」

「やめいやめい!恥ずかしくて顔から火が出そうだわ」

「おっ早速、王子様が来たぞ〜」


 厨房に、さっきのイケメンが入ってきた。


「蓮華、大丈夫だった?足怪我してない?」

「おう、イケメン紫陽花のおかげで大丈夫だ」

「それにしても似合ってるわね、さっきもキャーキャー騒がれていたし」

「うん、皆にカッコいいって言われて楽しいよ!」

「なにこのピュアな子、天使?」

「いやいや、お前にとっては王子様なんじゃ?」

「だから、やめろっての!」

「ようやくイジれるネタを掴めたのに、離すわけねーじゃん」

「ぐぬぬ、こいつめ……」

「蓮華君、真っ赤になってたわね、本当に女の子みたいだったわ」

「うん、可愛かったよ〜」

「お前らまで……なんか、紫陽花の気持ちがわかった気がする」

「ふふん、いつものお返しだよ!」


 あの時、ガチめに紫陽花にときめいてしまった事実は、墓場まで持っていこうと思う蓮華なのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ