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1話 ピンク色ですが脈ありでしょうか?

 

 HRの前、学年が変わって高校2年生になり、クラス替えの少しぎこちない空気が教室に漂っている。

 教室の前の引き戸が開くと、紫のサイドポニーの気が強そうな女の子が入ってきた。

 彼女は、水無月 紫陽花(みなづき しょうか)

 元気で活発で男勝りな性格にギャップのような巨乳がとても良い。俺が、中2の頃から友達で好きな人だ。紫陽花は、席に座る俺に近寄って耳元で囁いた。


「……今日は、ピンク色だよ」


 俺は、そのまま視線を彼女の方に動かす。目線が丁度彼女の胸を捉える。この巨乳は、ピンクのブラジャーで支えられているのか。柄はなんだろう? ベーシックなレースか? いや花柄も捨てがたい。そんな妄想をしていると、頭に彼女の肘打ちを喰らってしまう。俺は、予想外の攻撃になす術なく顔面から床に叩き落とされた。


「何考えてんの!バカ!」


 彼女は、そのまま顔を真っ赤にして自分の席に向かう。


蓮華(れんげ)、大丈夫か!」

「おはよう桔梗(ききょう)!大丈夫だぞ!」


 満面の笑みで返す俺。

 なんでこんな事になったか説明すると数日前に遡る。

 春休みの少し前に、紫陽花から天神に2人で服を買いに行こうと誘われた。

 しかも、重要なのは2人っきりと言う所だ。2人っきりでどこかに出かけるなんて、初めてなのでこれはチャンスだと思い俺は即OKした。

 そして、当日俺は、一応待ち合わせの時間10分前に天神に到着した。

 待ち合わせの場所に行くと、紫陽花が待っていた。

 特徴的な紫色のナチュラルパーマのサイドポニー。右胸に小さいロゴがある白のTシャツに青のジーンズ、ブラウンのボディバッグとスニーカーというなんともボーイッシュな感じだった。

 こっちに気がついたようでぴょんぴょんと飛びながら手を振っている。可愛い。


「もー遅いよー」

「いやいや10分前に来たって、紫陽花が早すぎなだけだろ?」

「何言ってるの、こんな美女を待たせるなんて最低でも30分前に来ないといけないよ!」

「そうだなー次からは、30分前にくるわー、紫陽花は、絶世の美女だからなぁー」

「いやそこはつっこんでよ!私がナルシストみたいじゃん!」

「え?違うの?」

「違うよ!」


 そんな感じでいつも通りのお喋りをしながら行き先について話し始めた。


「じゃどこにいくか?」

「まぁそこら辺の店ぶらぶら回っていく感じでいいんじゃない」

「まぁそうだな〜俺たちの予算的にそんな買えないしな」


 そんなこんなで色々な店を回っていると、とある店で紫陽花が服を見ながら頭を抱えていた。


「どうした?」

「いや〜私ってこういう服って似合うのかなぁ〜って」


 紫陽花が指を指す先には、真っ白なワンピースがハンガーにかかっていた。

 いかにも女性らしい服で、紫陽花はあまり着なさそうな服だった。

 絶対似合うとそう確信していたが、正直言うのが恥ずかしい。


「どうだろうなぁ〜ワンピースを着た紫陽花が想像つかないからな」


 そんな事はない。でも言えない。

 そんな感じではぐらかしてしまった。


「……確かにね」


 紫陽花が俺を見ながら頷く。

 そして、その場に立ち上がった。


「よし!この服買おう!」


 そう言って立ち上がる紫陽花。

 ワンピースを手に取るとピクっと体が固まった。

 目を丸くする紫陽花。

 俺に近づいて耳元で囁く。


(……10万円だった)


 高校生にとって10万円とは手に届かない額である。社会人でも出すのを躊躇うだろう。


(戻せ戻せ!買えないだろ?)

(でもさ、後ろ見てよ!店員さんめっちゃ見てるって!戻しづら過ぎるって!)


 後ろを見るとベテランみたいな店員が二人こっちを見ている。レジの導線に一人と入口に一人という鉄壁のディフェンスを構えている。出れない!これは、逃げれない!


(紫陽花、お前手持ちはどれくらいだ?)

(……4万円くらい)

(一応俺が7万円持ってっからそれでなんとかするぞ)

(……本当ごめん)



 俺達は、所持金の殆どを使いワンピースを買った。どっと疲れたので喫茶店で休む事にした。


「はぁ〜生き返る〜」

「都会は、怖いな」

「さっきは、本当にありがとうございます」


 そう言って頭を下げる紫陽花。


「まぁいいってことよ」


 そう男前にいう俺。本音は、やばい。今月どうしよう。でもなぁ、申し訳なさそうだけど嬉しそうな紫陽花の顔を見ると悪い気はしないなぁ。


「やっぱり悪いわ、お金はちゃんと返すけど、他に何か出来る事はない?」


 そう言われても特に思いつかない。んーワンピース、ワンピースといったら……透ける下着、やっぱりパンツが気になる。スカート同様あの絶対領域の中を見たくなるよな。


「よし、借金を返済するまで毎日紫陽花の下着の色を俺に教えてくれ!」


 俺は、冗談まじりに言った。どうせ断られる前提で流れるように言ったと思う。そのはずだった。


「……いいよ」


 紫陽花は、顔を真っ赤にしながら頷くのだった。


最初に情報が少なかったので少し訂正しました。

読者の方にご迷惑をおかけします。

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