最後の高校生活
はじめまして、初の投稿で拙いところが多々ありますがこれからよろしくお願いします。
基本的に独自の世界観だけで書いていこうと思うので一般常識とズレがあるかもしれませんが、そういうところも楽しんでいただければと思います。
大改稿しましたので少し内容が違っていたりしますがより良いものを書いていくのでこれからもプラヴレをよろしくお願いしますm(_ _)m
「あぁ〜〜だーるーいー」
俺はまるで独り言のように本心をこぼしていく。
自分で選んで進学した高校とはいえ、こう毎日毎日同じことの繰り返しってのは流石に飽きるな。
最近は小学生の配信者で金稼いでる奴とかもいるし、俺もいっそ配信者として暮らしていこうかな。
「ねぇ、いちいち声出して言わないでくれる?アンタのそのテンションの低さが私にまで移るのよ」
まるで俺を病原体みたいな扱いをしてくるのは、俺の隣に住んでいる秋山凛だ。
いわゆる幼馴染という奴なのが、家は少し特殊な環境なため、幼馴染というよりは、どちらかというと母親だった。
「……」
コイツが母か……。ちょっと考えただけで笑いが…ププッ。
「おい、今私の顔を見て何か失礼なことを想像しでしょ」
勘のいい凛は俺の首に巻きついているマフラーで首を絞めようとしてくる。
「ゔ、ずみまぜん………」
凛は俺を解放する。
マジで殺されるかと思った。
「ったく、アンタの世話なんて好きでやってるわけじゃないのよ。おじさん達とお父さん達に頼まれてるからし!か!た!な!く!やってあげてるの、忘れるんじゃないわよ」
「う、、は、はい。分かっております。凛様」
俺は土下座の勢いで頭を下げる。
確かにコイツにはかなりお世話になっている。
というのも先程言ったように凛の家と俺の家は隣同士で家族付き合いも良い。
そして、現在海外に出張中の親父達が秋山家にお願いして、俺の生活を監視している。まぁ主に凛のみだが。
そういうわけで俺は凛に何も言えない立場なのだ。
「ま、残念ながら長年やってると慣れてしまうのよね〜」
「肩をお揉みしましょうか?」
「気持ち悪いわね!アンタに触らせるボディは生憎持ち合わせてないのよ」
凛は少し恥ずかしそうに俺を跳ね除ける。
このツンデレが、誰もお前にそんな要素期待してねぇんだよ。このお嬢様気取りが。
ーーまあ、冗談はさておき。
俺達はもう何度目かわからない門を通り抜け、下駄箱で靴を履き替え、教室に向かうという行程をこなしていく。
凛とは別々のクラスなので凛が教室に入るところで別れる。
その時、楽しそうに友達と歩いていくその後ろ姿に、俺はもう二度と会えないような、そんな違和感を感じた。
そして俺は教室に入る。
ドン!
「わっ、ごめんーー!?」
俺は扉で誰かとぶつかってしまう。
しかし、そこには誰もおらず、気味が悪いように感じたり
はぁ
俺の席は窓側の後ろから二番目の席、十二月入る前に席替えをしたのでそれ以来変わってないはずなんだが、俺の席には毎回必ず座ってる奴がいる。
俺は黙って席の方へ近づく。
「んっ?あ、ごめんね。神谷くん、また席借りてるね」
そう言って俺に上目遣いで謝るのは小鳥遊綾音である。
クラス一の美少女、とでも言っていいほどの容姿で性格も誰に対しても平等なことから聖女と呼ばれていたりする。
そんな子が俺の席座っている理由。簡単さ。
俺の後ろの席が親友の武田だからだろう。というかそれしかない。
俺は大丈夫とだけ言うと、小鳥遊は「そっかぁ〜、ありがとう」と返して武田とどこかへ行ってしまった。
俺はようやく席が空いたと鞄を掛けて席に座る。
そんな俺にクラスの男どもが俺に視線を向ける。
どうせ野郎共が今抱いてるモノは俺が数刻前まであの小鳥遊が座っていた椅子に、俺が腰掛けている事に対しての嫉妬だろう。
ま、あと加えるとしたら小鳥遊と会話をした事(会話はしていない)と俺が凛と一緒に登校してる事くらいだろうか。
俺自身がそう好印象ではないということもあるのが、理由の一つかもしれないけどな。
「おい、神谷」
読書を嗜むこの俺に上から話しかけてくるのはこのクラスの番長みたいな存在の上島竜磨だろう。
コイツが俺に用があるとすればアレしかないが、正直言って面倒くさい。
何せコイツにその用件で絡まれるのは十二月に入ってから毎日だからな。
早く年明けてくれよ。
「テメェ、また調子乗ってると潰すぞ」
いつ俺が調子乗ってるんだよ。乗ってるならお前の方だろうが。
俺の愚痴は心の中だけで留めておく。
来年から受験生なのに一々怪我はしたくないからな。
「悪いけどなんの話だか俺にはわからないんだけど、それよりももうすぐ先生来るから席についておいた方がいいんじゃないかな?」
俺にそう言われると上島は舌打ちをして元いたグループに戻っていく。
しばらくすると先生が入ってきた。
その時には教室を出て行ってた小鳥遊なども席に戻り、クラス全員出席しているようだった。
「はーい、みんないるー?」
この少し抜けた喋り方の女の子、もとい女性はウチのクラスの担任、みんなの天使高槻月夏先生だ。
何というか見た目通りの人である。
確かに真面目で生徒思いの良い先生ではあるんだけど、仕事ができない少し残念な先生でもあるのだ。
毎回授業で配るプリントを忘れたり、間違えて一年生の教科書を持ってきたりと色んな人に心配されていたりする。
「よし、今日はみんないるね。じゃあホームルーム始めますよ〜。まず、今日のねーー」
ウチは一応進学校としてやってるらしいから、こういうホームルームの時も真面目に席に着いて先生の話を聞いている。
いや、聞いているというよりは見入っていると言った方がいいかもしれないな。
ほとんどは高槻先生の姿にほのぼのとしている奴らばかりだろう。
「はーい。それから明日から三者面談が始まりますから午前で授業は終わりますけど、しっかり勉強するですよ。では授業の用意してくださいねー」
その言葉と同時にクラスが騒がしくなる。先生も少し前列の女子と会話した後、前の扉に手をかける。
「アレ?」
扉の前で突然疑問を口にする先生にみんなの首が振り向く。
「どうしたの?ルナ先生」
一人の女子生徒が先生に尋ねる。
確か飯田って名前だった気がする。ちなみに俺は人の顔と名前を一致させるのが苦手だったりする。
「もう、先生を名前で呼ぶのはやめなさい」
「ごめんごめん。それでどうしたの?」
「うん、それがね?教室の扉が開かなくって」
そして先生が何度力を込めても教室の扉は開かなかった。
「先生!後ろも開きません!」
一番後ろの席の奴が同じように扉を強く押したりしてもビクともしなかった。
少し不安に思った俺は窓に掛かったカーテンを開けようと手を伸ばそうとした時だった。
「きゃあ!!」
「うおっ!なんだ!?」
突然、教室の床が光り始め、俺達を包み込んだ。
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