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共通②

彼は陰陽院に住んでいるそうで、私も院勤めの女房達が使う寝所に住まうことになった。

身支度を済ませ、花鶏様へ挨拶に向かう。


「花鶏様、お……」

馬路屋銅男(まじやどうなん)を知っているか?」


挨拶をしようと口を開いたら、いきなり遮られる。


「いえ、一切の記憶がないのでわかりません」


そもそも私は彼と会うまで己の存在を認識できなかった。


「そうか」

「一体なんなのですか?」


「人間だ。そいつは陰陽師でありながら先代に反発して独立した」

「はあ……個人で動く陰陽師もいるのですね」


「そして陰陽師を襲撃するはた迷惑な輩なので、くれぐれもそやつには遭遇するな」

「わかりました。もし遭遇した場合は?」


走りには自身がないのでなにか弱点はないものか。


「逃げるしかあるまい。できるならば首や目などを攻撃し、のち殺めようと誰も文句はいわぬ。しかしそなたのような若い娘に酷というもの」


朝から爽やかさを壊す単語が飛び出た。



「今日はお仕事へ行かれるのですか?」

「怨霊の出次第だ。お前は休め」


休めと言われても一応は陰陽院の女房ということになっているのだから、仕事はしないといけないだろう。


■私はどこを掃除しよう?

〔花鶏の部屋〕

〔外〕

〔休む〕

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