本編26 新たな町
旅立ってから一年が過ぎようとしている。
今はある町に留まっているが、すぐに出発することになるだろう。
一年の時の内に、創造者の塔は29万層まで進んでいる。
後4年ほどでクリアは出来るだろう。
そして僕も一年の間、レベリングをしていた。
不眠不休でダンジョンに潜り続けるだけの毎日だったが、そのおかげでレベルは300万を突破した。
一般的に300万のレベルがあれば一部の降臨クエストを除きほぼ全てのダンジョン、クエストがクリア出来ると言われている。
だが創造者の塔はまだまだ高い壁だろう。
推定3000万のレベルを誇るボスには程遠い。
そして旅の中で僕はある可能性を感じた。
それは、この世界はソードマジックに似て非なる別世界である可能性だ。
第一にスキルに見慣れないものが多い。
各魔法の亜種スキルに鑑定等の新スキル。
そしてユニークスキル。
ゲームの時は確実に無かったスキルたち。
そしてアイテムも一部の仕様が変わっていたり値段が上がっていたりする。
最後にこの世界元々の人類である。
元NPC、であろうその人類は僕たちのようにレベルが高くない。
精々150行くか行かないか位なのだ。
伝説に語られる英雄も300程。
僕たちが強すぎるのかそれとも彼方が弱すぎるのか。
勿論インフィのように僕たちをも越える者も存在する。
だがこの一年の旅でそのような人物には出会わなかった。
極端に希な存在なのだと僕達は認識している。
この世界の人物は銃を知らなかった事も旅に大きく影響している。
だが銃の原産地であるアポカリプス・ワールドではそうもいかないだろう。
ゲーム時代ではアポカリプス・ワールドで銃を手にいれていた。
ロケットランチャーや無反動砲のように威力の高い武器が無いのも痛い。
将来的に創造者の塔のボスと戦うならそれも必要になるだろう。




