外伝11 可能性
蘇生された場所は王の間だった。
「おお、無事だったか!!」
王様が詰め寄ってくる。
「いえ、大丈夫ですよ」
「うむ、それは良かった」
「一つ、言っておきたいことがある」
王の言葉に、田村と言う生徒が返した。
「何でしょう?」
「すまないが、重要な儀式を行うためにそちらから魔術師を5名程頂いた」
「何の儀式にですか?」
「召喚魔術の儀式だ。魔術師が足りなかったのでな」
一体何を召喚しようとしている?
そんなに必要なのか?
もしや、生け贄?
不穏な考えが浮かんだが、もみ消した。
その日の夜、あることを考えた。
確か、俺のクラスにソードマジックの上級者が居たな。
確かそいつは消えた中の1人。
そして、消えた奴の殆どがソードマジックをプレイしていた。
と言うことはソードマジックの経験者だけが消えるのか?
いや、それはあり得ない。
もしそうだったとしてソードマジックである理由は何だ?
そこが引っ掛かる。
そして、消した方法も。
だが、もしソードマジックのプレイヤーが転移したことによって、この世界ができて、それが俺達のこの事件に繋がったのなら、辻褄が合う。
結局、分からなかった。
だが、それは今後の俺の考え方に大きく影響する……




