本編3 町へ
起きたようだ。
男性が起き上がり話しかけてくる。
「助けてくれてありがとな」
「あのままじゃ死んでいたぜ」
「町にいっていたらモンスターに遭遇してな、逃げてきたんだ」
そういうことか。
「無論俺はプレイヤーだ」
「僕もだ」
「そうだ、俺はザンジだ」
「僕はリク」
「悪いが、町に仲間がいるから、モンスターに襲われていないか心配なんだ。一緒に来てくれないか?」
「勿論、大丈夫」
「じゃあ、行くか。」
外にでる。ここは丘の上だから町が見渡せる。
「「なんじゃこりゃ・・・」」
思わず二人同時に声を発する。町からは煙が上がり、建物が崩れ、所々人が倒れている。
「まさか、この世界でPKなんかするやつがいるのか?」
PKとは、プレイヤーキルの略でプレイヤーを殺す行為の事である。
「僕達以外にもプレイヤーがいるの?」
「居る。俺のギルドのメンバーは全員来ていたぜ。」
ということは、全員来たと言っても過言ではない。とりあえず町に向かおう。
町に行ってみると、町は綺麗なままだった。建物が崩れていたりは一部だけだったようだ。ここではみんな笑顔で生活している。
「武器屋に行ってみようよ。」「お、いいなそれ。」
入った武器屋の中には大量の武器があった。
見えた剣の中に見慣れない物がある。
よし、あの剣を買おう。丁度持ってなかったし。
剣をもって、カウンターに向かう。
「メタルスレイヤー・・・金属系の物に有効な剣だ。これだいいかい?」
「はい。」
選択ウィンドウは出ず、そのままストレージにしまわれる。
ここは元より使い勝手がいい。
「こんなに平和だったら、心配しなくていいな。」
「そうだね。」
とりあえず、帰ろうとした時に何かが燃える音がした。急いで外に出てみると、辺りは火の海だった。
建物は倒れ、人が倒れている。時々悲鳴も聞こえる。暴動だろうか。
気付けば、女性がが町の中央の広場で火魔法を撃ちまくっていた。
あれもプレイヤーだろう。この世界に耐えられず暴動を起こしたのであろう。