罵った
「いやー美味しかったよ。みんなも食べればよかったのに。」
リセが明るく言う。というかこれは、誰だろう。
「魔女だっけあれヤバいね、すごく食べたい。太っちゃうかな。」
「リセはスマート痩身送信。」
「トト大好き。そう言ってくれるのトトだけだよ。」
リセはトトにキスをする。
今まで片言のように話し、固い口調になり、軽くなった。
「リセ君はどこから来たの。」
「んー。気がついたら空の上でさ、わかんないんだよね。」
なーんにも覚えてない、そう言ってリセは笑う。
「でもねやりたいことはわかるんだ。魔女を食べること。だから次行こうよ。」
「次は南の魔女か。壱あそこは今どうなってる。」
「南の魔女。着位23日。名前白雪黒檀。」
「前の剛力応援してたんだけど、短かったな。」
「どういうこと。」
リセが聞いてくる。
「新しい魔女の8割は着位1ヶ月以内で落とされるんだ。魔女とはいえ成り立ては弱いんだよね。」
ここ3年で何回変わったことか。
「後釜を狙って魔女候補が集まってる街なんだ。」
「ふーん。じゃあどうすれば魔女食べられるかな。」
「簡単。魔女は魔女の塔近くで候補と戦うことが多いから、塔の近くにいって、魔女がいたらがぶっと食べればいいよ。」
「マジ簡単。ラクショーだね。」
「馬路楽書。略して自傷だね。」
南の街の入り口。
何人もの魔女が少し街を作っては、潰され、作っては、潰されを繰り返して出来たため雑然としている。
そんな街だけど魔女の塔は街の中央にしっかりあった。
「あそこだね。」
「あそこあそこそこそこのけ。その通り。」
リセとトトがこそこそしている。
何かたくらんでいる。きっとそれは悪い予感しかしない。
「案山子。東の魔女の犬がいるよ。」
礼於君に会ってから口数の減った玲於那さんが言った。
礼於君は姉さんにあずけてきた。玲於那さんは一度見捨てた弟をどうしたいのかな。
「北回りじゃなく、南に来てたんだ。逃げるしかないね。」
幸い相手はまだ気がついていない。
「リセちゃん、トト君。」
声をかけるのが遅かった。
道路の真ん中で仁王立ちしたリセ。
トトは風になびくマントを演出中、風吹いてないのに。
そしてリセは言った。
「あー。あたしはこれから南の魔女を喰う。魔女の座を狙うクズ、ゴミ、雑魚ども邪魔するなよ。邪魔するやつに手加減しねえ。ぶっ潰すかかってこいやぁ。」
リセの声は拡声され街中に響いた。
結果リセとトトはかかってくる人を殴る蹴る吹き飛ばす投げ飛ばす、ありとあらゆることをして塔にたどり着く前に人混みに紛れていた南の魔女を潰した。
そしてこの世から四人の魔女が消えて一人の魔女となった。




