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アニメはいつから有料になったのか その6


「少なくとも八十年代までのアニメのソフト化状況ってのは奇妙な構図だった」


「そうなのか?」


「まず、テレビアニメは本数が多いこともあって「全話ビデオ化」がそもそも珍しかった。全く無い訳じゃないが」


「ふ~ん」


「だが、『映画』ってのは簡単にソフト化される」


「そういえばそうだな」


「これはテレビアニメと劇場アニメ編…があれば…で話したいんだが、日本の劇場アニメってのは特殊でな。テレビの総集編やスピンオフが多いんだ」


「そうだな」


「あと、OAVでテレビアニメの『後日談』みたいなのを発売する例もちらほら出てきた」


「へーそれは知らんかった」


「結果どうなるかというと、『本編』はレンタル屋のどこにも置いてないのに「劇場版(総集編)」「番外編」だけはある…といういびつな状況が現出することになる」


「あ…あはは…なるほど」


「一応言っとくとOAVは「オリジナル」と付くからには「原作無し」であるべきなんだが、OAVのほぼ全ては「カルト人気があってテレビにはならなそうな作品」のアニメ化という位置づけだったと言って良い」


「随分大胆に断言するなあ」


「残念ながら事実だ。後にテレビアニメになった「ロードス島戦記」なんかは全13巻のOAVシリーズで発売されたが、これは結構な『事件』だったらしい。伝聞だが」


「…どうせ狭いマニアの間のことだろ?」


「だとしてもだ。ちなみにこの手のOAVの特徴は何だか分かるか?」


「つまらんことか」


「おい!」


「お前がそう言ったんだろうが!」


「そうじゃねえよ。…要するにグッズを売る必要が無いってこと」


「?」


「つまり、魔法少女が何とかステッキ使ったり、主役メカが途中で交代したりする「スポンサー側の事情」によってアニメ本編が影響を受けないってことだよ」


「そりゃ何で?」


「決まってる。売り物が『映像そのもの』だからだ」


「あっ!!!」


「分かって来たか?テレビアニメは「映像そのもの」は売りじゃない。だが、劇場版や番外編(OAV)は「映像そのもの」が売り物だ。だからレンタル屋に置いてある」


「なるほどそういうことか…」


「レンタル屋にテレビアニメなんぞ置くか。その内テレビでタダで再放送されるのに」


「でも、日本全国通津浦々で指定した本編が観たい人間はどうする?」


「再放送してる地域に親戚がいて、その人が親切なことを祈るんだな」


「そんなあ」


「割と冗談抜きでそういう状況は長く続いてたんだ。この状況を歴史的に転換させるとある作品が登場する」


「作品?一つの作品でそんなに変わるのか?」


「変わる。結論から言うと、そのアニメは『新世紀エヴァンゲリオン』」



(続く)

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