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ゲーム編07 「Magic The Ghathering」について


「あ、これ批評とかじゃなくて単なる思い出語りなんで。「Magic:The Ghathering」知らない人には全く面白くないんでそういう人は飛ばしてくださいな」


「最初から逃げるなよ」


「ま、現在は「楽しませてくれてありがとうございました」って感じかな」


「何だよそれ」


「もう完全に確立しちゃったけど、この手のトレーディング・カードゲーム市場が成立したのものこのゲームのお蔭だからな。もっとも、一番儲けてるのは『遊戯王』らしいが」


「『遊戯王』って面白いのか?」


「オレはガチの「Magic:The Ghathering」ファンなんで余り合わんかったな~。ダイナミックに動けるから子供にゃちょうどいいんじゃないの」


「放り出すなよ」


「オラクルも出ないし、ローテーションも分からん。下手すりゃ統一ルールすらない。「Magic:The Ghathering」みたいに厳密な世界からやってきた異邦人だと突き詰めようがないとしか見えないからお手上げなんだ」


「そういうもんなのか」


「一時期入り込もうとして近所の子供たちとプレイしたが、下手すりゃ全員違うローカルルールで挑んでくるからデッキ構築のセオリーもクソもありゃせん」


「良く分からんのだが」


「それこそ『1ターンに1体しかクリーチャーが場に出せない』ルールだったりすると、そういう前提でデッキ組むよな」


「そりゃな」


「ところが違うグループだと、何体でも出せたりする」


「…そりゃ困るな」


「デッキもそれぞれがそれ専用に組んでたりするから渡り歩けない。まあ流石に現在は統一ルールとかもあるんだろうが、トレカゲームは一度に複数手を広げられる様な安価な遊びじゃないんでもうやらんね。ファンには悪いけど」


「「Magic:The Ghathering」はどうなんだよ?」


「正直金が続かないからやってない。でもまあ、公式カードガイドは欠かさず買ってる。流石にトレカ雑誌は年に一冊のムック以外は買わなくなったが」


「やりもんせんのにリスト買ってるのか?」


「一応基本ルールは身に沁みついてるからおおむね動きは分かるしな。眺める分には面白い」


「そういうもんかね」


「馬券を買わない競馬ファンと自称してる」


「それにしても未だに売ってるのが凄いよな」


「カードの発売ペースは実は昔よりも早くて多いくらいなんだ。基本セットも毎年更新体制になったし、今も新陳代謝が続いてる」


「へー」


「プロの存在もすっかりお馴染みになったし、インターネット時代になって世界大会の配信、中継体制も確立しつつあるし、有志によって解説付きで上げられた動画も多い。夢みたいな環境だよ」


「そうなんだ」


「個人的には過去の名試合で映像が残ってたりするのを観るのが楽しいな。アホみたいに強力なアーティファクトが並べられて、対戦相手がにやりとして「無のロッド」をぽん、と放り出して会場が爆笑になるとか」


「知ってる人間じゃないと何が何だかさっぱり分からん話だな」


「うん。基本ルールに抵触するものも沢山あることはあるけど、土地からのマナ供給、タップ・アンタップによる使用済みマーキング理論、攻守交代のターン制、パーマネントとスペルの論理なんかは最初に提唱された時から恐ろしくがっしりしてる」


「まあ、基本のルールがしっかりしてるのは分かるよ」


「個人的にはターンエンドのクリンナップフェイズでクリーチャーのダメージが全回復するのと、ダメージがまんま入るのが新鮮だったなあ」


「?どういうこと」


「この手のダメージって1D6だの2D6だのと、ダメージはランダム(無作為)が大半だったんだ。計算出来なかったんだよ。それがキッチリ計算できる」


「それが珍しかったのか」


「『モンスターメーカー』とかがまんまそうだった」


「知らん。やったことが無い」


「最初から例外を仕込んでくるあたり、アメリカ産ゲームって感じだな。戦闘の先制攻撃とか、アルファにすら「停滞」が入ってたんだから凄い」


「この辺はやりこんでる人間しか分からんな」


「とにかく、普通に今からでも入れる」


「そうかぁ?」


「始めるプレイヤー全員がスタンダードで世界を目指す必要なんかないんだからさ」


「…でも、強くなれないと面白くないだろ」


「そりゃやるからには上達は目指すさ。しかし、「プレイそのものが楽しい」ってのもゲームの醍醐味だぞ。「へぼ将棋」「へぼ碁」を趣味にしてるおじいさんとか普通にいるじゃないか」


「…そっか」


「有名なプロもいるし、応援のし甲斐もある。とはいえ問題もある」


「やっぱりそう来たか」


「要するに『永久不変のパーマネントセット』を一刻も早く作ってほしいんだよ。まあ難しいかもしれんけど」


「…それが『基本セット』であるべきなんじゃないのか?」


「本来ならそうだ。といっても最初から友好色・敵対色ありきの5色+無色+マルチカラーでイメージされてる。そもそも40枚あるいは60枚のデッキを自分でアレンジして遊べるというところも醍醐味だから、『永久限定構築デッキ』みたいなものってこのゲームの楽しみの1/3ってところなんだよなあ」


「でも、素人にはデッキ構築は無理だぞ」


「土地枚数の比率ですら個人の好みだからな。全く同じデッキでもあるプレイヤーはクリーチャーを減らして土地を増やすかもしれないし、その逆もありうる」


「で?どうすればいいんだよ」


「ここは思い切って「たった1種類の初心者入門用兼競技用構築済みデッキ」を確定させてバックプリントも違う状態で売り出すべきだと思う」


「は?何言ってんの?」


「基本セットすらコロコロ変わる上に基本セットのみ含まれる新カードなんて訳の分からんものが出るのは、基本セットに含まれるカードが徐々に売れなくなっていっているってことだから、公式試合で使えない形ならパーマネントセットで売れるだろ」


「しかし…」


「トレーディング・カードゲームの良さは自由にデッキ構築をいじれるところにある。しかし、自由度が高すぎると新規参入の敷居も高くなる」


「そりゃそうだが…」


「色々考えてみたんだけど、例えば「単色デッキ」みたいなものをセットごとに構築済みとして売り出すのは無理があると思うんだ」


「構築済みデッキねえ…」


「一応訊くが『構築済みデッキ』の印象は?」


「ヌルい」


「だよなー!」


「本当にフラストレーションが溜まるんだよあれ。下手すると「稲妻」4枚にすらなってないとか」


「そりゃ普通のスターターと同じ値段でアンコモン同じの4枚入れたりしたらブースターも売れなくなるからな」


「完全に商売上の理由じゃねえか」


「その通り。しかも、発売時には何が強いか分からんから入ってたレアに思わぬ高値がついてその構築済みだけプレミアついてたりする。やれやれだ」


「昔はポータル構築済みにアーマゲドン入ってて大変なことになったんだってな」


「ああ。とはいえ基本的にはヌルい上に中途半端だ。昔は「とりあえず始めるなら、構築済み2つ買って、強めのカードを4枚ずつ寄せろ」なんて言われてたりしたよ。懐かしい」


「…そのレベルから入るプレイヤーって結局上位ランカーになったりはしないだろ」


「ジャパニーズレジェンド、チャンプトシキは始めるにあたっていきなり基本を40万円買ったとか言われてるもんな。ちとついていけん世界だ」


「誰がやるんだよそんなゲーム」


「む~ん、初期投資が大変だとはよく言われるけど、スクーバダイビングやらスキーだって初期投資は10万円以上掛かるぞ」


「あれはブツがあるじゃないか。こっちは単なる紙切れだ」


「とにかくある程度きっちり構築されたデッキ一種類を永久不変、ルールすら独自…というか不変のもので売り出すべきだと思う」


「ルールが不変?」


「スタックの処理どころかレジェンドルールすらコロコロ変わる。少なくともパーマネントセットは不変でお願いしたい。囲碁や将棋が毎年ルール変わるか?スタンダードと違っても構わんって意味だ」


「それは分かった。でも何で1種類なんだよ?5色あるんだぞ?」


「だから、5色じゃないんだよ。友好色の組み合わせが更に5種類、敵対色の組み合わせが更に5種類、3色が…ってな具合に幾らでも分離しちまう。それに赤緑ならステロイドは組みやすいが、バーンデッキだってビッグマナだって組めるし、極端なことを言えばコンボデッキだってありえる。この色ならこのデッキ!って決めつけられるもんでもないんだよ」


「…一応訊くがどんなデッキがいいんだよ」


「赤緑ステロイドだな」


「ハッキリ言い切りやがったな」


「マナを出し、火力で焼く。クリーチャー戦主体だ。インスタント増強、インスタント火力!このゲームの基本が全て詰まってる」


「青のカウンターやドロー、黒のライフを犠牲にする行動や直接破壊、白のウィニー能力・マスディストラクションなんかはどうする?体験できんぞ」


「それは仕方が無い」


「赤緑作るなら、白青黒も作ったらどうだ?」


「反対だ。バランス調整が難しいなんてもんじゃない。きっちり互角になればいいが、最終的にどちらかが強いことが確定すればもう一方はまず使われなくなる。同じデッキなら互角に決まってるからな」


「じゃあ、その初心者セットばかりやってるプレイヤーはこのゲームに青白黒があることを知らないままになるぞ」


「仕方が無いだろ」


「…デッキレシピはあるんだろうな」


「一応考えた」


10 森

10 山

4 タップイン基本土地サーチ土地

4 (緑)      巨大化

4 (緑   1/1 タップで緑マナ)ラノワールのエルフ(エルフの神秘家)

4 (1緑  2/2) 灰色熊

4 (1緑緑 3/3) 訓練されたアーモドン

4 (4緑  5/4) 針刺のワーム

4 (赤 1/1)   モグの狂信者

4 (X赤 対象にX点)猛火

4 (赤  対象に3点)稲妻

4 (3赤 対象に4点)電撃破


「…何だこれは」


「不満か?」


「4ばかり並べやがって。バカが考えたレシピだ」


「ちなみにスタックでダメージを乗せられるルール。じゃないとファナティックが活きないからな」


「…それにしてももう少し何とかならんのか」


「例えば?」


「…ボール・ライトニングとかヴィアシーノとか。…ルアゴイフなんて手もあるぞ」


「速攻やらターン終了時に問答無用で死んだり、手札に戻る論理は分かりにくい。トランプルくらいはあってもいい気がするがワームしかパワーがデカいのがおらんし、チャンプブロックありありにしないと凌げないからな。ゴイフのお互いの墓地参照もコクがあって面白いが、煩雑だ。競技制を損ねる」


「…一応訊くがプレイしてみたよな?」


「もちろん」


「どうだった?」


「最初の内は「ヌルいカード資産不足の初心者が組んだ適当デッキ」にしか感じなかったが、やってるとビックリするくらいセオリーが違うことに気が付いたんだ」


「どういうことだ?」


「元々相手の墓地参照ありありのゲームなんだが、デッキ内容が完全に分かってるから『相手のデッキにはもう「巨大化」が無い』とか読み切れるんだ」


「はあ」


「バーンデッキにありがちなんだが、手札の火力を相手に全て叩き込めば勝てる!となったらそこから場を焼かずに全部相手にぶつけ始めるだろ?」


「そうだな」


「盤面よりもライフを常にチェックし続けてチャンスとなれば一気果敢に討ち取る!…まるで違うゲームやってるみたいだった」


「しかし…展開が画一的にならんか?この構成だとライフ回復も無いし。墓地回収も無い。ライブラリ操作は…ランドサーチがあるが、ドローカードすらないぞ」


「お互い同じ条件なんだからいいじゃねえか。「デッキにあと3枚残ってる「猛火」を引けば大逆転勝利!引け!引け!引いたあ!」と盛り上がれる」


「そりゃ普通にスタンダードやっててもそうだろ」


「観客は普通はプレイヤーのデッキの中身なんぞ知らん。公開されてたとしても覚えて中継なんぞ観ねえよ」


「…まあな」


「ポーカーやブリッジとまでは言わんが、せめて麻雀の中継くらいにはしたいよな」


「何か足らんと思ったら、マスディストラクションが無い。「地震」とか入れないか?」


「…余り気が進まん」


「マスが無いと場にクリーチャーを並べ放題になるぞ。10対10でにらみ合いが始まったら不毛になる。それに、味方を巻き込む「リスクを取るカード」の存在くらいはあってもいいんじゃないか?」


「…そういうことを言いだすとキリが無いんだよなあ…」


「てゆーかエンチャントもアーティファクトもねえじゃねえか。せめて初心者御用達のエンチャントクリーチャーくらい入れたらどうだ?」


「いや、ここは要素を絞り込んだ方がいい。このクリーチャー構成でにらみあいなんぞにはならんよ。消耗戦だ」


「ふ~ん、俺はイメージわかんなあ」


「理想は人口に膾炙することさ。旅先のコンビニで500円の構築済み買って、ホテルでプレイして忘れて帰っても平気くらいになれば理想的だな。トランプカードみたいに」


「そんなことになるかなあ」


「トランプは52枚+ジョーカーだから、60枚のデッキより少ない。この際カードデザインのどこかにトランプ柄仕込んどいてトランプとして使える様にするとか?」


「カードのどこかに「スペードA」とか書いてあるってことか?」


「例えばの話だ」


「で?今欲しいカードは?」


「…Chaos Orbかな。額に入れて飾っとく」


「骨董品か!」



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