ゲーム編05 ボードゲームについて 5
『モノポリー』 3/5点
「こんなもんか?」
「アメリカ生まれの古典だな。スゴロクなんだけど、一ひねりしてある感じ」
「面白いのか?」
「つまんなくはない。けど、バクチ要素が強すぎる。なんつーか「オーバーキル」なんだよ」
「どういうことだよ」
「土地を買って、その上に止まったプレイヤーから金を獲るシステムなのは知ってるな?」
「ああ。カルドセプトだろ?要するに」
「…あっちが後だが…まあいい。とにかくそういうこと。場所による値段の多寡が半端じゃない。一回でもきっちり整備されたところに踏み込んだら即ゲームオーバーになる大雑把なデザインだな」
「で、つまらんと」
「まあ、トランプゲームやるよりはイメージがあって面白いんじゃない?スター・ウォーズ版とか展開しやすいのもいいね」
「オススメだと」
「誰かが持ってれば態々(わざわざ)買うほどじゃないだろ。あと、細かいことだけどアメリカゲームらしく紙製のお金なんで嫌いな人は要注意。100や500なんて単位もあるのに5だの1だのも普通にあるこの「D&D」ライクなちまちま感は個人的には余り好きじゃないなあ」
『クク カードゲーム』 3/5点
「知らん。何だこれ」
「トランプとかタロットことタロウカードの元になったとも言われてるかなり古いカードセットで、「カンピオ」という遊びが出来る」
「へー」
「何故かイタリアの軍隊で禁止令が出たこともあるらしいごく単純なんだけど面白いゲームだ」
「つまり?」
「それぞれ1枚だけ配られたカードを隣のプレイヤーと交換するのかしないのかを全員が判断して、最後に数比べだ。簡単だろ?」
「それだけ?」
「そう。ただ、たった1枚のカードの交換だから、弱いカードは人の手かれ手へとぐるぐる回ることになるわけだ。これが面白い」
「…分かったような分からん様な」
「例えば手に「3」を持ってたとする」
「うん」
「ほぼ最弱カードなんで、このまま数比べすればまず負けるんで、隣と交換を申し込む」
「ほおほお」
「回って来たのは「5」だった」
「マシになったな」
「で、自分が回した「3」がぐるぐる回っていくのが見られるわけだ」
「…面白いか?」
「これが「10」とかだったらそのまま持ってた方がいいから交換しないわな」
「はあはあ」
「こんな感じだ」
「ちっとも分からん」
「これはやってみないと分からんよ。ただ、交換を持ちかけられた時に発動する例外扱いのカードが猛烈に多いので、とりあえずはそれを覚えるだけでてんてこ舞いだな」
「む~ん」
「特に親の交換論理とか、あまりにもあっけなく脱落になる論理とか「人狼」よりも刹那的だ」
「んー…俺はパスで」
「これまたハードルが高いゲームさ。最低でも5~7人は必要だし、その人数にややこしいゲーム論理だのこまごましたルールだのを教えんといかん。しかも本当にあっという間に1ゲーム終わるんで、「チップ制」なんだけど、カードのみの美しいゲームがこれで台無しになってる。ある程度仕方が無いんだが」
「はあ」
「お互いのチップの総取りが延々続いたりすることもしょっちゅうで収束性が悪いのは良く指摘される。手札交換時に「見せなくていい」カードのチェック体制も無いし…まあ古いゲームだからな」
「ん…」
「これまたポテンシャルは感じるけど、これをやるんなら「はげたかのえじき」やった方がいいと思うな。とにかくチップというコンポーネントがスマートじゃない。とはいえ、長年の定番ゲームだからその辺りの改良もあったはずで、未だにチップ制なのはそれが最善だからなんだろ」
「もういいや」
「トランプに毛が生えた程度のゲーム性だし、ぶっちゃけトランプで代用も可能だ。ある意味あっという間に終わるゲームとして大人数で試す手もある?」
『クルード』 3/5点
「ボードと言ってるが、ルールめいたものは余りなくて、条件と要素を推理するお膳立てみたいなゲームだな」
「面白いのか?」
「面白いね。個人的には部屋間の移動の論理とか、隣の隣までしか手札を覗き見られないところとかもう少し工夫の余地はある気がするけどな」
「お買い得か?」
「3人以上のプレイヤーを確保出来るならかなり。日本語版で現在売られているタイプは箱はでかいはボードは綺麗だわ小道具にカードもゴージャスなのにかなり安い。いい感じだ」
「いいじゃないか」
「手元にメモをしながら進めるから、TRPGのマスタースクリーンならぬ『プレイヤースクリーン』必須に近い。ただ、詰まる時は詰まるから、30分以上になったらダレない様に仕切った方がいいかも。仲間内のハウスルールでは、ブラインドカードを必ず準備するようにして、誰かが手札を見せてくれるまで回していく方式にしてる」
『すきもの』 3/5点
「何これ?」
「同人ゲームだな」
「一般流通してんのか?」
「アマゾンを始めとしたインターネット通販だと売ってないな。楽天でも無理だろ。ヤフオクならもしかして」
「どうやって手に入れた?」
「リアルショップ。イエローサブマリンだよ」
「そういうところにはあるんだ」
「うん。都会人なら実際に行けば普通に同人ゲームコーナーがあるぞ」
「で?面白いのか」
「…つまらなくはない」
「また奥歯に物が挟まってるな」
「いや、実際アナログゲームとしてのデザインは大したもんだと思うよ。その回に「売ることが出来る」商品がリストアップされて、それを必死こいて買い付け、早い者勝ちで売っていく」
「ほおほお」
「ボードがしっかりしてるのがボード好きとしては嬉しい。この頃全部カードで済ませようとするゲームが多くてね…」
「お金のチップも小判型でしっかりしてるな」
「紙質も手触りも最高だ。あちらで抜いてあるのもポイントが高い」
「それでそれで?」
「毎回起こる商品入れ替えやら値上がりのアクションも楽しい。前のターンに得たお金によって買い付けがどんどん楽になるのもいい」
「欠点が無いじゃないか」
「4,800円というお値段もこのコンポーネントでかつ同人ゲームであるということを考えれば寧ろ安いくらいだ。実にソツなくまとまってるし、目立つ欠点は無い。人数も8人までは理論上対応してる。チップ数がかなり多いのもそのためだろう」
「それでそれで?」
「…強烈に引きつけられるものが無いんだよなあ…欠点も破綻も無いけど、何故か『もう一回!もう一回!』という雰囲気にならないんだよ。下手するともう一回プレイするのが面倒くさいな…と言う感情の方が先に立つ。「うんちゃんとゲームになってるね。…それで?」って感じ」
「…そうなのか?」
「人の好みにも寄るがね。少なくともおいらは麻雀、ドミニオン、レーベンヘルツ、ワードバスケットあたりなら連続して何度もプレイするどころか、下手すりゃ徹夜でもやるけど『すきもの』をそう続けざまに何度もやるかと言われると…多分やらんね」
「厳しいな」
「こちとら1万円もないお小遣いでやりくりしてるからな。どうせ買うなら一生ものの定番を増やしたいんだよ。『ルールを覚えるまでは面白い、ルールを覚えたらやる気が出ない』ゲームばかり積み上がるのはコレクターに任せたいんだけど…なかなかそういう訳にもいかんのだよなあ…」
(続く)




