ジブリアニメについて その9
『ハウルの動く城』
×1 魅力的な「飛行シーン」がある
×2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている
×3 燃える展開
△4 笑いの要素がある
×5 「喝采」シーンがあって終わる
×・ ブラックな味わい控えめ
〇・ ロリータ成分控えめ
×××・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ
「ギリギリ「今度の新作アニメはこれだ!」と期待を煽られていた余韻が残る映画だったな」
「うん」
「これを観ると「千尋」がフロックだったことがハッキリ分かる」
「ほぼ全滅だな」
「ハウルも歴代キャラに比べると目立たないが、中々印象深いキャラではある。カルシファーみたいに魅力的な非生物キャラもいるんだが、どうしてこうも目立たないのか」
「…何故かな」
「お膳立ては全部整ってるのに何故かワクワクしないんだよ。一応「ドロドロぐちゃぐちゃ」趣味が大変なレベルまでイっちゃってる映画ではあるがね。正直観終わった後も吐き気が残る」
「…否定できん」
「ハウル自身がアメーバみたいなのに包まれるし…何なのかね」
「気持ち悪いくらいに話題にならなかったな」
「言わんけどラストのオチなんて噴飯ものだったぞ」
『ゲド戦記』
×1 魅力的な「飛行シーン」がある
×2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている
×3 燃える展開
×4 笑いの要素がある
×5 「喝采」シーンがあって終わる
×・ ブラックな味わい控えめ
△・ ロリータ成分控えめ
×・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ
「次いこ。次」
『崖の上のポニョ』
×1 魅力的な「飛行シーン」がある
×2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている
×3 燃える展開
×4 笑いの要素がある
×5 「喝采」シーンがあって終わる
×・ ブラックな味わい控えめ
×××・ ロリータ成分控えめ
×××××・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ
「どうしてこうなった」
『借りぐらしのアリエッティ』
×1 魅力的な「飛行シーン」がある
×2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている
×3 燃える展開
×4 笑いの要素がある
×5 「喝采」シーンがあって終わる
〇・ ブラックな味わい控えめ
〇・ ロリータ成分控えめ
〇・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ
「この辺まで来ると「ああ、今年ってジブリやるんだ」くらいになってくる」
「栄枯盛衰だねえ」
『コクリコ坂から』
×1 魅力的な「飛行シーン」がある
〇2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている
〇3 燃える展開
〇4 笑いの要素がある
〇5 「喝采」シーンがあって終わる
〇・ ブラックな味わい控えめ
〇・ ロリータ成分控えめ
◎・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ
「かなり評価高いな」
「減点法だとこうなるって感じ。余り準拠してないが原作があるというのも大きいかもな。ただ、現代にあって天下のジブリ作品が公開してんのにそこそこのアニメファンにとってすら気付かない内に劇場公開終わってたくらいにひっそりしてたのはショックだったなあ」
「そうなんだよ。なんで宣伝しなかったんだろうか」
「分からん。ゲドで懲りたのか?」
「しかし、飛行シーンは無理だろ」
「本気で言ってんのか?何という貧相な想像力だ!本当にオタクか!?オタクは妄想してナンボだろうに!」
「だって…近過去の現代劇だぞ」
「時かけは飛行シーン◎だ」
「あ…」
「トトロだって現実なのかよく分からん。「未来少年コナン」ではラナがビジュアルイメージで遥かに遠くまで飛翔して戻ってくるシーンがある。これはアニメなんだぞ!?現実的な話だから空飛べないなんて何言ってんだよ!」
「すまん。悪かったよ…これは合格点ってことでいいのか?」
「うん。ラピュタ級は量産するのは無理でもこれくらいは…とは思うけど、苦戦したんだろうなあ」
「まだあるが」
「もういいだろ。大体一緒だこれ以上やっても。まあ「コクリコ」全体に流れる全共闘臭さは正直『カンベンしてくれ』だったけどな」
「…まあな」
「まとめるが、結局のところ「ジブリ幻想」ってのは「ラピュタ幻想」だったと言えると思う。それが「トトロ」によって妙な方に捻じ曲げられて、あたかも「トトロみたいにほのぼのしつつも、ラピュタみたいに血わき肉躍る面白いアニメ映画」めいたものが存在するかの様な幻影が生まれ、それに引きずられてしまった」
「なるほど」
「実際にはそんなもんありゃせん。映画が面白いかどうかは「飛行シーンの気持ち良さ」とか「喝采による爽快感」なんかの案外即物的な画面映えによって決まるもんなんだよ。『偶然』それを実現出来ていた序盤の作品群はどうにか「ラピュタ幻想」を持ちこたえられたが、どんどんそれが失われて行き、遂に「もののけ姫」で尽きる」
「ふん」
「その直後に突然変異みたいな「千と千尋の神隠し」が最後の打ち上げ花火を上げるが、それが最後の輝き。後は思いつくままにストーリーをなぞるのみ…オレの理解はこんな感じだ」
「で、日本アニメはテレビアニメこそがメインストリームなのに、唯一映画で頑張っていたジブリも遂に映画を作れなくなった…と」
「そんな感じだ」
「しかし、どんなものにも寿命はある。「ジブリ的なもの」は遅かれ早かれ受け入れられなくなって行くんじゃないのか?」
「全くそうは思わん。それは面白さを換骨奪胎してないからだ」
「お前みたいな分析ってことか?」
「ああそうだ。「ラピュタ」やら「千尋」みたいなお化けはそうそう狙っては生み出せないが、「構成」によって娯楽作品として最低限のレベルをクリアし続けることは間違いなく可能だ」
「例えば?」
「大長編こと劇場版ドラえもんなどはそうだろうし、海外になるがピクサーのCGアニメなんかそうだろ」
「…そんなもんかね」
「多民族国家アメリカのシステム化の凄さを舐めるなよ?ピクサーは向こう数十年は安定した作品を生み出し続けるだろう」
「ネタが続くもんか」
「嗚呼!全く分かってない!ネタでもアイデアでもねえよ!「構成」!「構成」さえしっかりやれば、劇場でる観客に「ああ面白かった」言わせるくらいは90%出来るの!それ以上は保証せんが、ある程度以上のレベルは絶対に出来るんだって」
「まるで工業製品だ」
「ああそうさ。システム化するってのはそういうことだ」
「そんな有様じゃ「コクリコ坂」は生み出せても「ナウシカ」「ラピュタ」「千尋」は生み出せないぞ」
「それこそ見解の相違だな。職人芸も結構だが、効率化を徹底的に追求したアメリカに努力と根性で対抗した日本は勝ったのか?」
「下らん」
「ゲームの世界なんか完全にそうだ。16ビットまでは世界を席巻してた日本ゲームは、映画スタジオみたいに徹底的に作りこむ北米を中心としたゲーム工房に全く、まるっきりお話にならんレベルで水を開けられてる」
「…ゲームなんてのはそれこそアイデアだろ」
「効率化追求否定論か?やっぱり日本人に「アニメ映画」作らせるのは無理だよ。ジブリすらアニメ映画製作が立ちいかなくなったのが何よりの証拠じゃないか」
(続く)
ex 未来少年コナン
0 風の谷のナウシカ
1 1986年8月2日 天空の城ラピュタ
2 1988年4月16日 となりのトトロ
3 火垂るの墓
4 1989年7月29日 魔女の宅急便
5 1991年7月20日 おもひでぽろぽろ
6 1992年7月18日 紅の豚
7 1994年7月16日 平成狸合戦ぽんぽこ
8 1995年7月15日 耳をすませば
9 1997年7月12日 もののけ姫
10 1999年7月17日 ホーホケキョ となりの山田くん
11 2001年7月20日 千と千尋の神隠し
12 2002年7月20日 猫の恩返し
13 2004年11月20日 ハウルの動く城
14 2006年7月29日 ゲド戦記
15 2008年7月19日 崖の上のポニョ
16 2010年7月17日 借りぐらしのアリエッティ
17 2011年7月16日 コクリコ坂から
18 2013年7月20日 風立ちぬ
19 2013年11月23日 かぐや姫の物語
20 2014年7月19日 思い出のマーニー
「ジブリ的ヒット作」は以下の条件を満たす」
1 魅力的な「飛行シーン」がある
2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている
3 燃える展開
4 笑いの要素がある
5 「喝采」シーンがあって終わる
・ ブラックな味わい控えめ
・ ロリータ成分控えめ
・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ
・「風の谷のナウシカ」(個人的ベスト)
・「天空の城ラピュタ」(総合ナンバーワン)
・次点「魔女の宅急便」
・余技「となりのトトロ」
・イレギュラー「千と千尋の神隠し」
(続く)




