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ジブリアニメについて その8


「また随分思い切ったこと言いやがる」


「そうか?紛れもない事実だと思うが」


「…少なくとも世評はそうはなってないと思うぞ」


「そこが分裂してんだよ。これは明らかに「となりのトトロ」の悪影響だ」


「はぁ?」


「あの作品が大当たり…長い目で観ての話な…して、健全印のスタジオジブリが印象付けられちまったもんだから「ラピュタ」みたいなことが出来なくなってる」


「さっきから宮崎アニメばかりくっちゃべってるが、「火垂るの墓」とか「おもひでぽろぽろ」とか「ぽんぽこ」「耳すま」なんかはどうなんだよ」


「知らん」


「知らんって…」


「オレはリベラルと人を思想で区別するのが大嫌いでな」


「ギャグだよな?」


「ラピュタは言ってみれば「世界名作劇場のキャラクターが、インディ・ジョーンズとスター・ウォーズ世界で活劇を繰り広げる」みたいな夢のコラボレーション企画だったと言える」


「はあ」


「大金掛けて市井しせいの一般人の日常切り取って「人間ドラマでござい」なんてのはアニメ映画としての意義を見出せん。実写でやっとけばよかろうに」


「それでもアニメで描く意義はあるだろ。「火垂るの墓」くらい見事な反戦映画は無いぞ」


「…まあいい。この辺から色々問題だ」


『もののけ姫』

×1 魅力的な「飛行シーン」がある

△2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている

×3 燃える展開

×4 笑いの要素がある

×5 「喝采」シーンがあって終わる

〇・ ブラックな味わい控えめ

〇・ ロリータ成分控えめ

×・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ


ほとんど全滅だ。ヒデエもんだ」


「…確かに明朗快活な映画じゃないが、これだけの大ヒット映画をおのれの好みだけで断罪しやがるのには違和感があるなあ」


「確かにナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女宅、紅豚とぶっちゃけて言うと構成自体はどれも似通ってる。キャラクターだけ変えた同じ映画なんてことまでは言わんが」


「いや、それはないだろ」


「だからそう言ってないだろ。しかし、作ってる側としては「毎回同じことばかりやってる」という思いがあったのかもしれん。だから繰り出してきた変化球だとも取れる」


「…そうなのかなあ」


「この映画はジブリブームが最初の頂点を迎えた時期の映画ということもあって、雑誌掲載記事を含めて研究がかなり発表されてるから興味のある人は読んでみると面白いぞ」


「だから何様なんだって」


「しかし、やってることは「ナウシカ」と似てるのにどうしてこんなにスッキリしないのかと考えてしまうな。あの「起承転結」構成やら「飛行シーン」「喝采シーン」も計算づくじゃなくて、「偶然」だったのかもしれん」


「俺は好きだがなあ」


「次が最大の問題作だ」



『千と千尋の神隠し』

〇1 魅力的な「飛行シーン」がある

△2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている

〇3 燃える展開

〇4 笑いの要素がある

◎5 「喝采」シーンがあって終わる

〇・ ブラックな味わい控えめ

×・ ロリータ成分控えめ

×・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ


「もののけで遂に「ラピュタ期待」みたいな余韻を使い切ってジブリの命運尽きたかと思ったら、突然変異みたいに物凄いのが現れてしまった」


「何だよ。認めてるじゃないか」


「こう言うのを観る限り、やっぱりその場で適当に考えてるだけで、計算とかしてないのかなあ…と思わざるを得ない」


「負け惜しみか?」


「別に対決してる訳じゃないぞ。10歳の女の子を風俗で働かせる願望描いた映画が国民的ヒットってのが凄い」


「…何言ってんだ」


「赤いちょうちんが印象的だが、モロに「赤線地帯」だ。吉原とかの風俗街だよ」


「いや、ヒドいだろそのこじつけ」


「全然。つーか監督自身が明言してる。そもそも江戸時代の風呂屋はイコール「そういうところ」だった。つーかタイトルからして露骨だろうが」


「へ?」


「神隠しってのは要は行方不明のロマンチックな言い換えだ。妖怪の仕業ってことなんだから」


「…うん」


「これは風俗業者が田舎の娘をさらってるのは当時の常識だったんだ」


「そうなのか?」


「遂に主人公は10歳の幼女に後退。背中がバックリ開いたエロい(ロリコンには)衣装で甲斐甲斐しく働くアニメの完成だ」


「…そういう言い方をされると…」


「シータも荒くれものの元で働いてたがね。意味合いが違うだろ。もののけから始まったドロドロぐちゃぐちゃ趣味はしょうけつを極めて、女の子が「茶色の粘性液体」まみれに成りつつ頑張る。この意味分かるな?」


「邪推に過ぎるだろ」


「いや、そうとは思わんね。この「お腐れさま」が最後自転車を「引き抜いて」もらって「よきかな」と満足して去るのが何を意味してるか説明する必要はないと思う」


「…」


「ミリタリーとか破壊とかメカとかの趣味を名作風の装いにくるんで提出してみせる達人だったのが、同じ趣味でもロリコンの方を名作に仕立てて提出してきた訳だ」


「ちょっとヒドくないかその言い方」


「別に非難してない。むしろ尊敬してる」


「ホントかね」


「やりようによってはそういう趣味であっても国民的大ヒットになりうるという証明だ」


「構成は△だが、喝采には◎ついてるな」


「うん。「もののけ」で途切れたはずの飛行シーン…それもかなりポジティブな…が唐突に復活してるのも印象的だが、それよりも全盛期の定番だった「喝采シーン」がある。これが国民的大ヒットになった最大の要因だ。ハッピーエンドだからな」


「…でも、もののけはアンハッピーエンドかもしれないが日本記録を…」


「千尋が抜き返してる。やっぱりみんなこういうのが観たかったんだよ」


「まあ、そうかもな。異形の怪物とかジブリ風味も堪能できたし」


「ただ、この「喝采シーン」も「これがあればハッピーエンド風味がより増すから」やってるというよりはやっぱり思い付きみたいで、何故か2回もある」


「あ…」


「トータルで観るとそんなに悪くないから「構成」の評価は△に留めたが、明らかに混乱してる。計算づくじゃなくて適当にやってる証拠だ」


「…確かに2回ある。何でこうなったんだ?」


「ともかく、残念ながらこれが『ジブリ最後の輝き』となった」


「…」


「少なくとも、新作映画が公開されるたびに日本記録を塗り替えるみたいなお祭りは影をひそめることになる」


「まあな」



(続く)


ex           未来少年コナン

0 風の谷のナウシカ

1    1986年8月2日 天空の城ラピュタ

2 1988年4月16日 となりのトトロ

3         火垂るの墓

4 1989年7月29日 魔女の宅急便

5 1991年7月20日 おもひでぽろぽろ

6 1992年7月18日 紅の豚

7 1994年7月16日 平成狸合戦ぽんぽこ

8 1995年7月15日 耳をすませば

9 1997年7月12日 もののけ姫

10 1999年7月17日 ホーホケキョ となりの山田くん

11 2001年7月20日 千と千尋の神隠し

12 2002年7月20日 猫の恩返し

13 2004年11月20日 ハウルの動く城

14 2006年7月29日 ゲド戦記

15 2008年7月19日 崖の上のポニョ

16 2010年7月17日 借りぐらしのアリエッティ

17 2011年7月16日 コクリコ坂から

18 2013年7月20日 風立ちぬ

19 2013年11月23日 かぐや姫の物語

20 2014年7月19日 思い出のマーニー


「ジブリ的ヒット作」は以下の条件を満たす」

1 魅力的な「飛行シーン」がある

2 起承転結(序盤+ラスたち)構成がしっかりしている

3 燃える展開

4 笑いの要素がある

5 「喝采」シーンがあって終わる


・ ブラックな味わい控えめ

・ ロリータ成分控えめ

・ ドロドロぐちゃぐちゃ要素控えめ


・「風の谷のナウシカ」(個人的ベスト)

・「天空の城ラピュタ」(総合ナンバーワン)

・次点「魔女の宅急便」

・余技「となりのトトロ」

・イレギュラー「千と千尋の神隠し」

(続く)

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