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王子たちの母が登場!!

今回はあまり王子たちは出てきません。少ししか!

 今日いきなり開催(かいさい)された、王城の庭園での王妃と第二妃、第三妃主催のお茶会。


 そこにはこの国の上流階級の貴族夫人や有力な商人の妻、そして、その令息や令嬢が集まっていた。


 夫人達は王妃と世間話という情報交換の花を咲かせ、子供たちは子供たちで、家の繋がりを得るために、それぞれ有力貴族の子供の周りや、最近力を付けてきた商人の子供の周りに集まっていた。

 こんな実力が重視される国でもコネは大事なのである。まあ、そのコネを得られるための実力を持ち、いかに実力のある者に気に入られるかが、求められるが。

 そういう力の無い者は容赦なく、どれだけ実力のある者の子供でも平民に位を落とされる。反対に平民であろうが、実力のある者はこの国の中核にさえなれる。


 このお茶会の中の夫人の中には、平民から成り上がった者の妻になった猛者も多く居る。騎士団長の妻である、リリエ・バンバーラが良い例である。

 リリエはもともと男爵位(騎士爵)を持つ貴族の令嬢で、平民の兵士であった騎士団長・・・エリオルドの筋肉に一目惚れして、アタックしまくった末、やっとエリオルドが(ほだ)されて結婚した。そこから平民兵士だったエリオルドが、騎士団長に上り詰めるまであっという間だった。

 実はリリエは筋肉好きの戦闘狂(せんとうきょう)だったのだ。エリオルドは戦闘狂のリリエの相手を必然とする事になってしまった。新婚当初は命の危機に晒されまくり、毎晩どうすれば生き残れるか策を練った。そんな事を毎日繰り返しているうちに、エリオルドは知らぬ間に着々と実力を付けていったのだ。そう、国中の騎士団でやっと超大型ドラゴンを倒せるのが一人で倒せる位に・・・。逆に言えば、どれだけリリエは強いんだよ!?という事になるが、そこは割合しよう。

 とにかくそんな実力を付けたエリオルドはお偉いさん方に目を着けられ、騎士団長の位置に納まった。


 そんな実力者の妻たちはある事を話していた。その話の内容とはこの国の王子達の事であった。


「そういえば、今日は王子たちの姿が見えませんが、どうなさったの?」


 戦闘狂などに見えないお淑やかに笑うリリエが、王妃たちに聞いた。他の夫人方も気になっていたのか皆王妃たちに注目している。

 その視線を受けた王妃たちは目を合わせ少女の様に悪戯っぽく、うふふと笑った。彼女たちのその笑いは見るものが見れば大変美しい女神の様に見えるが、彼女たちを知る夫人たちは彼女たちが何か企んでるのかと、理解できた。

 第一王子と第三王子に似た(かんばせ)の王妃、ローズティアが弧を描く唇を開ける。


「ふふ。(わたくし)たちの王子は今日は、王子では無いんですの」


 そんな不思議な発言をする王妃に続いて、どことなく雰囲気が第二王子に似た第二妃のリリーナが声を発した。


「クスクス。今日は()たちの姫君になっているのじゃ」


 最後に第四王子に瓜二つの第三妃のマリエッタが口を開いた。


「えへへ。とっても可愛かったんですよ~!!あたくし、思わず張り切ってしまいました~!!」

「え?えっと、つまり・・・王子殿下たちは女装をしているという認識で、よろしいですか?」


 この三人の発言で察しの良い夫人が気づいた。それにまたもや王妃たちは少女の様に笑うと、とある方向に指を向けた。それを辿り、視線を向けた先には四人のドレスを着たどこか顔に見覚えのある令嬢が、立っていた。

夫人達はそれぞれの令嬢の表情を見た瞬間、同情した。




♢♦♢♦♢♦♢


 ルシアス含むこの国の王子たちは皆、それぞれの母が見立てたドレス(・・・)に身を包んでいた。

 第二王子のアルバートと第三王子のルシアスは、もはやどこを向いているのかさえ判らぬ程、遠い目線になっており、末っ子である筈の第四王子のシルビオはその歳でどこか諦めたように、目だけが笑っていない状態で微笑んでいる。唯一、年長である第一王子のアーヴィルだけがこの状況を楽しんでいるかの様に見えるが、その目は殺意が溢れていた。


 そんな見た目は美少女だが、何か恐ろしいオーラを発する令嬢たちを、夫人に連れてこられた子供たちは遠巻きに見るのだった。


何故こういう状況になったのかというのは、次話で説明したいと思います。


それとブックマーク登録、ありがとうございます!これからも、ブックマーク登録や評価、感想など頂けたら嬉しいです!!作者が(笑)

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