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実力主義者な大国パルクタス。
王宮の一角にある庭で、四人の少年達が遊んでいた。
第一王子であり、王妃の息子で皇太子である、アーヴィル・パルク・エイドリット。齢十。
光輝く王冠の様な黄金の髪に、深く広い海のような目。そして見目麗しい王妃と国王の、良いところが程よく受け継がれた美貌は何処かその歳故か、危なさを醸し出している。
そして幼きながらも、他者を従わせ、惹き寄せる雰囲気を生まれながらに持っていた。
次に、第二王子であり、第二妃の息子であるアルバート・パルク・ハイドリット。齢九。
闇夜の様な短い黒髪に、爽やかな風を想像させる翡翠の目。国王である父に似た、幼いながらも凛々しい顔立ち。
そんな第二王子は、非常に武に秀でており、戦神の申し子である。
そして、第三王子であり、王妃の息子であるルシアス・パルク・アルドリット。齢六。
月の光の様な輝きを放つ白金の髪に、静かに揺らめく瑠璃色の目。兄であるアーヴィルが太陽の様な容姿ならば、弟であるルシアスは月の様。
第三王子は、努力の人と呼ばれ、勉学や魔法の事については神童と称えられる。
最後に、第四王子であり、第三妃の息子であるシルビオ・パルク・パルドレット。齢五。
大変珍しい雪のような純白な髪に、黒真珠のような目。第三妃に大変似ており、愛らしい容姿だ。
末王子であるシルビオは、芸術に大変秀でており、感情表現が豊かだ。
第一王子と第三王子以外は皆、母が違うが四人の仲はとても良い。
今も、年長である王子二人は、幼い弟王子たちを膝の間に座らせ、楽しそうに話をしている。
「アーヴィル、聞いてくれよっ!この前やっと、騎士団長から一本取れたんだっ!」
「それは凄いな。あの英雄の騎士団長から一本取れたなんて!」
アルバートが、アーヴィルに騎士団長から一本取った事を報告すると、アーヴィルは顔を綻ばせ、アルバートの頭をクシャと撫でた。それを受けたアルバートは、ふにゃりと嬉しそうにはにかんだ。
そして、シルビオはその光景を羨ましそうに見ていた。
「・・・いいな」
「シルビオ、アーヴィルに撫でられたのを、羨ましがってるのか?」
アルバートは、「それじゃ、シルビオは俺が撫でてやるっ!」と言うと、わしゃわしゃとシルビオの頭を撫でた。それにシルビオがぎょっとし、髪がグシャグシャになったことを怒ったが、その耳は赤く、満足したのが判る。
長男であるアーヴィルは弟たちのやり取りに、クスクスと笑う。
そして、第三王子であるルシアスはアーヴィルの膝で、兄弟達のやり取りに、一人悶えていた。
まだ他にも連載があるのに、話を思い付くと書いてしまう・・・。作者の悪い癖です。
どの作品かが完結するまで、他には連載は書かない。書かない・・・ハズ。