表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

 その日、私の人生が終わった。


 至って普通のどこにでもいる、高校生だ。ひとつの事を除けば。


 私こと、左藤(さとう)(みつる)は自分で言うのは、あれだが・・・女子高で悪役王子と言われていた。

 由来は、演劇部で数少ない男役をやり、必ず王子の好敵手の隣国の王子をやらされる事が多かったから。

 そして、何よりも私自身の容姿にも関係していた。


 さらりとした黒髪に、目付きの悪い目元。眉は手入れをしていなくても、美しかった。

 そして自分ではそんなつもりは無いが、友人曰く見下されているかの様に、錯覚するようだ。

 薄い唇は、きゅっと不機嫌そうに引き結ばれており、その横には黒子が色っぽく存在を主張している。


 そんな悪役紛いな容姿だったが、目鼻立ちはハッキリと整っておりやけに変なファンが多かった気がする。


 主に『(ののし)って!』『見下して!』『(さげす)んで!』と三拍子で頼まれるのが多かった。


 身振りは王子そのもの。演劇で、先輩が厳しく指導したせいか、染み付いて取れなくなってしまったのだ。

 口調も、男言葉になってしまう。

 他にも、三拍子で演技を頼まれた時に、自然と悪役王子になりきってしまう程に、演技馬鹿でもあった。


 取り巻きも何故か居たな。そういえば・・・。

 何時も、私の三歩後ろにゾロゾロと。



 そして、そんな風に高校生活を送っていたら、刺された。

 主役の方の王子のファンの少女に。



 あぁ、まだ死にたくない―――。



 そんな事を思うも、私の意識は暗闇に呑まれていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ