~お空の上で~
天国や生まれ変わり等、非現実的な内容です。
そのような内容が苦手な方はご遠慮ください。
…あれ?ボク…お空浮いてる?
「お前は死んだのじゃよ…」
気が付くと、目の前に長い白ヒゲのおじいさんが立っていた。
「あなただあれ?ここ…どこ?」
疑問をそのままにボクは聞いてみた。
「ワシか?ワシはなあ…」
おじいさんは少し考えてこういった。
「ワシは命を送りだし、そして迎えるもの…かの。」
「送りだし、迎えるもの…?…神様なの?」
「そうじゃよ。そして、『ゆう』お前は今迎えられるものになっている。」
…ゆう?
…ゆう…とても大切なコトバだった気がする…
……!!
「ボクの名前!!」
そうだ、ボクの名前だ。
なんで忘れてたんだろう。
…迎えられるものって?
ゆうの心を読んだように、ちいさく息を吸って神様は言った。
「ゆう、お前は命を終え、新しく生まれ変わるんじゃよ。」
「…え?」
「お前は死んだのじゃ。」
「死」という言葉を聞いた瞬間、閉ざされていた記憶が弾けた。
ご主人様と…幸君と公園で遊んでたんだ。
幸君とボール遊びをしてて、それで…
ボールが道路に行っちゃったから、追いかけて…
振り返って幸君の所に戻ろうとしたら…
目の前が真っ暗になった。
そこからどうやってここに来たのかは分からない。
「そっか…ボク死んじゃったんだ…」
だからお空浮いてるんだ。
目の前がぼやけて見えなくなってくる。
…目から、しょっぱい水が流れてきた。
…ああ、これが「涙」なのか。
犬でも涙って出るんだ…
そんなことを考えていると神様が話し出した。
「酷な事を言うようじゃが、お前の生まれ変わり先はもう決まっている。次は人間になるんじゃ。」
「いやだ!!」
…考えるより先に言葉が出ていた。
「幸君にまだ何にも出来てないの!!お願い神様、ボクを幸君のもとに返して!」
帰りたい。幸君ともっと一緒に居たい。
そんな思いでいっぱいだった。
「それは…できん。」
「どうして!?」
「生まれ変わりでは、人間になるのが一番難しいんじゃ。
そのチャンスを自分でつぶすのか?人間になるには前世の行いもかかわってくる。それに…」
神様の言葉をさえぎってわめく。
「人間なんてまたなればいいもん!!」
…でもそんなに甘くなかった。
「それに…」の先を聞いてからそう思った。
「それにのう…。一度チャンスを破棄すると
もう二度と、人間にはなれないんじゃよ。」
衝撃だった。
ボクは、幸君みたいな「人間」になりたかったから。
大好きな幸君のように。
それで…幸君と
トモダチになりたかった。
飼い主とペットの立場じゃなく。
でも…
~つづく~
どうも!海猫。です!!
今回は初めて投稿させて頂きました!
連載作品です!!
…ですが、早く~!と言うようなご要望が無い限り(あったら努力します!)不定期連載となります。色々事情がありまして…。すみません。
内容としましては、うちの飼い猫が亡くなった事が、元となっています。
こんなふうでいてほしいなあ。。というような。
なのでそんな部分をくみ取って頂けると嬉しいです。
今回は読んでくださってありがとうございました!!
感謝をこめて。
海猫。