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Coffin  作者: 不眠ちゃん
5/7

Swamp

沼に足をとらわれている。身動きができない。出ようとすればするたびに身体が深く沈んでいく。足首、膝、腰、胸。どんどん深くなっていって、とうとう首まで浸かってしまった。私はもう諦めた。もうどうにでもなれ、と自分からその沼に顔を埋めた。


すると、案外そこは居心地がよかった。

沼の中では何も見えない。ただ自分の意識しか見えない。ここなら自分一人だ、もう誰も私に介入したりできない、と安堵する。


もう安心し切った。もう一度外の世界で挑戦してみよう。そう思って沼の外に出ようともがくと、案外簡単に外に出れた。沼から出た後の視界は美しくて、もう一度生きてみたくなった。よし、一歩踏み出そう、と沼から足を出そうとすると、その片足が誰かに掴まれた。


「待ってよ」


子供の声だった。私は声が聞こえた沼の奥底に目を向ける。沼の底には子供がいて、異様に長い腕で私の片足首を強く握りしめていた。


「私はいつも一緒にいるよ」


逃げたかった。この悍ましい子供からどうにか逃れたかった。だから沼から出ようとしていたのに。


今でも私はこの子供と一緒にいる。この子供はいつも私にしがみついて、遊ぼうとせがんで、抱きしめてと要求してくる。いつになればこの子が満足するのか分からない。ただ、それまでは私は一生この子にとらわれつづけるのだろう。


My feet are caught in a swamp. I can’t move.


Every time I try to get out, my body sinks deeper.

My ankles, my knees, my waist, my chest.

It keeps getting deeper and deeper, until finally the swamp reaches my neck.


I give up.

Fine. Do whatever you want.

I press my face into the swamp myself.


Surprisingly, it feels comfortable there.


Inside the swamp, nothing can be seen.

Nothing but my own consciousness.

Here, I am alone. No one can interfere with me anymore.

That thought brings relief.


Completely at ease, I think:

I’ll try again, out there in the outside world.


When I struggle to climb out of the swamp, I find it surprisingly easy to do so.

Once I’m out, the view is beautiful, and I feel like I want to live again.


Alright. Let’s take a step forward.


Just as I lift my foot out of the swamp, someone grabs my ankle.


“Wait.”


It’s a child’s voice.


I look toward the depths of the swamp where the voice came from.

At the bottom is a child, gripping my ankle tightly with an unnaturally long arm.


“I’m always with you.”


I want to run.

I want to escape this hideous child somehow.

That’s why I was trying to leave the swamp in the first place.


Even now, I’m still with this child.

The child always clings to me, begs me to play, demands that I hold them.


I don’t know when this child will ever be satisfied.

Until that time comes, I suppose I’ll remain trapped by this child for the rest of my life.

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