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百色の光

作者: KIDOA
掲載日:2025/12/16

とあるところに4人の子どもがいた。


名前は、「あか」「あお」「みどり」、そして「しろ」


「あか」は、おこりっぽいが、誰よりも強かった。

「あお」は、笑わないが、誰よりも頭が良かった。

「みどり」は、怠け者だが、誰よりも優しかった。


「しろ」は、何もなかった。

悪いところもなければ、誰よりもすごいところもなかった。

「しろ」は、そんな自分が嫌いだった。


「ぼくだって、誰かよりすごいところがあるんだ。」


「しろ」は、自分を探す旅に出た。

誰かよりすごい自分を見つけるために。


旅を出てすぐ、「きいろ」に出会った。

「きいろ」は、お調子者だったが、いつも誰かを笑顔にしていた。


「しろ」は、悲しんだ。

「ぼくは誰かを笑顔にすることはできない。」


次は「ブラウン」に出会った。

「ブラウン」は、口数は少なく無愛想だったが、いつも誰かの道標になっていた。


「しろ」は、また悲しんだ。

「ぼくは、誰かの目標にはなれない」


今度は「むらさき」に出会った。

「むらさき」は、飄々としていたが、いつも誰かに尊敬されていた。


「しろ」はもっと悲しんだ

「ぼくは、誰かに尊敬される人にはなれない」


最後に出会ったのは「くろ」だった。

「くろ」は、今まで出会ってきた人とは全然違った。

その目は、どこまでも遠くを見つめていて、吸い込まれそうだった。


「くろ」は言った。


「お前は何色になりたいのか。」


続けて言った。


「なんでもいいのなら、俺がお前を染めてやる」


すると「しろ」のいた世界は、色んな人に出会ってきた世界は、全て黒に包まれていった。


「しろ」は、怖くなった。

「ぼくが望んだことで、世界が全て黒く染まってしまう。」

「誰もが輝けるあの世界へ戻さないといけない。」


だけど「しろ」には、力が出なかった。

「しろ」は色んな人に出会ってきて、自分が何色なのか、わからなくなってしまっていた。


「しろ」は叫んだ。

「ぼくには力がない。何色にもなれない。だから…、どうか、どうか…!この声が届く誰か…!世界を輝かせて…!」



次の瞬間、懐かしい声が聞こえた。



「届け、あいつのところへ」

「届いて、あなたのいる場所へ」

「届きますように、あの方の元へ」


三人の手から、赤と青と緑の光がそれぞれ生まれ、真っ黒な世界へ登っていく。


三つの光は徐々に重なり合い、やがて一筋の白い光となった。

強く後押しするように、静かに諭すように、優しく励ますように、その一筋の光は大きく弧を描いて「しろ」に届いた。


「しろ」は、何にでもなれる可能性と、誰かを輝かせる力を持っていた。

その色は、その光は、希望にも道標にも、敬意の象徴にもなる。


夕日が落ちる海、夜空に光る星、朝露で輝く森

この世界は様々な光に満ち溢れ、「しろ」自身の力で照らしていたことを思い出した。


「しろ」は、この美しい世界で、今度は誰かに染まるのではなく、誰かを輝かせるために、強く願った。


真っ黒の世界に1つ、また1つと光が流れ、それは数えきれないほど増えていき、

真っ黒に包まれた世界は、元の輝きを取り戻していった。


「ぼくは何もなかったわけじゃない。ぼく自身が気付けてなかったんだ。」


自分自身の力とその無限の可能性、様々な色の大切さを知った「しろ」はもう悲しんだりしない。


だから「しろ」は、もう一度旅に出ることにした。


「君も一緒に来るかい?」

「しろ」は、力を失った「くろ」に呼びかける。


「くろ」は小さく頷いた。


2人は旅に出る。

これはキラキラと輝くこの世界を、もっと知るための物語。
















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― 新着の感想 ―
素晴らしい展開に、胸が熱くなりました!! 鮮やかな光景がありありと目に浮かびます。絵本になったらぜひ読んでみたいです!
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