表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/64

ちゅう太郎

 わたしは17才のりっぱなレディ。


 りっぱなレディのたしなみとして、ネズミで遊ぶというものがあるんだけど……。


 わたしは猫だもの。


 狩りは本能。


 できて当然。


 お腹がいてなくても、練習のためだったり、暇潰しだったり、単純に遊びたいから、ネズミや小鳥、トカゲを追いかけて遊んだりすることがあるの。


 ええ、もちろん。 遊んだ後は食べるわよ。


 放置はしないわ。


 遊んだら、お腹がくしね。


 お母さんやお姉ちゃんにプレゼントする分は食べないけれど、遊んでそのまま、なんてことはしないの。




 ネズミはもれなくわたしの遊び相手なのだけど、一匹ひとりだけ、話し相手のネズミがいるの。



 それがちゅう太郎。


 ちゅう太郎を最初に見つけたのはお母さんだったわ。


 ちゅう太郎を見つけたお母さんは慌てて、お兄ちゃんを呼んできたの。


 お兄ちゃんとユウが駆けつけたけれど……



「このネズミ、放置でよくない?」



 ちゅう太郎を見たお兄ちゃんはそう言ったの。

 お母さんはもちろん、大反対! 殺虫剤を持って、ちゅう太郎を追いかけ回してたわ。

 わたしに殺虫剤は効かないけれど、殺虫剤まみれのネズミでは遊びたくないわね。


 なんとか庭に飛び出したちゅう太郎は無我夢中で走って、わたしの前に飛び出したわ。


 必死に逃げていたとはいえ、猫の前に飛び出すネズミ……。


 殺虫剤の効果が多少あったのかしらね?


 ちゅう太郎はわたしを見るなり、土下座したわ。


 いつくばった。と、言ってもいいわね。


「ギャ!!! っっ! お参りしてただけなんです! お供物には手を出してませんし、どうか、見逃してやって下さい!!

 変なクスリまみれで美味しくもないですから!!!」


 

 そう! このちゅう太郎、仏様に両手を合わせてお参りしてたの!


 キトクなネズミよね。


 内陣……お坊さんたちが座る所ね……には上がらず、外陣……一般のお参りの人が座る所……の正面、お線香立ての前で両手を合わせ、頭を下げてお参りしてたの。


 それを見たお兄ちゃんとユウはとてもビックリしてたわ。


 わたし、神社には行ったことがないけれど、近所の猫やカーすけ、他の動物がお寺にお参りしているのには時々会うの。

 みんな、参道を歩き、本堂正面で止まってから、本堂の中には入らずに外でお参りして帰るわ。

 動物たちもお参りしてるって、知らないのは人間だけよね。


 まぁ、ちゅう太郎は朝から本堂の中でお参りしてたから見つかったのね。


 そんな訳で、仏様にお参りしてたちゅう太郎は見逃したのだけれど、ちゅう太郎は仏様にどんな祈りをささげていたのかしらね?


「子孫繁栄」かしら?


 もし、そうなら、わたしの遊び相手が増えそうね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ