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かんちがい

 シロロが川を覗いているわ。


 わたしが川を覗くのは自分の美しさを確認するときだけよ。


 シロロもそうかしら?……ちょっと様子が違うようね。



「ポンさん!」


レディは自分から話かけはしないのよ。


「どうしたの?」


「魚が……取れなくて……。魚を取るときのコツとかって何かありますか?」


「魚? 魚は自分で取るものではないわよ。」


「え!!」


「シロロ、あなた、水は平気なの?」


「水はキライです。」


「でしょう? なら、魚を取るのは諦めなさいな。人間はわたし達、猫が魚好きだと思ってか、魚を分けてくれるけど、猫が得意なのは、人間が釣った魚を横どりすることで、自分で釣ることではないの。」


「!!」


「キライな水に入って、魚をどうにかしようと思うよりも、ねずみや小鳥、ヘビを狙いなさいな。すずめやめじろ、つばめあたりなら狩れるでしょ?」


「そうします! ポンさんは何でも知ってるんですね! ありがとうございます。」


「いいのよ。 そうそう、狩りはヘビも楽しいわよ。マムシとかなら、人間にも感謝されるわ。」


「ヘビかぁ…… 挑戦してみます!」


「頑張って。」


 


 若い子に頼られるのもりっぱなレディの証拠ね。


 そして、頼られたのなら、ムゲにはしないのよ。


 わたし、りっぱなレディですもの。


 礼義を弁えているねこには優しくするわ。


 

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