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雛菊村  作者: naikuro@シロ/naisiro@クロ
プロローグ
3/3

第三話『ナカマ』

プロローグ終わりです

次の日に学校に行かずに山の……それも雛菊神社の景色の見える場所に


あの言葉が頭から離れない為に……先生に断りを入れて……マシな言い訳をして休んで来た


「サボり……?」


居ないはずの声がして振り返ると少しだけ雰囲気の変わった零が居て隣に座る


「……どうしたの?」


聞こうとしたら


「行く気分じゃなかったら……それよりも……スケッチ……?」


スケッチブックを見て聞いてきた


「……そんな所……」


ゆっくりと見ている景色を書いていく。彼女が俺の絵を覗き込むと


「上手いね……」


……


「どうして構う……?」


気になって聞くと


「雛菊様……それしか言えない……」


そう言って立ち上がり


「運命は変えられる……ただ……意志の問題……私から言えるのは……全て変わらない……それだけ……」


……


「どうしろと?」


強い口調で言うと


「……それも自分次第……それじゃ……」


そう言って神社の方へと帰っていく


結局……訳が分からないまま……次の日になってしまう


「……」


言葉に詰まる。先生は顔を伏せて、名簿を強く握り締めていて


「……表裏零さんが亡くられました……」


その言葉だけで……理由も何も分からない……いや、昨日普通に話していただけなのに……


玲奈の方を見ても顔を伏せているだけ……


それよりも……澪さんは……


その名前を言いかけた時に


「妹さんの表裏澪さんは行方不明です」


……


頭を抑えてしまう。彼女……いや、この異常に訳が分からなくなってしまう


突然……理不尽……そんな言葉ばかりが頭に


「今日は学校は─────」


その後の言葉なんて覚えてない。気が付けば家の部屋に座っていたから


断片的に……記憶なんて衝撃で良く抜けると言うけど……それはあまりにも非現実的な話で何もかも考えられなくなるくらいに……訳が分からなかった


だから……


「拓哉ー、玲奈さんが来てるぞー!」


お父さんの声が聞こえて俺は顔を上げる


「帰してもらって良いかな……そんな気分じゃない……」


お父さんは理解してるのかそれ以降から言葉は無かった


もし……一昨日の雛菊……澪の話が本当なら……俺が死ぬ?


それは無い……そう思いたい……


けど……神様とか巫女とか依代とか……そんなの非現実的で信じられる訳ない……


澪と零のイタズラに決まってる……そうに……


だから……確認しよ……


「……」


夜になり雛菊神社に。昼間とは違い暗く不気味さがあり進むのさえ躊躇う程に……


でも……確認しないと……そう思った……


そうしなければ……済まないと思ったから


石畳を歩いていくと黒い影が揺れていた。最初こそは暗くて分かりにくいけど……月の光がそれを照らす……


「……っ……な……」


後ずさりをして座り込んでしまう。神社の賽銭の上……そこにロープが括り付けられて、揺れている……澪の姿


目は見開き、口から涎、首は締まって伸びていて、死ぬまでの間の苦しみなのかお漏らしをしたような後……


サンダルは片方脱げて……


彼女の尊厳が踏みにじられてるような姿が目の前に……


その時に……


「見ちゃったんだ……」


聞いた事……ある声……振り返ると鉈の様な鋸のようなモノを持って佇む玲奈……


「お、い、……呼ば……」


声にならない声でそう言おうとした時に彼女は笑みを作り


「そんなの意味無いよ……だって雛菊様は死んでるのだから」


そうハッキリと言うと歩いてくる。俺は同時に後ろへと下がる


「雛菊は……不幸と幸せの象徴……他人の不幸は他人の幸せに……


私の幸せは他人の不幸へと……雛菊は理不尽で疫病神


私はそれを殺した……だから終わる。終わる……なのに……何で……」


人影が立っている。内蔵が垂れていて黒いと白のメッシュの髪は血で汚れ、着ていた服も血まみれの……


「……」


零が立っている。彼女……玲奈は動揺して振り回していたがそれは全てすり抜けると


「死ね死ね……雛菊の人形は全員死ね……!!!!」


そう言って振り回して乱雑になり体が大きく揺れて、足が絡まって持っていた腕が首に突き刺さり、そのまま転けると勢いで突き刺さり……


首が胴体と離れて俺の方へと転がって……


「皆死んじゃえ……」


そう聞こえた……


俺は胸を抑えて息を荒くし何度も過呼吸になりながら逃げようとしたが逃げれずに……


痛みと共に意識が真っ暗になった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゆっくりと目を開ける……白い天井……


外は暗く……けど月明かりで心電図の音で頭がようやく理解し始める……


「病院……」


そう呟き震える手を上げようと……病院ならボタンを押せば……来てくれると……そう思って


だけど……手首には……知らない何かの手が掴まれて……


「っ!?」


振り払おうとしたら目の前に


「死んじゃえ……」


死んだ……ハズの……玲奈が……

ここからは……主人公と姉妹を中心の話です

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