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第92話 黒龍騎士団

 ああ.....そうだね、本当に嫌な呪いだ。





 マルクスの部下たちが現れた応援にきたせいで、私だけが生き残っちまった。



 レルフェンス、ベンクト、どちらも仕留めることができず、イロアスは結晶の大剣山で死体すら認識できないほど、私を庇って死んだ。私だけが唯一の[生存者]、正直死ぬつもりはない。だが勝てるとは到底思えない。


 





 「あなた一人ではもう勝機はない。諦めたらどうだろうか?」

 レルフェンスには一切の隙がない。というよりは結晶の出力が無限にも近く。距離がある時点でエレノアには勝機がない。


 「確かにそうだね、だけど私は.....()()()()()()()()()()()()()()




 だとしてもどうすれば良い、レルフェンス1人ならともかく......ベンクトやその他部下が大勢。イロアスがいれば飛剣の奇襲も狙えたが.......





 その瞬間、レルフェンスは右足を前に出し地面を踏み込む。その足元から結晶の剣山がエレノアに向かって飛び出す。



 エレノアは大きく横に飛び、剣山を溶剣で[溶解]させ防御しながら躱わす。

 エレノアの[生存者]は防御系統でも回復ができるわけでもない。咄嗟に身体が反射を起こし死を回避するように動き、その運命すら覆す恩恵である。


 彼女の命を奪うほどの攻撃は、反射的に避け、矢は逸れ、剣は他へぶつかる。自殺しようと首を括ればロープが千切れ、高所からの落下を図れば鳥が飛び込み妨害してくる。その運命力の転換である。



 例え四肢がなくなろうが、目玉をくり抜かれようが、後遺症が残ったとしても生き残るのだ。





 [溶解]で結晶を溶かすことは可能、そうなれば攻撃を掻い潜り———



その次の瞬間、ベンクトの蹴りがエレノアの腹部に命中する。バキバキと骨の折れる音が鳴り響き。エレノアはその場に力無く倒れる。


 「レルフェンスさん、後は———」

 その瞬間、うっすらと5人の人影をベンクトは視認する。誰かはわからない。重装を着込んでいるのかガシャガシャと金属音が鳴り、まるで威嚇のような音とその重圧感。そして彼らは姿を表した。


 地面に伏しながらもエレノアが横目で見たそれは、真っ黒のフルプレートアーマーに包まれ、右手には巨大なモーニングスター、左手には直剣を構えた騎士達、右腕に付けられた闇の竜を模った紋章は———





 「黒龍.......騎士団..........」




 そう呟くと、エレノアはそのまま意識を失ってしまった。




 「任務開始、レルフェンス、ベンクトを視認、その他数23名」


 レルフェンスは即座に両手を地面に当てると、最大出力で結晶を生成する。わずか一瞬にして氷山のような大結晶が黒龍騎士団の方へ音速とも呼べる速度で襲う。



 その瞬間、“ゴート”が前へと飛び出し結晶に正面からぶつかる。それと同時に大結晶にヒビが入ると一気に壊れ始める。

 結晶が壊れた先には4人しか騎士がいない、辺りを見渡そうとしたその瞬間、背後からの殺気を感じ、背後を見た時、”ジャガー“が現れ、モーニングスターを振り下ろす。

 レルフェンスはその一撃を避けるがその直後にジャガーの剣がレルフェンスの胸元を切り裂くとほぼ同時に首に向かって剣を振るう。

 「ぐ......ッが.........」

 レルフェンスは首元に大量の結晶を鱗のように生成して切断を避ける。だがその瞬間、ジャガーはナイフを手に取ると刹那と呼べるほど一瞬にしてナイフで3連撃を首に打ち込む。

 

 その瞬間、ベンクトがジャガーに対して拳を打ち込む。だがその一撃は避けられる。

 辺りを見た時部下たちの数が明らかに減っていることに気づく。

 「今の一瞬で.......」




 黒龍騎士団。人数不明、個人の名称すら不明。出自、恩恵、人種、全てが秘匿され、互いをコードネームで呼び合う。国家間協定により戦争には駆り出されず、テロや国家転覆などの制圧を目的とする騎士団である。




 ベンクトの攻撃でジャガーが後ろに下がると、すぐさま結晶を生成しようとするが瞬き一瞬にしてジャガーはレルフェンスの目の前まで来ていた。ジャガーの剣がレルフェンスに届くその瞬間、マルクスが間に割り込み剣を弾く。


 マルクスはそのまま崩剣を振るうが、ゴートが鎧板金を纏ったその手で崩剣の刀身を受け止める。そのまま騎士の腕ごと崩壊し、腕を切り落とす。そのはずだった———






 ———[崩壊]しない、それどころか[魔剣]を発動させているが吹っ飛ぶことすらない。




 マルクスはその出来事に動揺しながらも騎士を蹴り飛ばすと、一瞬の思考のうちに答えを導き出す。



 「...恩恵を消す恩恵か..........」

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