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第86話 滑落せし陣形

 「ちなみにそれくらい.....アジトに向かってると思うの?」

 「だいぶ殺されてる、...20から30人くらい、でも人数比はこっちの方が多いと思うわよ....!」

 2人が走る中で、アジトの方へ向かっていると、その姿を目にする。

 「......廃城..」

 森の中にあったのは石造りで既にボロボロの城であった。茂みからみていると、その時、背後から声をかけられる。


 「リルート、お前も来たか」

 「わっ...!!!!」

 思わず声をあげ声の主をみると、それはフレッドであった。


 後ろにはイロアス、エレノア、アモスもおり、そのほか数十名の冒険者がいた。それぞれが話す中でフレッドはアジトの方を指差す。

 「あそこをみろ」

 「あれは....見張りっぽいけど....それがどうしたの?」

 

 「まあわかってるとは思うが、全員で奇襲しているならあんな見張りはいらないだろ?少なくともあそこに何か重要なものか、マルクスがいるんじゃねえか?」

 「あぁ......なるほどね」

 リルートは道具を取り出そうとするが、手にその感触はなく、空を掴む。

 「.....道具箱忘れてきちゃった......」

 


 「流石に取りにはいけないわよ? ちなみに今持ってるのは?」

 ラティナにそう言われてロープやポーチの中に入った数本の毒針、閃光弾、そして火付け爪を取り出す。


 「それだけあれば普段と同じくらい戦えそうなものだけど?」

 「火薬はなくて.......あと蒸留酒も.....」

 リルートの若干困った顔に対してラティナは毅然とした顔で言う。

 「炎系統は魔法でなんとかなるから大丈夫よ、それよりもここから———」

 その瞬間、背後からガラスの割れる音が鳴り響く。

 聞き覚えがある、そしてその音と共に、リルートの視界は真っ暗になった。




 

 

 「起きなさい!!」

 その言葉が耳に入った瞬間に襟元を引っ張られ、リルートは意識が朦朧としながらも立ち上がる。死体がある中で辺りを見渡し、道具箱が目に映るとすぐさまそれを手に取り走り出す。



 「襲撃......!!」

 森の中をラティナと共に全速力で駆け抜ける。

 「多分マルクス側だと思うわ.....!」


 「このままアジトの方向へ向かおう!」

 森の中を駆け抜けながらアジトの方を指差し、ラティナは黙って頷くと、そのままその方向へと向かう。

 「今.....アジトの方は戦力が減っているはずよ、気づいてる人は.....既に乗り込んでいるはずよ」

 「そうだね、でも慎重に進もう....っ!!」



 走り続けてしばらく、先ほどのフレッドやアモス、イロアスやエノレアがいる茂みにまで着くと、リルートは辺りを見渡す。

 「どうしたんだ? リルート」

 リルートの挙動でフレッドも辺りを見渡そうとしたその時、アジトとは反対の方向からガラスの音が鳴り響く。

 「攻撃が来る........ッ———!!」

 リルートが声をあげ、全員が警戒しつつ辺りを見たその時、巨大な結晶壁がこちらへ波のように雪崩れてくるのを視認する。

 「ぁ———っ!!」


 声を発する暇もなく、リルートは宙空に放り出される。脚の感覚が既にない。血だらけで結晶破片同士がぶつかり合って肉をやすりで削られる、そんな痛みが続く。

 下に見えるあの茶褐色のコート、そしてアレは......レルフェンスしかあり得ない。次の行動を予測しろ、まず道具箱をとり、ここまで走るんだ。そしてレルフェンスの位置を———


 



 その瞬間、頭がグシャリと潰れる音が全身に響き渡るとほぼ同時に、リルートの意識は途絶える。





 「起きなさい!!」

 その言葉が耳に入った瞬間に襟元を引っ張られ、リルートはすぐさま立ち上がると道具箱をすぐに手に取りラティナと共に走り出す。



 「マルクス.......レルフェンスとかベンクトは見た....!?」

 森の中をラティナと共に全速力で駆け抜ける。

 「見てないわ...! それよりも」

 「このままアジトの方向へ向かおう!」

 リルートは森の中を駆け抜けながらアジトの方を指差し、ラティナは黙って頷くと、そのままその方向へと向かう。

 「今.....アジトの方は戦力が減っているはずよ、気づいてる人は.....既に乗り込んでいるはずよ」

 「そうだね.......」





 茂みに入るリルート達であったが、すぐさまアジトの反対方向を警戒し始めると、僅かに光の反射が見え、リルートは叫ぶ。

 「後ろから結晶の攻撃がきます.....ッ!!」

 その瞬間、結晶の波が押し寄せ、リルートは茂みを飛び出し地面を転がりながらもその攻撃を避ける。

 仰向けで止まったその時、何かが飛んできて、リルートは反射的に腕で顔を覆う。

 「ッ......———!!」

 腕に何かが突き刺さる感覚、リルートはすぐに立ち上がり、ナイフが投げられたであろう方向を向くと、城壁の上に人影が見えた。

 人影はその場から降りると、リルートの目の前に立つ。手にはナイフをもつパーカーの少女、リルートは腕に刺さったナイフを抜こうとするが、既にナイフはそこになかった。


 少女がナイフを投げる予備動作を見た瞬間、即座に道具箱を前に出し、盾にしようとするが、ナイフを投げた動作の次の瞬間、フレッドがリルートの前に飛び出す。


 「フレッド....!!?」

 フレッドは剣で円を描くかのように振るうと、金属音が鳴り響く、その場にナイフはなかった。フレッドが斬った後も金属音はなり続け、地面にナイフの落ちる音だけが響き、次々とマルクスの部下たちが廃城から現れるのであった。


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